ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

蝸牛が紙を食べるって、ホント?

2022年08月05日 | 俳句

 今日も最高気温は35度と。でも朝は曇っていてラジオ体操の時まではもっていた空が帰りには降り出し…。ウレシイからそのまま濡れて戻りましたが、家に着く頃はもう止み、その後はまた日が照って…蒸し暑い!

 昨日の午後は車に乗ってみれば、なんと40度…以前にも経験しましたが、目眩がしそう!この頃は夜もクーラーを掛けて寝てるし、こんなに朝から晩までクーラー漬けの生活では体の機能も正常には働きませんよ。あちこちが音をあげています。あの元気なお婆ちゃんもとうとう昨日から熱を出して寝込んでしまいました。コロナや熱中症ではなさそうだし、この異常気象の日々をクーラー病で体がついていかないのかも…心配です。

 また、こちらでは喉から手が出るほどほしい雨だというのに、今朝は雀の涙…。それなのに昨日は山形や新潟では記録的な大雨で、そのため山形では最上川の3ヶ所が氾濫したとか、新潟などでは土砂崩れが起って大きな被害が出ているとも。

 更に、昨日の朝9時48分頃には宮城県と福島県で最大震度4を観測する地震があったそうで。こうも次から次へと災害が押し寄せてくるなんて…今回は東北ですが、明日は我が身ですよね。洪水や地震は九州などでもひっきりなしですもの。

 被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り致します。ガンバッテ下さい。

 ところで、先日のブログで幸田露伴の忌日のことに触れましたが、その時「露伴忌」以外に「蝸牛忌(かぎゅうき)」ともいうのだと書きました。

 露伴は『五重塔』などで知られる明治の文豪ですが、『評釈俳諧芭蕉七部集』などの古典研究なども残し、旧来「露伴、漱石、鷗外」と並び称される日本の近代文学を代表する作家の一人。「蝸牛」というのは、かたつむりのことで、その露伴の別号が「蝸牛庵」だったんです。

 その号の由来ですが、露伴は自分の家をかたつむりの家(蝸牛庵)と呼び、やどかりのように幾度となく住まいを変えたんだそうです。その中でも、一番長く10年間住んだ隅田川の東、向島にあった家が、明治村に移築されて保存されているとか。 露伴の作品の中に、『蝸牛庵夜譚』(1907年11月、春陽堂書店)とか、『蝸牛庵句集』とかいうのもあるようです。

 調べていると、その句集に所収されているという次のような露伴の句がありました。

  豪傑も茄子の御馬歟たままつり

 この句について、「増殖する俳句歳時記」で、清水哲男氏の次のような鑑賞文がありましたので転載させていただきます。

 幸田露伴は、言うまでもなく『露団々』『五重塔』などで知られる明治の文豪だ。『評釈俳諧芭蕉七部集』という膨大な著作があり、俳句についても素人ではない。「歟」とは難しい漢字だが、ちゃんとワープロに入っている(いまどき誰が何のために使うのだろうか)。読み方は「か」ないしは「や」。文末につけて疑問・反語を示す(『現代漢語例解辞典』小学館)。ただし、ここでは一般的な切れ字として使われている。かつては荒馬にうちまたがって戦場を疾駆していた豪傑も、この世の人でなくなって、なんとも可愛らしい茄子のお馬さんに乗って帰ってきたよ…。と、いうところか。言われてみればコロンブスの卵だけれど、盂蘭盆会(魂祭)の句としては意表を突いている。稚気愛すべし。楽しい句だ。ところで、私が子供だったころまでは、茄子の馬などの供え物は、お盆が終わると小さな舟に乗せて川に流していた。いまではナマゴミとして捨てるのだろうが、なんだかとてもイタましい気がする。さすがの豪傑も、そんな光景には泣きそうになるのではあるまいか。『蝸牛庵句集』(1949)所収。(清水哲男)

 露伴の写真を見ると、髭を生やしていかにも堅物そうなイメージですが、その人物像を辿るとなんとも破天荒で、学校も中退していたりと、意外な一面がありました。何が何でも小説家になりたいという自分の興味にはとても正直な情熱家だったようです。数え16歳の時、給費生として逓信省官立電信修技学校に入り、卒業後は官職である電信技師として北海道余市に赴任したものの、坪内逍遙の『小説神髄』や『当世書生気質』と出会って文学の道へ志す情熱が芽生えたと言われています。そのせいもあり、1887年(明治20年)職を放棄し帰京。間もなく文壇で頭角を現し「紅露時代」を築いていくのですが、その原動力は「これだ」と思い込んだら他には目もくれない、圧倒的な行動力だったのだと。露伴の人柄などは次女・幸田文さんの随想『父』や『こんなこと』など読むとよく分りますよ。

 ちなみに、蝸牛庵にちなんで蝸牛の話などを。一見鈍重で歩みののろいカタツムリですが、昔から童謡などにも歌われて子どもたちに人気の生き物ですよね。その食べ物ですが、私は菌類や野菜など、植物食性だと思い込んでいたのです。ところが、〝紙〟を好んで食べるという…皆さんはこのことご存じでしたか?

 雨の降ったある日郵便物を取りに出て、その一つの端がちぎれていて…?。最近の郵便配達は雑でこんな破損したようなものを配るのかしら…と、ちょっと憤慨!でも、何だかヘン!…これは何かが食いちぎった跡のような…。

 すると、近くにいつも我家に顔を出す蝸牛がいるではありませんか。まさか…と思いましたが、そのままにしていました。すると、また次の雨の日の郵便物にくっついている蝸牛を見つけました。今度はそのまま持って来て、一晩その紙の上に置いておきました。翌朝見てみると、ほらこの通り!穴が開いていたんです。ヘエッ、知らなかった!百科事典で調べてみると、紙を好むのでゴミためにも多く集まると確かに書いてありました。でも、ゴミための蝸牛じゃ…俳句になりませんよね。

 すると、歳時記に〈でで虫が紙食ひちらす玩具箱 石河義介〉という句が例句に載っていました。知っている人には何でもないことかも…でも私には感動でした。

 今日の写真は…その衝撃的な発見!蝸牛が紙を食べた証拠です。上のが最初に見つけた郵便物の食べ跡。次のがまた来ていた蝸牛と、一晩そのままにしておいて朝見ると穴が開いていた食べ跡。この蝸牛たちは時期になると我家にいつも顔を見せに来てくれる…同じ個体なのかしら?いや、その時々で大きさが違うようだから…きっと一族なんでしょうね。最後のは去年来ていた蝸牛です。


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 7月30日は三人の文豪の忌日! | トップ | 昨日は立秋だったんですって... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (翡翠)
2022-08-05 18:03:46
ちわき先生

こんばんは(*^-^*)

蝸牛が紙を食べるなんて~
衝撃ですΣ(・ω・ノ)ノ!
以前、写真屋で働いていたときに
石鹸を食べれらたことがあり
歯形があったので、もしやと思い
祖父に聞いたら、ネズミは石鹸を食べるよと
言われましたΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
即ねずみ退治をしました🐀

写真屋なんて、食べ物もないのに
何故ネズミが出たのか未だに謎です(^-^;
返信する
Unknown (ミルク)
2022-08-05 23:26:02
ちわきさん・こんばんは。
うわ!知りませんでした。🐌が紙を食すなんて@@
しかも、証拠写真付きで。すごいです。勉強になりました。

仲間かどうか、知りませんが、ナメクジが野菜を食べているの見て@@
今年、グリーンレタスを植えましたが、ようやく
食べられると採ろうとしたら、ナメクジ。
雨続きのころでした。はぁ~ 食べ跡がクッキリ・・・
生で食べるものなので、全部引き抜いて捨てました。
返信する
Unknown (ちわき)
2022-08-06 09:41:57
翡翠さん、コメントありがとうございます。
やはり知りませんでしたか?驚きでしょ!
こんなに身近にいる生き物でもその生態や食生活?に通じている人というのは…余程それが好きな人でないといないでしょうね。
これだけ俳句に詠んでも知らない事ばかりです…もし、俳句をしていなかったら全~く知らないままですもの。
役得ならぬ〝俳句徳〟でしょうか。(@^▽^@)
鼠がいろんなものを囓るというのは…動物的だから想像には難くはないですけど、蝸牛では…やはりヘンよね。
返信する
Unknown (ちわき)
2022-08-06 09:51:09
ミルクさん、コメントありがとうございます。
ナメクジも殻を持たないだけで似たような生き物でしょう。
よく台所の流しの下などに居て、朝その這った跡が銀色に光って…などという句をたくさん見てますよ。
あれもキャベツや白菜など自家製を貰うと必ず中にナメクジが入っています。
でも、虫も食わないような野菜は農薬だらけなんだからと言って嫌う人も居ます。私もそういう野菜は安全だからと、アリガタ~く頂いて食べますよ。
まあ生ではないですが…
グリーンレタス惜しいことをしましたね。でも、ナメクジやミミズなど薬として飲むのもあるとか…聞いたことありませんか?毒じゃないんでしょうからね。
返信する
Unknown (風の盆)
2022-08-25 16:25:48
>でで虫が紙食ひちらす玩具箱
>ナメクジも殻を持たないだけで似たような生き物でしょう。

でで虫とは文面からみるとカタツムッリのことかな

よく分かんない

ヤギなどは紙を食うが、カタツムリも紙を食うか

羊毛があるが最近は化学繊維が出回っている
セ-タ-などは化学繊維のものは虫が食わない
自然の物を食うんだな

紙には和ものと洋ものがあるが、どうも文面から洋紙は食われるか
和紙はどうかな
同じか
返信する
Unknown (ちわき)
2022-08-27 11:47:00
風の盆さん、こんにちは!
蝸牛のことは、俳句では〝かたつむり〟〝ででむし〟〝でんでんむし〟〝まいまい〟などといって詠まれます。
山羊が紙を食うのは知っていましたが、蝸牛が食うとは…ちょっと驚きでした。
セルロースを分解吸収できるため、
新聞紙や散らしなどの紙類をよく食べるそうで、その場合には糞も元の紙の色になるとか。
それを実験した人の報告があって黄色の紙なら黄色、赤なら赤と…7色の糞をしたそうです。それは色画用紙でしたね。和紙も食べるか…それは?でも高いから食べさせる人はいないのでは?
また殻にカルシュウムがいるので外壁やコンクリートなども食べるとか…
返信する

コメントを投稿

俳句」カテゴリの最新記事