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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「ドクターX」第7シーズンは中園ミホの脚本が実にうまい

2021年10月28日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「ドクターX」第7シーズン

中園ミホの脚本が実にうまい

 

第7シーズンを迎えた、米倉涼子主演「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)。

第1話の終わりで、なんと大門自身が感染症に陥ったので驚いた。「え、どうするの?」と思っていたら、第2話は「3ヶ月後」の設定。大門もほぼ復活していた。このスピード感がいい。

とはいえ、なかなか手術をさせてもらえない大門はじりじりする。そんな時、外科分院長の蛭間(西田敏行)が通う銀座のクラブのママ(夏川結衣)が入院。手術のチャンスが訪れる。

しかし、院長代理の蜂須賀(野村萬斎)が執刀を命じたのは、スーパー脳外科医の興梠(こうろぎ、要潤)だった。   

新たな敵、そして新たなライバルの出現。シリーズ物の視聴者を飽きさせない仕掛けだが、脚本の中園ミホが実にうまい。

しかも患者の状態を正確に把握していなかった興梠は、手術の手が止まってしまう。そこに登場するのが大門だ。リリーフエースのようなその姿はやはりカッコイイ。

また手術シーンでは、以前よりも大門の手元や患部を多く見せる工夫がなされ、臨場感がアップした。

一方、海老名(遠藤憲一)も加地(勝村政信)も相変わらず蛭間の腰巾着で、「御意!」を連発。

大門が所属する名医紹介所の「あきらさん」こと神原(岸部一徳)のメロンと請求書と一人ダンスもいつも通りだ。変化と定番の絶妙なバランスがこのドラマを支えている。

(日刊ゲンダイ 「TV見るべきものは!!」2021.10.27)