kasaruの今日も有り難う

僧侶歴46年。講演依頼受付中
サルコイドーシス・バセドウ病の旦那
岡山へ就職長男23歳
アペール症候群次男19歳

暑すぎです

2012-08-17 | Weblog
溶け出しそうな陽気。

昨日は大阪に避難しているSちゃん母子が帰省してきた。

1時間ほどしか会う時間が無かったけど、二周りほど大きくなった坊やは、

驚くほどパワーアップしていた。

大阪に向かった時は幼稚園児だった坊やも、向こうの小学校1年生。

一緒に行ったさとるもさすがに相手する生気も吸われすくらい・・・元気100倍。

何となく覚え始めた片言の英語のように関西弁で話しかけられ、

震災以来向こうへ行った時間の長さを確認した感じであった。


母親は時として我が子を守る為に常軌を逸することがある。

その事が良いとか悪いとか論じるつもりは無い。

人それぞれ考え方や価値観も持っているわけだから、

いろんな行動があってしかり。。。



他人ならことばを選んで相手を見ながら発することをすれば当たり障りなく過ごせるが、

家族や夫婦になると当たり去りの無い会話ではどうにもならない時がある。


今回北海道で避難している人の話を聞いたが、

やはり現実は厳しく、真っ直ぐに進むことは難しいようだ。

放射能という見えない恐怖に打ち勝つだけの術を持たない親子は、

ただただ少しでも被爆量の少ない場所を探して、

自分も子どもも深呼吸出来て、何も考えずに食事をすることができる場所を探し求めている。

こうしている今も子どもの未来に不安を感じ、身の置き所を模索している人がいるに違いない。


誰だってこのままで良いと思っている人は居ない。

だけど どうすることも出来ない現実の中で懸命に生きているのだ。

中には「別に!」と思っているひともいるだろう。

それはそれで問題ないし、とやかく言うことではないと思っている。


しかし、子どもを挟んで夫婦間での温度差は時間が経つごとに広がっているケースを耳にする。

夫として、妻として、父親として、母親として 思うことは一緒ではないはず。。。

その隔たる溝を埋める努力をしなければ、大雨のたびに広がり川となって

自力では渡ることが難しくなる・・・そんな人たちも少なくない。

他人が指図出来る問題ではないだけに複雑だ。


避難する家族間の埋められない溝に悩み、

相手に協力を求めることを止め、自分と子どもを頼りに生きていくことを選ぶ

母子も増えているという事実。


話を聞く今年しかできない自分としては、

価値観の相違が人生の相違にならないよう祈るばかりだ。



まだまだ先の見えない状況と目に見えないものとの戦いに

長期戦を覚悟していかなくてはならないこの日本で、

何時までが避難で、どこまでが避難者で、

何時からが当たり前の生活なのか・・・避難者間での温度差も出始めている。

言えることは自分の命は自分で守る。

子どもの命は大人が守る。


1年半経った今。

新たに考えさせられる現実です。