色あせない宮沢さんの魅力
三井のリハウス
「リハウスって何?」編
宮沢りえさんが、初代リハウスガールとして「三井のリハウス」のCMに登場したのは1987年のことだ。
引っ越してきたばかりの転校生、白鳥麗子である。役名通り、白鳥が舞い降りたようなインパクトがあった。
彼女は「美少女」という言葉や概念に具体的な形を与え、美少女の基準値とも言える存在となったのだ。
あれから34年。美少女は母となって、懐かしの朝日ヶ丘にリハウスしてきた。
娘(近藤華さん)から「リハウスって何?」と訊かれて、「人とおうちが巡り逢うことかな」と答える。
そして初のリハウス体験を回想すると、教室で挨拶する麗子嬢の映像が流れた。やはり奇跡的な美しさだ。
宮沢さんが演じてきた、印象に残る役柄がある。
たとえば、ドラマ『北の国から』シリーズの小沼シュウ。純(吉岡秀隆)との悲恋が忘れられない。また映画『父と暮せば』の福吉美津江は、原爆で亡くなったはずの父と生活していた。
白鳥麗子がシュウや美津江の分も含めて幸せになったようで、ちょっと嬉しくなってくる。
(日経MJ「CM裏表」2021.07.11)