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先日、地上波の完全デジタル化に関して、共同通信の取材を受けた。
その後、岩手日報、茨城新聞、山陰中央新報(島根)など全国各地の新聞に配信された記事は、以下の通り。
放送界の大先輩である山川静夫さんや、萩本欽一さんと並んでのコメントなので、恐縮です。
◎声上げる視聴者に
碓井広義(うすい・ひろよし)上智大教授(メディア論)の話
地上波だけでなく、BSも簡単に視聴できるなど受け取れるソフトが広がった点が大きい。電波は国民の財産。視聴者はこれを機に、良い番組は良い、おかしな番組はおかしいと積極的に声を上げていくべきだ。
一方、デジタル化の進捗(しんちょく)度は地域によって異なる。地域ごとに移行するのは技術的には可能で、(東北3県を除き)全国一斉にアナログを止めたのは乱暴だ。テレビを本当に必要とする人が声を出せずに困っているのではという懸念が残る。
◎心に響く番組を
元NHKアナウンサーの山川静夫(やまかわ・しずお)さんの話
デジタル放送の映像は美しく、双方向のデータ放送も便利だが、データばかりの放送となってはいけない。例えばかつての大相撲中継では、先輩アナウンサーたちの放送には様式美が備わっていた。
最近のテレビは、安直な笑いでタレントたちが盛り上がる場面が目立つ。手間を掛けないといけないのはアナログ放送時代と変わらない。作り手はデジタル放送でも、心に響く、受け手にきちんと伝わる番組を目指してほしい。内容が大切だ。
◎良かったと思えるように
コメディアン萩本欽一さん
地上波テレビが24日、東北3県を除きデジタル放送に完全移行した。テレビの黄金期を支え、移行をPRする「地デジ化応援隊」にも参加したコメディアンの萩本欽一(はぎもと・きんいち)さん(70)は、この転換点をどう受け止めたのか。
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強引に「テレビを買い替えろ」っていう話だから、ご不満のある方もいると思います。実は僕もそう。なかなか買い替えない1人でした。
負担を強いることに、誰も謝らないのも気になっていたんですね。そんなとき、地デジ化応援隊の話が来たから、じゃあ僕が代表して「ごめんね」って謝ろうと決めて、引き受けたんです。
ただ、その後いろいろと話を聞いて「なるほど」と思ったの。これからは見るだけのテレビから、使うテレビになる。参加できたり、情報を発信できたり、もっと大きな仕事をしてくれるようになるんだなって。それが分かって、僕もようやく買い替えました。
だからこそ思うわけ。「ごめんね」の次には「必ずもっと楽しめる、気持ちの良いテレビをつくります」という言葉がないといけない。デジタルになって良かったと思ってもらえる番組をつくらないと、失礼だなって。
テレビ番組で大切なのは発明と発見です。放送開始から60年近く。最近はそれも頭打ちになってきました。デジタルに変わったのを機に、新しい形のテレビ番組をつくることで、みんなに「良かった」と思ってもらいたい。そのために僕も覚悟を持って、もう一度テレビに挑戦していきます。(談)