朝から雨がシトシト、昼からはザアーザアーで、今日の最高気温24度、最低気温20度です。午後から俳句教室で、いつもは夜の部とダブルの日なんですが、夜の部は来週になりましたので、少し楽でした。
今日は家に帰ると半袖だけでは寒くなってきて、とうとう長袖を一枚羽織りました。こんなことって初めてです。福岡では雨の中での体育大会に、なんと低体温症で高校生が36人も病院へ運ばれるというニュース…エエッ、ともうビックリです!余りの温度変化に体が付いていかないですよね~。
今日の兼題は〝残暑〟でした。もちろん秋の季語。
草の戸の残暑といふもきのふけふ 高浜虚子
まさに今日の実感です。「草の戸」とは、本来「草の庵の戸」という意味ですが、転じて「簡素なわびしい住居」として、自分の家を謙遜していうときなどによく用いられます。あの芭蕉の〈草の戸も住み替はる代ぞ雛の家〉と同じですね。
今回は取り立てて目立つものがなく、殆どの句に点が入りました。その中で私が面白いと思った句、〈絵手紙や残暑二文字の朱の太さ〉。これは今年入ったばかりの新人さんの句でした。「朱の太さ」に秋になってもまだ暑~いという気持ちがこもっていて、いい句ですね。でもこの句は、形は二元俳句でも内容は二元ではないので、切字の「や」が気になります。そこで〈絵手紙の残暑二文字朱の太き〉と直しました。ここで〈……二文字や…〉ともできますが、やはり切字の「や」は重すぎます。ここは「ふたもじ」と読ませて、軽い切れにした方がいいように思いました。
これは兼題ではないのですが、面白い句がありましたよ。〈楽しかろ波間にぷかり海の月〉という句。皆さんどう解釈されますか?問題は「海の月」なんですが、このまますると「月」が季語で、海面に映った月ということになります。そう理解しても面白いとは思うのですが、それでは折角の上五の雰囲気が今一つ出て来ません。初心者だからもしかしたら…と思って、作者に聞いたんですよ。やっぱりそうでした!「海の月」は〝くらげ〟のことだったんです。だって〝海月〟と書いて、くらげと読みますもの。こういう使い方は絶対ダメですよ。そこで〈楽しかろ月夜にぷかり水母かな〉としました。
こういうことって初心者によくあります。例えば、風と声を〝風声〟とか。「風声」は「風の音」のことですが、作者は「風と声が…」の意味に使っていました。この「海の月」も同じ。このような間違いは全て音数に当てはめようとするからなんです。しかし、言葉は生きていますから、勝手に助詞でくっつけたり分けたりしないで欲しい!俳句作者という以上はよく意味を考えて、生きた言葉を使ってほしいものですね。
写真は、「ゼフィランサス」、ヒガンバナ科タマスダレ属で、通称「サフランモドキ」。昨年も載せましたが、英名では「レインリリー」と呼ばれ、何日も雨が降らずに急に降ると咲く花なんです。今年もあの旱続きで一度も咲かなかったのが、この雨で急に咲きました。ちなみに昨年は6月末に咲いて、ブログに載せています。