ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

スズメ

2017年07月17日 | 俳句

 先日、句友から一冊の本を頂きました。『にっぽんスズメ散歩』という本です。

 ページを開くと2羽のスズメの大きな写真に添えて、「はじめに」と題し、本書はスズメの写真をテーマごとに構成した写真集『にっぽんスズメ歳時記』『にっぽんスズメしぐさ』を出版されていた中野さとるさん(愛知県)に加え、宮本桂さん(三重県津市)、熊谷勝さん(北海道室蘭市)、井川祥宏さん(愛媛県四国中央市)、片柳弘史さん(山口県宇部市)の協力を得て、5人のそれぞれの身近な場所で独自の観点と手法でとらえた写真、〝スズメワールド〟を紹介しますとあります。

 雀は私たちの一番身近にいてどこででも見られる野鳥です。俳句でもよく句材に使われていますし、季語としても色々とあるんですよ。もちろん雀だけでは季語になりませんが、「雀の子」といえば春、「稲雀」なら秋、「ふくら雀」または「寒雀」は冬です。残念ながら夏はありませんが、変わった季語としては「雀化して蛤となる(すずめかしてはまぐりとなる)」という秋の時候の季語や草が伸びた様をいう「雀隠れ」(春)という季語なども。さらに雀そのものではないのですが、雀の字が付いた季語もたくさんありますよ。植物では「雀の鉄砲」(春)「雀の帷子(かたびら)」(春)「雀麦」(夏)「雀の稗(ひえ)」(秋)など、動物では「雀蜂」(春)「雀魚」(春)「雀の担桶(たご)」(夏)、生活では、「雀小弓(すずめこゆみ)」(春)「雀鮓(すずめずし)」(夏)などです。調べればもっとあると思うのですが、これらは昔から雀が人間と共存して生きてきたという証でしょうね。また、年が若くて未熟なことを〝嘴が黄色い〟といいますが、写真を見ると本当に子雀たちはみな黄色です。私も野鳥の会で鳥を観察したりした時、鳥の世界というのはすごいなあ~と思うことが度々あり、こんな小さな鳥たちから学ぶこともたくさんありました。

 「子雀」で詠まれた句では、あの有名な一茶の句がありますね。

 雀の子そこのけそこのけ御馬が通る

 「親雀」だけでも春の季語です。

 飛びかはすやたけ心や親すずめ  蕪村 (やたけ心…猛り勇む心)

 先程の本に戻りますが、5人の写真家の中の片柳弘史さんという方は、山口県宇部市にあるカトリック教会の主任司祭を務めておられ、この本をくれた句友はその教会の信者なので、その関係で下さったんだと思います。だから、この写真の中にはもしかしたら馴染みのあるスズメもいるかも…などと思ってみるととてもカワイイですね。片柳さんのお気に入り写真の1枚がこれですって。(勝手に掲載してゴメンナサイ)

 わりなしや痩せて餌運ぶ親雀  御風 (わりなしや…けなげだなあ)

 この句がぴったりの写真でしょ!片柳さんは、子スズメに餌を与える親スズメの目には愛が宿っているようで…と仰っているのですが、こういう目線で撮影できるということは、あのマザー・テレサに神父になるように勧められてこの道を選ばれ、幼稚園の講師や刑務所の教誨師などもなさっておられるという敬虔な方だからでしょうね。他にもとっても素敵な写真がありましたので、このブログで紹介したいのですが…。私が付けたネーミングの「雀の砂風呂」や「雀の水鏡」などの写真、とっても可愛いいんですよ!(笑)ここに載せられないのが残念です。 


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