碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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ヨコハマタイヤCM 時代を超える「セブン」の魅力

2022年08月30日 | 「日経MJ」連載中のCMコラム

 

 

時代を超えるセブンの魅力、随所に

横浜ゴム

ヨコハマタイヤ「アイスガードセブン」

「ウルトラ吸水ゴム」篇

 

『ウルトラセブン』(TBS系)が登場したのは1967年。今年は放送開始55周年に当たる。

前作『ウルトラマン』との違いは、地球の怪獣ではなく、宇宙からの侵略者との戦いが描かれたことだ。SF色が強まり、セブンの造形も近未来的な美しさを誇った。

また実相寺昭雄監督が手掛けた「狙われた街」で、メトロン星人とモロボシダン=セブンがアパートの四畳半で対決したように、ファンタジーとリアリティの共存も『ウルトラセブン』の特色だ。

そんなセブンが昨年、ヨコハマタイヤのCMで深田恭子さんと初共演した。

そして今年もまた、猛暑の日本に現れた。やがて到来する冬に備え、「氷った道」という強敵から人類を守る「アイスガードセブン」をアピールするためだ。

深田さんが「セブン!セブン!セブン!」と呼びかけると飛来する永遠のヒーロー。

しかもタイヤやセブンを影絵で見せる表現は、『ウルトラセブン』のオープニング映像の見事なアレンジだ。魅力的なキャラクターは時代を超えて多くの人を引き付ける。

(日経MJ「CM裏表」2022.08.29)