『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

・野田秀樹『カノン』/九大演劇案内

2014年08月13日 00時01分07秒 | ○福岡の演劇案内

 

  野田秀樹作品『農業少女』の想い出

   今回ご案内する「九州大学演劇部」の「公演」は、野田秀樹氏の「作品」を、白居真知氏が脚色・演出する『カノン』です。

   ところで、すでに御承知のように、本ブログでは “公演前” に作品内容に触れることはいたしません。のみならず筆者自身、事前に「作品内容」や「他での公演状況」をネット等で調べることもありません。

   本ブログでは、あくまでも主催者側のホームページ(HP)をはじめ、ブログ(blog)、フェイスブック(FB)、公演案内チラシ、そして案内ハガキ等において公開された「情報」に留めています。 “観劇の感動” をより効果的にするためです。

       ☆

   さて「野田秀樹作品」と言えば、筆者にとって忘れることのできない「舞台」があります。今思えば、筆者に 《舞台演劇》 の “真の魅力” を教えてくれた作品と言えるでしょう。この「舞台」以降、筆者の鑑賞力はぐんとアップしたような気がします。それほど大きなインパクトを与えてくれた作品、そして舞台でした。

   それは『農業少女』という作品です。筆者が本格的に「九州大学の演劇」に親しみ始めて3年目の2003年の公演でした。会場は、当時の「六本松(ろっぽんまつ)キャンパス」(福岡市中央区六本松)の学生会館であり、その当時、筆者の自宅(梅光園)から徒歩わずか5分の所でした。初めて次女と一緒に観た作品としても、想い出深い舞台です。

   この「舞台」については、10余年経った今でも印象深く記憶しています。何と言っても、舞台背景に「本物の稲藁の束」が持ち込まれていたからです。それもかなりの量でした。筆者の2、3m前に沢山の稲束が立てかけられ、その “藁の匂い” と、稲藁が含み持つ “微細な温もり” に、古き良き時代の郷愁や地方都市の雰囲気がとてもよく出ていました。

   「舞台」と「観客席」を一体化させた舞台美術の素晴らしさを、存分に堪能することができました。見事の一語に尽きます。しかし、見事なのはそれだけはありませんでした。最大のポイントは、やはり役者4人の演技であり、配役の妙でした。ヒロイン〈百子(ももこ)〉役の秋山祐子嬢以下、鮫島史朗氏、大畑佳子嬢、北浦敦志氏の雰囲気や表情、それに仕草や声にすっかり魅了されていました。

   そのため、筆者は九大演劇部HPの「掲示板」に、その感動を書き込んだものです。この「掲示板」にかぎらず、筆者の人生における生まれて初めての「書き込み」でした。筆者は同部のアンケートには、いつも「一番感銘をうけた舞台」として、今でもこの『農業少女』を挙げています。

       ☆

   今回、同部HPの「公演記録」をあらためて見て納得しました。『農業少女』について、次のように記録されていたからです(※太字は筆者)。

  《《 新たな試みを多数行った公演。舞台は客席を取り込んだ形、本物の稲の束を使用、音を極力使わない、4人の役者でみせる演出など、非常に有意義な作品であった。》》

  

  ……だからでしょうか。稲藁の温みと匂いに加え、役者4人の声が鮮やかに筆者の耳に残っています。やはり、役者の肉声は音楽であるということです。

   上記のキャスト4氏同様、舞台装置の平原秀通氏、音響操作の久保あかね嬢、照明操作の三浦泰河氏、そして演出の西山あゆみ嬢に、あらためて敬意を表したいと思います。

  ◆公演記録(2003年):『農業少女』  

    ※上記をクリックし、下の方へスクロールしてください。 

        ☆

  なお「脚色・演出」の白居氏は、『蒲田行進曲』において主演の〈ヤス〉を好演しました。このときの演技については筆者も高い評価をしており、今回は「演出家」としての氏に期待しています。もちろん、筆者も観る予定です。

             ★   ★   ★

 

 九州大学演劇部2014年度前期定期公演

  【カノン】

・作/野田秀樹  ・演出・脚色/白居真知。


 〈あらすじ〉
 平安時代、判官の下に仕える太郎は、盗賊の頭、沙金に惚れ共に悪事を重ねていく。
遂には判官屋敷より「自由」を盗むことを企てるが、実はその自由には秘密があり、更に盗賊団には裏切り者がいて…

〈日時〉 2014年

 829日(金)  13:00   18:00
    30日(土)  14:00
     ※開場は開演の30分前

〈場所〉 ぽんプラザホール

  ◆ぽんプラザホールへのアクセス

〈料金〉 前売り/300円  当日/500円 

  ◆九州大学演劇部公式ホームページ

 

 

 


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