迷建築「ノアの箱家」

ひょんなことからNOAに選ばれし者として迷建築「ノアの箱家」に住むことになったKOKKOの笑ってあきれる自宅建築奮戦記

必要最小限

2010-11-30 20:04:13 | 建築一般

必要最小限の広さと設備

NOAに設計を依頼したとき、「必要最小限の設備でいい、それにお金をかけるよりも、そこでどう生きていくかの方を大事にしたい」と言った。

しかし、「必要最小限」とは、なんてあいまいな言葉なのだろう。

人によって、その言葉の意味するところは大きく異なる。

ある人にとっては、一畳のダンボールマンションが必要最小限であり、またある人にとっては、9㎡が必要最小限であり、ある人にとっては100㎡であったりするから厄介だ。

9㎡セルフビルドの小屋については、「これなら出来そう!」と思って見ていた。

建築確認申請の必要が無いから楽珍だし。(ただし、更地に新築の場合は必要)

 

しかし・・・。

本当にそれで満足できるか?

屋外をトイレ・キッチン・居間・インテリアを包括する空間とするならば、それもOK。

だが、屋内は寝るだけになってしまいそう・・・。

で、下(都市部)に住んでいる時、自分の動線をよく考えてみた。

キッチン・仕事部屋・寝室・風呂・トイレ・・・計算すると、やはり6畳二間分にはなってしまう。

特に、私は食器と料理用の道具、布とその道具がとても多い。収納にスペースを回すとなると、どうしても狭くなる。

で、仕事部屋兼キッチンで一間、収納・トイレ・風呂兼寝室(ロフト)で一間とすると、なんとか6畳二間でいけるかな?

なんてことを考えていたら、9㎡というのは私にとってはどうしても狭すぎると思えた。

「必要最小限」って、何てあいまいな言葉だろう・・・改めて感じてしまった。

同時に、私は何て恵まれているんだろうとも・・・。

昔、新聞少女としていくつもの○○荘などという所に出入りしていたことがある。

5人家族が6畳一間なんてのはざらだった。

部屋の入り口に散乱している生活用品を見て、子どもながらに色んなことを私は感じていた。

家を見るというのは、その人の生き様を見るということに他ならない。

「必要最小限」とは、その人の欲望の大きさの最小限を表しているいるのかもしれない。

 

ところで、正規雇用が大幅に減る今、若者たちは自分の棲家をどのようにイメージするのだろう?

生涯結婚しないで一人暮らしをすることになるか、シェアハウスで仲間と暮らしていくか、本人の意思ならいいのだが、中には意に反してこれまでの家のイメージからは大きく異なる道の選択をせざるを得ない人が増えるのではないか。

我が家の青少年のパラちゃんも、住み込み業務で(修行中の身とは言え、飼い殺しに近い過酷な労働。朝8時から深夜12時までの勤務。週に一回は明け方5時まで。狭いワンルームに二人の従業員。私にはタコ部屋生活に見えたが、それでも、非常に恵まれていたと今は思う。)身体を壊して私の所に舞い戻ってきた。現在、新たな道を見出しはしたものの、若者達の未来はそれほど明るいとは言えないような気がする。

私は、地震による都市機能の破壊に脅えてここへ来たので、ある種のサバイバル志向者の一人とも言えるだろうが、エコ・循環型生活やBライフとサバイバル生活は、技術的に大きく重なる部分があると考えている

「必要最小限」の言葉の意味をもう少し深く掘り下げてみたい。

  

本日の早朝6時25分の気温

樫田校前-3℃   コンテナ軒下0℃   コンテナ内部2℃

                    

 



セルフビルド考⑪(廃材王国)

2010-11-29 20:10:16 | セルフビルド考

カナディアンファーム

ノアの箱家の基本設計が出来た今年の2月頃、囲炉裏茶屋にある和里庵(陶芸工房)のM女史のところで「廃材王国」(長谷川豊著、淡交ムック遊美シリーズ 1238円)を見つけた。

めちゃくちゃ気に入って借りた。

何が気に入ったか。

彼の家造りのセンスの良さとはあ槽の自由さ、生き方。

「20年保つ家なんて造らなくていい。家族はどんどん事情が変わっていくものだから。」

「家を買うと、ローンのために働かなくちゃならない。ローンが終わった頃、家はすでに老朽化している。人生の一番おいしい時間も過ぎている。人生って何ですか?家は買っちゃたらダメなんです。ボクは廃材を使う。要するに、お金を出して買わない。」

四日働いたら3万円にはなる。これで1ヶ月は楽に過ごせる。お金のためなら、一ヶ月に4日働けば十分。お金以外のために働く・・・家を建てるため、友だちのため、ボランティアで社会のため、家族のため、畑のため、自分のため、働く目的はたくさんありすぎる。だから、お金のためだけに働くのはよした方がいい。

本を今朝読み直していて、はたと思った。

あらま、これってBライフじゃん!

お金にあくせくせず、そのかわり自由を手にしたいと考える人間がいるんだね。

彼のセルフビルド群がある長野県茅野原村のカナディアンファーム、行ってみたくなった。

http://www.go-canadianfarm.com/

 

廃材ばかりで家を造っているが、いいでき。噂を聞きつけた人たちからの注文建築まで請け負っているというのも頷ける。

制作は設計図なし。おかげで、施主が銀行ローンを申請できず困ったというケースもあるとのこと。

即興でどんどこどんどこ造っていくから、本人にも最終的な出来上がりは最後まで分からない。

どうにかなるさ~ってところか。

そう言えば、白足袋の飼い主君(石山修武)も途中変更に継ぐ途中変更、やりたい放題やってるケースがあったなァ・・・。

 

Bライフと言えば、「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」(坂口恭平)って本がある。

都市でBライフをしようとしたら、これに近くなってしまうかも・・・いや、参考になるかも。

 あ、そうそう、こういう人もいる。

いつだったかテレビを見ていて見た家族。パン屋にパンの耳を20円で買いに行き、田んぼの水路で魚を釣り、川の水で水力発電してBライフをしている。夏は、川の深みそのものが風呂なわけだが、家というか小屋もセルフビルド。

なんとたくましい一家だろうと感心した。

発想さえ変えれば生きる術はある。楽しんで生きる道はあるのだ。

勇気が湧いてくるね。

 

0円ハウス=ダンボールマンション

20年ほど前、ひょんなことから「自分は以前ダンボールマンション暮らしをしていた」という人物と出会ったことがある。

彼は、アルコール依存症だった。それが原因でホームレスにまで“身を落としてしまった”のだが、「ダンボールマンション」とはいい表現でとても気に入り、それ以後、ホームレスのホームを見ると、ダンボールマンションと呼ぶようになった。

大阪市立動物園の側に立ち並んでいるマンション群。自転車の呼び鈴がドアベルだったり、下駄箱つきであったり、かなりの文化的暮らしをしているのに興味を引かれて一軒一軒眺めていたことがあるが、坂口恭平君の「0円ハウス」は、その十数年後に知った。

「世の中、同じようなのに興味を持つ人間がいるんだ。」と坂口君には感激してしまった 

ノアの箱家は、土地家屋込みで100万円以下ではないから、規定どおりのBライフを実践している三年どころか毎年寝太郎君から見ると、私の暮らしは王族みたいなものかもしれない。

が、王族は思うのである。「私もちょいと参考にしてみよう」と。

「お金は暮らしに必要だけれど、お金のために大事なものを失うのは本末転倒。お金が無くても心豊かな暮らしをしたいものだ」と。


 

 


ボロボロ

2010-11-28 21:12:25 | 「ノアの箱家」工事進捗状況

12時間働き続ける

朝の7時から夜の7時まで。

もうボロボロ。

来週の土曜日に、中ちゃんたちが来て今年最後の肉体労働をしてくれることになった。東側コンテナの下に枕木を並べていく作業である。重さ80キロあるので、これは男しか無理。

で、私はそれまでに残りの荷物搬入をしておくんだ!とばかりに今まで一人で軽トラ使って毎週末引越し作業をし続けてきた。

何せ、私は荷物が多い。引越し業者に頼んだら十数万円飛んでいく(下から囲炉裏茶屋に来た時は16万円もとられた)

軽トラのおかげでBオバサンの引越しは大助かり。ガソリン代だけで済む!

 

さて、本日の作業は、朝一に軽トラを走らせてドカドカ荷物を運び込む。

その後、“水仙ロード計画”の続き。(水仙だけでなく、山百合やチューリップやら彼岸花やコスモス・れんげ・ひまわり・ムスカリ・フリージアなど、拾いっ子・貰いっ子・買って来た子達をばら撒き、植えつける・・・かなり地味な作業)

その後、さらに荷物運びと整理と掃除。

途中でLEDライトの返品に下まで車を走らせ、また作業。

昼頃、ひでちゃんが様子を見に来てくれた。(文字通り見に来ただけ、たったの10分で帰る)

昼食後、床の上に散乱した材木などの資材の残りをコンテナと屋根の間に突っ込んで整理。

養生シートやベニヤも半分は片付け、電子レンジのセッティング。

気がついたら、7時過ぎ。

ボロボロ。

今日は昼前にはすでにしんどかった。昨日の柿の木の筋交い付けがこたえたんだと思う。

だけど、急がなくちゃ、休んでられない・・・。

5月末に工事が始まって以来、休んだのはまだ4日。そうか、半年間で四日しか私は休んでないんだ。

家が半ば出来て、引越ししたとたんガクッときて何もする気がなくなってしまったっていう人がいる。

多分、極度の緊張と過労が原因だろう。

私は・・・多分、ガクッとはならない。

だって、12月。目の前には“竹”の作業が迫っている。

もう竹の伐採シーズンを迎えている。早く何本かはゲットしておかなければ。

予定通り、イベントをやるんだ。

毎年12月、「樫田の“アートスペース樫の木”見に行こ」と言ってもらえるように、恒例行事としてやり続けたいことがある。

ガクッとなんてしてられない。


 

 


窓の変木格子

2010-11-27 19:52:21 | 「ノアの箱家」工事進捗状況

「一気にやってまおう!」

冷蔵庫・生け花用石臼・重ちゃんの作ったテーブル、これらは重すぎて私には軽トラに乗せるどころか、動かすことも困難。

で、兄ちゃんと兄ちゃんの仲間(新顔)が手伝いにやって来た。

無事新居にセッティングし終わったのが12時半。

で、デッキで湯豆腐の昼食。暑くてTシャツ1枚になる。

新顔が帰った後、兄ちゃんと二人で「一気に格子つけてまおう」と張り切った。

が、途中で木が足りなくなって、囲炉裏茶屋の廃材置き場にある剪定カスの桜の枝を貰ってきて取り付けることに。木をあさりまくる。“変木”と言いたいところだが、皆ただの廃木。

ま、ええか。

 

         

 

                       

いずれも、まだ形を整えていない。今後、時間を見て上下に飛び出している部分を面白く整え、小枝で“遊び”も入れていく予定。窓枠にはまだ防腐剤も塗っていない。あ~あ~、先週塗っときゃよかった。

皆さん、木を囲炉裏茶屋に捨てに来て下さい。

KOKKOはその時その時手に入る資材を有難くゲットしながら家を造っていきますので、よろしく!

なお、他の廃品もどんどん持ち込んでチョンマゲ。両手を拡げて待ってます。

本日の資材費は0円でした。

 

              

                 藤棚の筋交い。これは柿の木なので、めちゃくちゃ堅かった。重いので、肩がこった。


  


尿の堆肥化③

2010-11-26 21:38:36 | 実験的環境保全

畜産業界の試み

牛や豚の大量の糞尿の処理に、エアレーションによる好気発酵を導入しているところがある。

半年ほど寝かせているうちに肥料となり、すでに液肥として販売されているケースもあるようだ。

同じ発想で、自分のトイレの尿を金魚のエアーポンプでエアレーション処理をして、他の人から「ちっとも臭くない」と言われているケースがあるのを知った。臭いについての感受性は個人差があるが、たくさんの知人友人が言っているようだったので、「これは一考の価値あり」と思って、NOAに対して、当初は「エアレーション後、保存することを考えている」とも伝えていた。

実際、エアーポンプについても調べていたが、国内の合弁浄化槽用のエアーポンプのかなりのシェアを占めている企業がなんと!!高槻市内にあるのを知った。

お~、地元じゃん! ちっとも知らなかった。(高槻と言えば、サンスター、明治製菓)

当時は、地下に農業用ポリタンク(200リットル、コーナンで特価13500円)を埋設し、エアレーションするつもりだったのである。

だが・・・。

電気を使う。これはいただけない。

じゃあということで、より簡便なポリタンクにした。

これなら、いちいちしゃがみこんで不自然な姿勢で尿を汲み出さなくていい。持ち運びできるからだ。

それに、その気になれば、それこそ金魚用のエアレーションでもいけそうだ。電気代が安くつく。

「もしも、代替わりして我が家の青少年達が後を引き継いだ時は???」

一瞬躊躇したけど、えい、ままよ、ケサラ~ケサラ~ケサラ~。

実験生活を送るんだァ。

どうせ生きるのなら、好奇心を一杯一杯満たして楽しみながら生きていきたい。

 

 

尿の生撒きについて・・・。

比良山や熊野古道を歩いていて不思議に思ったことがある。木の陰に○○○道と呼ばれる天然青空トイレがあるのだが(登山者が勝手にトイレにしているだけだが)、ティッシュの残骸は残っていても、○○○は見えず、尿の臭いも無い。

これはどうしてか?

糞便の量とウン散霧消のスピードのバランスが取れているからだろう。つまり、環境に負荷とならない量なら、撒き散らしOKということにならないか???

ムムム・・・。

もしも私の家が山の中の一軒家で、広大な山林を所持しており、誰にも迷惑をかけないのならば、ウン散霧消方式もありか・・・一人暮らしなんだから出す量はたかが知れている。

急にまたもや実験したくなってきたが、Bの身の上、そんな土地を買うお金はもう無い・・・キッパリアキラメタ。

 

ところで、私のこの記事を読んだ人の中には、私をゲテモノ趣味・下品と思う人もいるに違いない。

そう、BオバサンはGオバサンだったのだ。

いや、もっと正確には、超絶美的バラック浄土独自ホームレス無料覗き見部屋大女優BGKOKKOオバサンである。

 

あっ、そうそう。

尿と言えば、塩硝を思い出した。火縄銃が日本に伝来して以来、前田藩が越中五箇山の合掌農家で密かに作らせていたという塩硝、火薬である。

原料は、人尿。

その後、五箇山の塩硝は、南米からの安い塩硝が輸入されるにしたがって長らく歴史の表舞台から消えていたが、第二次大戦の終戦前夜に製造復活。が、尿は塩硝になりきるまでに終戦を迎え、お国の役に立つことなく、再び表舞台から姿を消した。

そして、60数年を経て、今、尿は新たな脚光を浴びようとしているのかしていないのかよ~分からんなァというところで、本日の記事終了といこう。