ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

若葉の句

2019年05月18日 | 俳句

 今日は天気予報通り朝から小雨、現在は止んでどんよりと…まだ梅雨には入っていませんが、そろそろ雨のほしい頃でしたので、草木にはちょうどいいかも。

 昨日は定例の俳句教室へ行って来ました。兼題は「若葉」で、初夏の季語として定番のものです。若葉と言えば次の句が…

  若葉して御目の雫拭はばや

 〈あらたふと青葉若葉の日の光〉と並んで芭蕉の有名な句です。上掲句には、「唐招提寺鑑真和尚来朝の時、船中七十余度の難をしのぎ給ひ、御目のうち潮風吹き入りて、終に御目盲ひさせ給ふ尊像を拝して」との前詞がありますので、情景は容易く思い浮かべることができるでしょう。「若葉」のみずみずしさとやさしさが、何も言わなくても鑑真和尚に対する芭蕉の心を伝えてくれるのですが、つい〈ぬぐはばや〉(拭ってあげたいという意味)と胸中を吐露してしまった…。それほど強い思いが募って言わずにはおれなかった芭蕉のこころなんです。若葉の木洩れ日が固く閉じられた瞼に反映して雫のように、即ち涙のように見えたのでしょうか。もしかしたら、雨後の雫が本当に宿っていたのかも…。どちらにしても、すでに唐で名声のとどろいていた鑑真和尚が12年という歳月を掛けて来朝し、仏教を伝道した偉業を知れば…もうなにも言う言葉はありませんね。芭蕉ならずとも。

 〈あらたふと〉の句は、「奥の細道」の旅で芭蕉が日光にて詠んだもの。この句の眼目は初夏の木々の葉を「青葉若葉」と表現したところ。夏が来て若葉が野山を蔽い、一面緑一色の季節となります。やがてその若葉も、もう既に青葉となっているものもこれから益々茂って(栄えて)いくでしょう。即ち〈日の光〉に掛けて「日光」を、東照宮権現を讃える芭蕉の挨拶句でしょう。ちなみに〈あらたふと〉は「ああ、なんと尊く感じられることよ」という意味ですよ。

 今日も今から句会ですので、昨日の教室や句会での話はまた後で。

 写真は、前に載せた「英彦山姫沙羅」。あの後蕾が一斉に開きました。今度は少しはマシでしょうか?

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