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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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おかげさまで本日発売! 「『北の国から』黒板五郎の言葉」

2021年10月08日 | 本・新聞・雑誌・活字

帯をはずすと、こんな感じです。

 

 

 

 

 

 


日刊ゲンダイで、「報ステ」大越キャスターについて解説

2021年10月08日 | メディアでのコメント・論評

 

 

元NHK大越健介キャスター

「報ステ」初出演は“ほろ苦”デビュー

識者2人はどう見たのか?

 

NHKを定年退職し、「報道ステーション」(テレビ朝日系)にメインキャスターとして起用された大越健介氏(60)が4日、初出演した。

この秋の番組改編の目玉のひとつ。第一声、「大越健介です。10月4日午後9時54分になりました。新しい『報道ステーション』始まります」と挨拶。その後は、岸田総理大臣誕生やコロナ関連のニュースを伝えた。  

大越キャスターといえば、東大時代は野球部のエース。政治部出身で、2010~15年「ニュースウオッチ9」のメインを担当。  

当時の安倍政権に対しては批判的な意見を表明し、NHKとしては異例の“もの言うキャスター”として話題に。2015年の番組降板時には「官邸の意向」が働いたとも報道された。  

鳴りモノ入りの大抜擢ともいえる大越氏の“デビュー戦”だったが、フタをあけてみれば、初日の平均世帯視聴率は11.6%で、前週の金曜日(1日)に富川悠太&森川夕貴アナのコンビで放送された12.2%より0.6ポイント下落。ちなみに、個人視聴率は6.7%→6.6%で、こちらも0.1ポイント下回った(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。  

いささか心もとない船出となったが、作家の麻生千晶氏は「全体として、私はまあまあよかったと思う」とした上でこう語る。 「テレ朝は今回のテコ入れに力を入れたわけですから、もう少し前宣伝をしてあげればよかったですね。私も10月1日の金曜日が初出演なのかと思っていたほどです」  

麻生氏は続ける。

「最初こそ緊張していましたが、スタジオに入ってからは元NHKのエースだけに、落ち着いて、スポーツコーナーでは時折冗談も交えながら自分の言葉で伝えていた。新内閣発足に関してきっちり現場取材に出ていたのもさすがです。失礼ながら、見た目は風采の上がらない普通のおじさんですが、中身で勝負といったところで、NHKらしからぬ妙な自信にあふれている。それでいて決して傲岸不遜な感じではないところがいいですね」

■「人柄のよさは伝わってくる」  

同番組の公式ブログでも大越キャスターは、政治記者時代から「おまえ、持ってるな」とよく言われていたと明かしている。そして今回もまた、初出演日にいきなり大きなニュースに恵まれたことに対し、報道の現場に戻れたことのやりがいや喜びをつづっている。

メディア文化評論家の碓井広義氏は、今後の期待をこう語る。

「初日は無難な船出といったところでしたが、“もの言うキャスター”のイメージが先行しているきらいもあり、過度な期待はしてはいけないと思う。2014年に『集団的自衛権の行使をめぐる憲法解釈の変更』が閣議決定されたときも、大越氏のコメントに期待したのですが、“日本への脅威を抑止する性格が強まります”とまるで政府広報のような発言にとどまっていた。人柄のよさは画面から伝わってきますから、今後、期待することは、少なくとも『政権に対して迎合や忖度はやめてほしい』というのと『おかしいことはおかしいと伝えて欲しい』ということの2つです」  

碓井氏はむしろ昨今のテレビ朝日の状況を鑑みれば、それができれば御の字だとも言う。

「衆院選も近く、しばらくは“政治の季節”が続きます。4日の放送で大越氏は、岸田新政権に対して、『掲げる旗をぜひ明確にしていただきたいと思います』とコメントしていましたが、大越氏にもぜひそうしていただきたいですね」  

ともあれ、走り出した新生「大越ステーション」。本領発揮はまだこれからか。

(日刊ゲンダイ 2021.10.07)