碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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TBS「さしこのくせに」の土田晃之がいい

2011年03月08日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載中の番組時評「テレビとはナンだ!」。

今週は、TBS「さしこのくせに」を取り上げました。

本文にも書いた通り、まずこのタイトルがお見事(笑)。

「“さしこ”のくせに冠番組なの?」という内外のやっかみを封じながら、主役の名前をしっかり入れ込むあたり、さすが秋元さんです。


この番組を教えてくれたのは、“さしこ”こと指原莉乃がごひいきだという我が家の高校生の息子。

第1回目の録画を見て大いに笑った。

それ以来、毎週、親子で見ております(笑)。


指原莉乃と土田晃之の組み合わせが面白い「さしこのくせに」

何とも秀逸なタイトルなのが「さしこのくせに」(TBS)。

“さしこ”とはAKB48の指原莉乃(さしはら・りの)のニックネームだ。

指原は人気投票に当たる「総選挙」では19位。

前田敦子や大島優子といったトップ組ではない。

特別美形とか歌が上手いわけでもなく、むしろ“へたれキャラ”。

「さしこのくせに」はそんな指原の冠番組だ。

いや、AKB48メンバー初の単独冠番組である。

コンセプトは「指原の育成」。

毎回さまざまな課題が与えられ、それをクリアしないと番組は打ち切り(ということになっている)だ。

戦場カメラマン・渡部陽一を対談で混乱させようとしたり、ダチョウ倶楽部の面々からリアクション芸を習ったりする。

見ていると、指原には天然の愛嬌がある。

また自分をよく見せようとしない潔さがある。

ごくフツーの女の子がフツーに頑張る姿が共感を呼ぶのだ。

しかし、この番組で見るべきは指原だけではない。

共演する土田晃之の“番組回し技”だ。

視聴者に「テレビの作られ方」をさりげなくバラしつつ、指原のへたれぶりをショーアップし、ゲストの持ち味を引き出す。

番組も指原も「AKB商法」と呼ばれる巨大ビジネスの一部であることを十分認識しながら、「テレビで遊ぶ」を体現しているのだ。

土田晃之、芸歴20年。

もはや単なる“ひな壇芸人”などではない。

(日刊ゲンダイ 2011.03.07)



・・・・というわけで、“さしこ”というか、“さっしー”ファンの息子が今、
楽しみにしているのが4月の幕張メッセ。

AKB48の「大握手会」が行われるそうだ。

いや、普通の握手会(?)ではない。

「特定の相手」(息子の場合はさっしー)と握手ができるというのだ。

そのために、彼は「桜の木になろう」の劇場版CDを購入した。

しかも、同じCDを3枚!(笑)。

これでさっしーと3回握手ができるらしい。

ほんと「アホか!」でありますが、まさに「AKB商法」大当たり。

少年たちのお小遣いは、こうして吸い上げられていくんですね(笑)。



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