信州の誇り、りんと宣言
セイコーエプソン
「Why Epson? 多くのなぜ」篇
セイコーエプソンの企業CM「Why Epson?多くのなぜ」篇に登場する、俳優の南沙良さん。
ドラマ「神の教室~リーガル青春白書~」(フジテレビ系)で、検事を目指す法科大学院生を演じているが、りんとしたたたずまいはCMでも生かされている。
清冽(せいれつ)な水の流れ。緑濃い森。信州の美しい自然の中で南さんが問いかける。
その会社はなぜこの地に生まれ、小さくすることにこだわり、これまでにないものを作ろうとするのかと。
同社は信州で誕生し、地域に根ざすもの作り企業として80年を過ごしてきた。
「より効率的に、より小さく、より精緻に」と技術を磨き、新たな使命としたのが「信州から、世界に彩りを。」だ
哲学者の和辻哲郎によれば、「風土」とは単なる自然環境ではない。ある地域の気候や景観を、その土地に住む人間との関係で捉えたものだ。
エプソンは企業アイデンティティの深い部分で、信州の自然と文化という風土を誇りにし、大切にしていく。このCMは静かな、そして力強い宣言だ。
(日経MJ「CM裏表」2023.02.27)