自燈明

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二十七番 中納言兼輔

2014年03月24日 | 百人一首
みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとて 恋しかるらむ

みかの原を分かつように湧き出て流れる泉川ではないが、いつ逢ったということで、こんなにも恋しいのだろう。

みかの原 「瓶原」。歌枕。山城(京都府)の木津川市。奈良時代には恭仁京が置かれた。
わきて流るる 「わき」は、「分き」と「湧き」の掛詞。「湧き」は、「泉」の縁語。
泉川 現在の木津川。「いづみ」から「いつみ(何時見)」へと音を重ねて続く。ここまでが序詞。
いつ見きとてか 「見」は、「逢う」の意。「き」は、過去の直接体験を表す助動詞。「か」は、疑問の係助詞。後の「らむ」と係り結び。この歌には、解釈の手がかりとなる人間関係が示されていない上、状況を説明する詞書もなく、男女関係がない状態で詠んだ歌なのか、かつての恋人について詠んだ歌なのか、空想上の物語を用いて言葉の技巧を凝らしただけなのかは不明。そのため、古来よりこの部分の解釈が分かれている。なお、兼輔の歌ではないという説もある。
恋しかるらむ 「らむ」は、原因推量の助動詞の連体形で、「か」の結び。

ちゅうなごんかねすけ (877~933)
藤原兼輔 (ふじわらのかねすけ)  平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。加茂川の近くに邸宅があり、堤中納言とよばれた。
コメント
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