敷地内配管完了
ついに水道が使えるようになった。
もう囲炉裏茶屋から自転車こぎこぎ昼食用の水を運ばなくても済むようになった、やれやれ。
・・・しかし、湧き水汲みの暮らしを決意していたわりには、「やれやれ」とは我ながら軽いのぅ。
目の前に“便利”があると、便利に流れるよのぅ、こいつぁ人情だぃ、しかたねぇっす。
だから、ちょっとした不便な仕組みの中であえて暮らさなければ。もうそれしかない、仕方ないという状況を作らないことには、“不便”を味わいながら生きることは出来ない、そして自分の失ったものがなんであるかということに気付かないままにいってしまうだろう。
でも、飲み水だけは湧き水で過ごしたい気持ちは今も変わらない。
近辺に湧き水がある(車で下(都市部)から汲みに来ている喫茶店主など多数見かける)ので、やはりやってみよう。
道路本復旧 この上に土を30cmばかり乗せて埋める。
設備屋のIさんは、いつもまじめな顔をして冗談を言う。 上水道管左を排水管が通る。風呂桶左下敷地内最終会所
ネット購入の電気温水器。部品別売なので、結局は四角い流行型の方が安くついた。
「安物買いの銭失い」とIさんにからかわれた。
台所の水・洗濯機用の水道・風呂も水が使えるので、食事の準備もできるし、シャワーを浴びながらの屋外作業も出来る。
これで電気さえ通して冷蔵庫を現場に運び込めば、「ノアの箱家」ご一行様達全員にとっては大きな福音となる。
本日、私はといえば、窓枠の防腐剤塗りと雨水排水管の通る所に使う又木拾いと廃材燃やしと買出しをした。
トイレ
現在、囲炉裏茶屋の離れに住んでいる我々が使っているトイレは、部屋から20メートル以上真っ暗な山際を歩いて行かなければならない。
でも、不便と思ったことはない、むしろ幸せだと感じている。
雨に足元をぬらしながら、雪の冷たさに身を縮ませながら、台風の中傘を握り締めながら、漆黒の闇の中を深呼吸しながら、こうこうと輝る月明かりの下くるくる踊りながら、星を眺めながら、木々のざわめきに耳を澄ませながら、時に鹿の鳴く声を聞きながら・・何れも何とも幸せな時間だ。
だから、設計士には「トイレは外がいい」と言った。
結局、中からも外からも行けるようにしたけれど、中から行けるとなったら、敢えて外から行こうとするかどうか・・・。
というわけで、月明かりの美しさを見る幸せを私は今後忘れてしまうのではないか・・・。
これは実に不幸なことだ。
やはり、人間は不便過ぎない程度の不便な暮らしをする方が豊かだ。
テーブルで月を眺めて過ごすことになりそうだ。
ただ、囲炉裏茶屋と違って漆黒の闇ではないのが残念、坂道(西側里道)の上と下に蛍光灯の街灯がついている。
ま、贅沢言うまい。