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黄帝内経素問 擧痛論篇 第三十九 第二節 訓読

2014-05-31 07:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

柴崎保三著・鍼灸医学大系 ⑥ 黄帝内経素問 擧痛論篇 第三十九

第二節

(原文)

 帝曰。願聞、人之五藏卒痛、何氣使然。

 岐伯對曰。經脈流行不止。環周不休。寒氣入經而稽遲、泣而不行。客於脈外則血少、客於脈中則氣不通。故卒然而痛。

 帝曰。其痛或卒然而止者。或痛甚不休者。或痛甚不可按者。或按之而痛止者。或按之無益者。或喘動應手者。或心與背相引而痛者。或脅肋與少腹相引而痛者。或腹痛引陰股者。或痛宿昔而成積者。或卒然痛死不知人、有少間復生者。或痛而嘔者。或腹痛而後泄者。或痛而閉不通者。凡此諸痛各不同形。別之柰何。

 岐伯曰。寒氣客於脈外則脈寒。脈寒則縮踡。縮踡則脈絀急。絀急則外引小絡。故卒然而痛。得則痛立止。因重中於寒則痛久矣。寒氣客於經脈之中、與氣相薄則脈滿。滿則痛而不可按也。寒氣稽留氣從上則脈充大而血氣亂。故痛甚不可按也。寒氣客於腸胃之間、膜原之下、血不得散。小絡急引。故痛。按之則血氣散。故按之痛止。寒氣客於俠脊之脈則深。按之不能及。故按之無益也。寒氣客於衝脈。衝脈起於關元、隨腹直上。寒氣客則脈不通。脈不通則氣因之。故喘動應手矣。寒氣客於背兪之脈則血脈泣(1)。脈泣則血虚。血虚則痛。其兪注於心。故相引而痛。按之則熱氣至。熱氣至則痛止矣。寒氣客於厥陰之脈。厥陰之脈者、絡陰器、繫於肝。寒氣客於脈中則血泣脈急。故脅肋與少腹相引痛矣。厥氣客於陰股、寒氣上及少腹。血泣在下相引。故腹痛引陰股。寒氣客於小腸膜原之間、絡血之中。血泣不得注於大經。血氣稽留不得行。故宿昔而成積矣。寒氣客於五藏、厥逆上泄。陰氣竭、陽氣未入。故卒然痛死不知人。氣復反則生矣。寒氣客於腸胃、厥逆上出。故痛而嘔也。寒氣客於小腸。小腸不得成聚。故後泄腹痛矣。熱氣留於小腸、腸中痛、癉熱焦渇則堅乾不得出。故痛而閉不通矣。

(1) 泣 一本澀に作る。以下の泣も同じ。意味する所は同じである。

 

(訓読)

帝曰く「願くは人の五藏卒(にわか)に痛むは何の氣然らしむるかを聞かん」と。

 岐伯對えて曰く「經脈は流行して止まず。環周して休まず。寒氣經に入りて稽遲(ケイチ)し泣して行かず。脈外に客するときは則ち血少く、脈中に客するときは則ち氣通ぜず。故に卒然として痛む」と。

 帝曰く「其の痛み或は卒然として止む者。或は痛み甚だしくして休まざる者。或は痛み甚だしくして按ずべからざる者。或は之を按じて痛み止る者。或は之を按じて益なきもの。或は喘動して手に應ずる者。或は心と背と相引きて痛む者。或は脅肋と少腹と相引きて痛む者。或は腹痛み陰股に引く者。或は痛み宿昔して積(シャク)と成る者。或は卒然として痛死(ツウシ)して人を知らず、少間(カン)有りて復(ま)た生くる者。或は痛みて嘔する者。或は腹痛みて後泄する者。或は痛みて閉(ヘイ)し通ぜざる者あり。凡て此の諸痛は各々形同じからず。之を別つにはいかにするや」と。

 岐伯曰く「寒氣脈外に客するときは則ち脈寒す。脈寒するときは則ち縮踡(シュクケン)す。縮踡するときは則ち脈絀急(チュツキュウ)す。絀急するときは則ち外(そと)小絡に引く。故に卒然として痛む。(ケイ)を得るときは則ち痛み立ちどころに止む。因重(インジュウ)して寒に中(あた)るときは則ち痛み久し。寒氣經脈の中に客し氣と相薄(ハク)するときは則ち脈滿つ。滿つるときは則ち痛みて按ずべからざるなり。寒氣稽留し氣從い上るときは則ち脈充大して血氣亂る。故に痛み甚だしくして按ずべからざるなり。

寒氣腸胃の間、膜原の下に客するときは血散ずることを得ず。小絡急に引く。故に痛む。之を按ずるときは則ち血氣散ず。故に之を按ずれば痛み止む。

寒氣俠脊の脈に客するときは則ち深し。之を按ずるも及ぶこと能わず。故に之を按じて益なきなり。

寒氣衝脈に客す。衝脈は關元に起り腹に隨って直上す。寒氣客するときは則ち脈通ぜず。脈通ぜざるときは則ち氣之に因る。故に喘動手に應ずるなり。

寒氣背兪の脈に客するときは則ち血脈泣(キュウ)す。脈泣するときは則ち血虚す。血虚するときは則ち痛む。其の兪は心に注す。故に相引きて痛む。之を按ずるときは則ち熱氣至る。熱氣至るとくは則ち痛み止むなり。

寒氣厥陰の脈に客す。厥陰の脈は、陰器を絡い、肝に繫(つら)なる。寒氣脈中に客するときは則ち血泣して脈急す。故に脅肋と少腹と相引きて痛むなり。

厥氣陰股に客し寒氣上りて少腹に及ぶ。血泣して下に在りて相引く。故に腹痛陰股に引く。

 寒氣小腸膜原の間、絡血の中に客す。血泣して大經に注することを得ず。血氣稽留して行くを得ず。故に宿昔して積と成るなり。

寒氣五藏に客するときは厥逆して上泄す。陰氣竭きて陽氣未だ入らず。故に卒然として痛死(ツウシ)して人を知らず。氣復(ま)た反(かえ)るときは則ち生くるなり。

寒氣腸胃に客するときは厥逆上出す。故に痛みて嘔するなり。

寒氣小腸に客す。小腸は成聚するを得ず。故に後泄して腹痛むなり。

熱氣小腸に留まり、腸中痛み、癉熱焦渇するときは則ち堅乾して出づることを得ず。故に痛みて閉し通ぜざるなり」と。

 

 

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