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『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「テレビとはナンだ!」。
今週の掲載分は、テレビ東京のドラマ「IS~男でも女でもない性」について書きました。
重い性のテーマをうまく
エンタメにしている「IS」
エンタメにしている「IS」
テレビ東京が続けている社会派ドラマの新シリーズ「IS~男でも女でもない性」(月曜夜10時)が始まった。
初回はIS(インターセクシャル)の解説と、主人公である星野春(福田沙紀)一家の“これまで”で構成されていた。
ISは数千人に一人の割合で存在する。
生まれた時、男女の判断が肉体的に困難だ。
親が早い段階で性別を決定し、処置も行われるが、本人が自覚する性別と合致しないケースもあるという。
これは難しいテーマだ。
下手に扱えば、「誤解や差別を助長する」といった批判の矢が飛んでくる。
その意味で制作陣はとても慎重に、また丁寧に物語を構築している。
何より両親(高橋ジョージ・南果歩)が、戸惑ったり、悩んだり(母子心中の危機さえあった)しながらも、ISである我が子と真摯に、そして明るく向き合ってきたことがいい。
サブタイトルは「男でも女でもない性」となっている。
だが、このドラマの基本にあるのは、ISが「男でもあり女でもある性」であり、一つの個性であるという認識だ。
変な被害者意識も強調することなく、エンターテインメントの形でこの重いテーマを表現している。
主演の福田は、内面の性を隠しながら女子高校生として過ごすという複雑な役柄を好演。
“ワケあり風”同級生役の剛力彩芽にも期待したい。
(日刊ゲンダイ 2011.07.25)