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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

所ジョージはフシギな大物!?

2012年06月27日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。

今回は、テレビ東京「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」について書きました。

本文にもありますが、ほんと、所ジョージは不思議なタレントさんであります(笑)。


改めてこの人の存在価値が分かった

先週の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」(テレビ東京)は世界の達人スペシャルだった。登場したのは千葉のターザンと呼ばれる猛獣扱いの達人、中国取材による鉄球を吐き出す達人、沖永良部島の地下世界を案内する洞くつ探検の達人など。

いずれも披露してくれたスゴ技もさることながら、彼らのほのぼのとした人柄、“変わったおじさん”ぶりが楽しかった。それが仕事なのか遊びなのかはよくわからないが、見ていてつい笑ってしまう。そう、まるで所ジョージみたいだ。

思えば所は不思議なタレントである。たけし、さんま、タモリなどと並ぶビッグネームだが、妙な大物感はない。

この番組でも画面の中の所は偉ぶらず、リキまず、前に出過ぎない。進行は局アナの大橋未歩、トークは東貴博や清水ミチコたちパネラーが担う。それでいて「しゃべらせてやってる」感はないのだ。

所の価値は、彼がそこにいることで生まれるやわらかな空気、自由な雰囲気にある。背景となるのは、仕事だけでなくプライベートの時間も大切にするライフスタイルだ。クルマやバイクなど自分の好きなことにはお金もエネルギーもつぎ込む。

今年57歳になった所の「無理をせず、自分の得意技の範囲で勝負する」生き方は大いに参考になる。まさに学校では教えてくれないトコロだ。

(日刊ゲンダイ 2012.06.26)