ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

室咲(むろざき)

2018年01月20日 | 俳句

 今日も句会でした。何となく久し振り…という感じの「宇部馬醉木会」です。

 今月から1名増え、欠席投句7名の10名出席で、投句数85句。ここでは兼題がありませんので、当季雑詠が原則です…、でもそろそろ立春も近くなりましたので、春の句もありかと。俳句では後退は好まれませんが、先取りはOKですからね。

 やはり新年の季語が多かったです。「初夢」「初暦」「初富士」「初笑」「初詣」「初硯」「初日」「書初」などの「初」の付くものや「元朝」「二日」「三日」「五日」「歌留多」「七福詣」「年賀」「去年今年」「淑気」などでした。あとは「寒」の付くものなど。

 85句もありましたが、同じ季語を用いていたのはわずかに2,3句でしたね。だから同じような句のできる確率は非常に低いと思うのですが、それでも類想・類句は次から次に生まれてくるんです。それは人が考えたり思ったりすることが似たり寄ったりだからなんですが…ふと私は思うんですよ。文芸作品というものは人に共感や感動を与えるものが良しとされる世界…なら誰もが思ったり感じたりすることを表現すればより多くの感動・共感を得られるかということ。違うんですね~。誰もが感じるということは、もう分かりきっていることだからちっとも面白くないと…だから今まで誰も言わなかった、見つけなかったことを、それも斬新に表現して、その上で多くの人の共感を得よなんて…なんと贅沢な望みでしょうか。10人の選者がいれば、重なる句が1句でもあれば大成功と…。もちろん全体数が少なければ重なる度合いも増えるでしょうがね。

 先日の俳人協会俳句大賞の場合でも、応募総数6906句より971句が選ばれ、その中から8名の選者が特選3句・入選20句を選出したんです。その中で特選に採られた選者が2名いたということで、大賞が決定したというんですから推して知るべしでしょう。更にこの賞の応募資格は俳人協会員と限られていますので、それぞれの結社では認められている同人クラスの方々ばかりの句なんですから…。ホントに俳句は難しい! 自己満足の句ならいくらでも出来ますがね。(笑)

 これは通っている整形外科に飾ってあった「パフィオ・ペディラム」。花弁の一部が袋状になった蘭で、食虫植物に間違われますが虫を捕捉することはありません。パフィオ・ペディラム・インシグネといって、その属の中の原種だそうです。

 「蘭」は秋の季語ですが、温室などで栽培されて寒中に鑑賞するシクラメンやランなどは、「室咲」(むろざき)といって、冬の季語なんですよ。秋櫻子先生の詠まれた花はどんなランだったのでしょうか?

   室咲の花淡くして日も薄し      水原秋櫻子

 

コメント
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