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『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

・『愛と青春の旅立ち』-1/原題の意味

2012年04月04日 00時04分46秒 | ◆映画を読み解く
 
 ◆原題:『An Officer and a Gentleman』の意味◆
 
 『愛と青春の旅だち』の原題は『An Officer and a Gentleman』ですね。この「原題」には、“祈り”のようなものが込められているような気がします。それは最後にお話しするのがよいのかも知れません。
 
 英語にはあまり自信がありませんが、「Wikipedia」の「英語版」で見ると、「原題」の意味がある程度判ります。少なくとも、士官と紳士』といった単語どおりのものではなく、「軍人」の「心得」のようなものを表わしているようです。
 
 どうやら「英国海軍」のものが「米国」に伝わったと思われます。単に「Officer」としているのは、「陸・海・空軍」を問わず使われているためでしょう。「英国」海軍というのがポイントですね。何と言っても「Gentleman」の国ですから。
 
 訳としては、『士官(軍人)であるとともに、紳士たれ』というところでしょうか。
 
        ☆   ☆   ☆
 
 
 ◆「助演男優賞」と「歌曲賞」を受賞◆
 
 ところでこの映画は、1982年「アカデミー賞」の「助演男優賞」と「歌曲賞」を受賞しています。
 前者は、「訓練教官(軍曹)」役の「ルイス・ゴセット・ジュニア」が評価されてのものです。後者はすっかり有名になった「テーマ曲」ですね。「作曲」はジャック・ニッチェとバフィー・セント=マリー、「作詞」は「ウィル・ジェニングス」です。
 
 またこの映画は前回お話したように、アカデミー賞4部門にノミネートされました。「主演女優賞」「脚本賞」「編集賞」そして「作曲賞」です。受賞こそ逃したものの、このノミネートも納得できます。
 
 個人的には、「脚本賞」と「編集賞」を受賞して欲しかったのですが。この年のアカデミー賞は、『ガンジー』『ET』それに『評決』という話題作があり、「ライバルが強すぎた」といわざるを得ません。
  
 なにしろ『ガンジー』は、「作品、監督、脚本、撮影、編集」各賞の「製作主要5部門」を独占し、また「主演男優、美術監督・装置、衣装デザイン」の3部門も受賞、合計「8つのオスカー」を手にしています。
 
 それに加え、「作曲、音響、メイクアップ」の3部門にもノミネートされました。まさしく圧倒的な存在感を持った映画であり、私も半年ほど前に「DVD」で観ました。みなさんにもお薦めしたい優れた作品です。
   
         
 ◆優れた「脚本、製作、音楽、撮影、編集」そして「監督」◆
 
 実はこの映画をはじめて観たのはほんの半年ほど前です。それまで観なかったのは、映画の「タイトル」が気に入らなかったからです。「愛と青春……」など、いかにもという感じでした。 
 昔から、「愛」や「青春」をタイトルに使うものは、邦画・洋画を問わず、またテレビや小説等であっても好きになれません。
 
 それでもこの映画を観るようになった“きっかけ”は、とても単純でした。『ガンジー』のDVDを観たとき、同じ1982年のアカデミー賞受賞作品としてその存在を知ったからです。ことに「脚本賞」と「編集賞」に「ノミネート」されていたために観ようと思ったのです。
 
 以前にもお話したように、私は「映画・演劇」そして「TVドラマ」も、「脚本(シナリオ)」がすべてと思っています。同時に「映画」においては、「編集」もかなり重要なポイントとなります。このことは一般的にはあまり意識されてはいません。
 「脚本」や「監督」、「出演者」「撮影」「美術」「音楽」等がどんなに優れていても、「編集」がまずければ、それまでの全てが無意味となります。
 
 
 ◆「編集」の重要性◆
 
 「編集」」とは、「カット」や「シーン」のつなぎ方であり、膨大なフィルムの中からいかに的確なものをピックアップするかということです。短すぎず長すぎず、舌足らずにも喋りすぎにもならず、タイミングよく効果的にカットとシーンを積み重ねる……。そういう「作業」をいいます。
  そのため編集」の仕方によっては、その映画が伝えようとする「テーマ」や「狙い」そのものが大きく左右されるものです。 
 
 
 ちなみに「Wikipedia」の「映画の紹介」ページをごらんください。おおむね右端に「囲み記事」の形で「映画の概要」が列記されています。その「項目」と「順序」はほぼ決められており、上から順に「監督」「脚本」「製作」の各スタッフ名があり、「出演者」を挟んで、「音楽」「撮影」「編集」のスタッフ名と続いています。
 
 『愛と青春の旅だち』にしても、「スタッフ」の最初に「監督」(ティラー・ハックフォード)、次に「脚本」(ダグラス・D・スチュアート)が来ています。そして「製作」(マーチン・エルファンド)さらに音楽」(ジャック・ニッチェ)、「撮影」(ドナルド・ソリン)、「編集」(ピーター・ツィンナー)となっています。
 
 「製作が3番目となっていますが、しかし、実を言えばこの「製作者」が「一番エライ人」なのです。なぜなら「お金」を出す人であり、何よりも初めに「脚本」や「監督」を選ぶ人だからです。無論、「出演者」などについても大きな権限を持っています。
 
 もっとも以上のことは「ハリウッド方式」にその傾向が強く、日本では「クリエイティブな責任者」である「監督」により大きな権限がある……と言われてはいますが。
 
 ともあれ、まずはこの映画に関わった全ての「スタッフ」と「キャスト」に心からの敬意を表したいと思います。
 
       ☆
 
 ところでこの映画のDVDでは、「15」のチャプターに分けてあり、その各々に「タイトル」がつけられています。正直いって「どうかな?」というタイトルもありますが、概要を知るには便利です。 
 
 今回は、“映画を読み解く”の第1回目であるため、かなり詳細な分析となりました。
 
 次回より、「ストリー」に沿って読み解いて行きましょう。(続く)
 
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