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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

日刊ゲンダイで、テレ東「池上彰 選挙特番」についてコメント

2013年07月23日 | メディアでのコメント・論評

参院選の当日深夜、選挙特番が終わった時点で取材を受けました。


テレビ東京参院選特番  
池上彰「攻めダルマ」
慎太郎も丸川も尻尾を巻いた


<「宗教と政治」タブーも容赦なし>

“攻めすぎるキャスター”の前では、当選者ですら顔色をなくすしかなかった。

21日に放送された「TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ」(テレビ東京)。ジャーナリストの池上彰(62)が八面六臂(ろつぴ)の活躍を見せた。

昨年末の衆院選開票特番に続いてテレビ東京の選挙特番のメーンキャスターを担当した池上はのっけから絶好調。当選の報に白い歯を見せるアントニオ猪木に対して「維新の会は猪木さんの人気頼みということですね」「前回出馬したときは“消費税に延髄蹴り”と言っていたが変わったんですか」と切り込むと「まだ(政策は)打ち合わせしていない。選挙に風を吹かせろと言われただけ。へへへ」と、出馬要請に際して政策の共通理念も何もなかった“場当たりぶり”を本人の口から引き出すことに成功。

「政治と宗教」という他のテレビ局では触れない問題にも遠慮なく踏み込んでいて、公明党が創価学会信者の通称「F票」(Friend票)と呼ばれる組織票に支えられていることもわかりやすく説明。公明党神奈川選挙区の美人候補、佐々木さやかに対しては「学会の信者が公明党を応援することが功徳を積むことになると言っていたがそうなんですか?」「公明党と創価学会の政教分離についてはどう考えますか?」「あなたは創価学会の信者ですか?」と直球勝負。弁護士でもある佐々木を顔面蒼白にさせていた。

<暴走老人は敵前逃亡>

そんな“攻めダルマ”と化した池上に恐れをなしたのか、前回の選挙特番で「暴走老人」と呼ばれた石原慎太郎元都知事は番組に出演せず。東京選挙区でトップ当選した自民党の丸川珠代も姿を現さなかった。

丸川と直接対決できなかったことは池上も残念だったようで、「丸川さんにはぜひ、6年前の出馬の時に選挙人名簿に自分の名前がなかった件について聞きたかった」とコメント。これは丸川がテレビ朝日時代に、ニューヨーク勤務から帰国後約3年間転入届を提出しておらず、投票権が消滅した状態だったことを指す。このことにより、05年9月の衆院選も07年4月の都知事選も投票に行っていないことが判明したのだった。

「これは政治家丸川にとって痛恨の失態。池上氏にテレビで追及されたら大恥をかくと思い、陣営サイドが個別出演を避けた。石原氏は挑発されたら何を口走るかわからないため合同記者会見だけにとどめたそうです」(テレビ関係者)

暴走老人も元女子アナも尻尾を巻いて逃げ出したのである。

上智大教授の碓井広義氏(メディア論)はこう言う。

「他局は通常のニュース番組の拡大版というべき内容で、プラスアルファは感じられませんでしたが、テレビ東京は池上さんの“政治教室”と呼ぶべき素晴らしい内容でした。政治に無関心な若い世代を意識して、一種の啓蒙活動を行っているようにも感じました。それはNHKの記者出身でテレビの特性をよく知り、長年の取材で獲得した経験や知識という裏打ちがある池上さんだからこそ可能なワザ。ぜひ、このスタンスを貫いてほしい」


他局のキャスターは池上の爪の垢を煎じて飲むべきだろう。

(日刊ゲンダイ 2013.07.22)


・・・・ちなみに池上さんの番組は、民放の選挙特番の中で、トップの視聴率だったようです。

テレ東・池上彰の選挙特番視聴率10%超え 
民放特番で圧勝

『第23回参議院選挙』の投開票が行われた21日、最も数字が取れるジャーナリスト・池上彰氏がテレビ東京で4時間生放送した『TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ』の番組視聴率が午後8時台(後7:50~9:00)10.2%、午後9~10時台(後9:00~10:30)10.3%、午後10~11時台(後10:30~11:54)8.7%だったことが22日、わかった(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。在京民放各局の選挙特番で唯一テレ東だけが10%を超える圧勝となった。

(オリコン 2013.07.22)

週刊新潮で、「夏ドラマ」についてコメント

2013年07月23日 | メディアでのコメント・論評

発売中の週刊新潮で、今期のドラマについてコメントしていました。

特集のタイトルは、
『出来不出来が分かれた「夏ドラマ」辛口採点表』

いわば総当たりみたいな感じで、各ドラマを俎上に載せています。

「辛口採点」を行っているのは、以下のようなメンバー(登場順)。

・コラムニストの丸山タケシさん
・上智大学教授の碓井広義さん
・ライター&イラストレーターの吉田潮さん
・作家の麻生千晶さん
・コラムニストの林操さん


いやあ、「よくぞ集めた」っていうくらい、ドラマには一家言ある辛口の皆さんで、私などずいぶん甘口のほうです(笑)。

私のコメント部分だけピックアップしておきます・・・・



「Woman」日本テレビ
・このドラマは彼女(満島ひかり)の代表作になるでしょう。
・1時間観たらぐったりと疲れてしまう。10人が10人ともこの重さに
 ついていけるとは思わない。
・満島がいい演技をすればするほど内容は重くなりますが、こういう
 本格派のドラマもあっていい。

「ショムニ2013」フジテレビ
・江角以外のメンバーが総入れ替え。前回の方がパワーに満ちていて魅力的だった。

「半沢直樹」TBS
・あまりよく言われないバブル世代に焦点を当てているのも新鮮。

「DOCTORS2 最強の名医」テレビ朝日
・堺(雅人)と違い、沢村(一樹)見たさにチャンネルを合わせたわけではないでしょう。それより、主人公のライバルであるエキセントリックな外科医を演じる高島政伸(46)の怪演ぶりがお見事。医療ドラマといえばフジという印象がありましたが、テレ朝は米倉涼子主演「ドクターX」もヒットさせましたし、いい鉱脈を見つけました。

フジテレビのドラマについて
・今のフジは“広末を出しておけば観るだろう”“織田を出しておけば大丈夫だろう”という感じ。「ショムニ」も「救命病棟」も焼き直しで、他局と比べても企画力に欠ける。役者を並べるのは得意なようですが、中身が伴っていませんね。


(週刊新潮 2013.07.25特大号)


・・・・この特集記事で、辛口の皆さんの評価を読めば、夏ドラマの
実相がよ~くわかるので、興味のある方は、ぜひ本誌をお読みください。