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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

キス・キス

2014-10-22 20:54:55 | 読んだ本
ロアルド・ダール/田口俊樹訳 2014年5月 ハヤカワ文庫
きのうからのつながりは、筒井康隆よりは、ダールのほうが好きだなあ、という感じで。
「飛行士たちの話」「あなたに似た人」に続く第三短編集だっていうんだけど、前二者は読んだことあるのに、これは存在知らなかったなあ。
「新訳版」ということで、書店の文庫棚に並んでいるのを見つけたのはラッキーだった。
(って、また出張先で見つけたんだけど。酔った帰りに本屋に寄ると、見つけたもんすぐ買ってしまう。)
収録作は以下のとおり。
「女主人」
ロンドンからバースに赴任した17歳の少年。安い宿をさがしていると、感じのよさそうな下宿屋を見つける。
ちょっとヘンな女主人が愛想よく迎えてくれたんだけど、違和感に気づいたのは宿帳に記されて名前をみたときだった。
みなまで言わない描写がいい、不気味さでは白眉の秀逸な作だと思う。
「ウィリアムとメアリー」
哲学の教師ウィリアムは、自分が亡くなったあと、妻メアリーに一通の手紙をのこしていた。
そこには友人の医師の提案による、自分の死後の扱いが書いてあった。
「天国への道」
ミセス・フォスターは、列車や飛行機の時刻に間に合わないことについて、神経過敏というくらい恐れをいだく性格だった。
しかし、彼女の夫は、わざとやっているのではないかと思うくらい、不必要に出発直前に彼女を待たせることがしばしばだった。
彼女が娘と孫に会いにパリへ6週間の旅に出る日も、いつものように夫は出かける間際に一旦家のなかへ戻ろうとする。
「牧師の愉しみ」
ミスター・ポギスは、牧師を装っているが、本業は骨董家具商だった。
田舎の古い農家などを訪れては、そこにある掘り出し物を、価値など知らぬ持ち主から安く買い取るのが、そのやりくちだった。
「ミセス・ビクスビーと大佐のコート」
夫と妻と見下げ果てた男をめぐる、古典的ともいっていいテーマの話。
ニューヨークの歯医者の妻であるミセス・ビグスビーは、月にいちどボルティモアに住む伯母を訊ねる習慣だったが、それはウソで、ある大佐と浮気していた。
「ロイヤルゼリー」
ようやく授かった赤ん坊は、ミルクをちっとも飲まず、平均よりはるかに痩せ細った子どもだった。
問題を解消する策を考えた父親は、自身が子どものときからミツバチに興味があり、どんな接し方をしてもハチに一度も刺されたことがない男だった。
なんか、スティーブン・キングみたいだなって、感じたな、これ。
「ジョージー・ポージー」
主人公の牧師は、女性との接触をものすごく恐れるが、それは幼少期の母親の教育の影響かもしれない。
そんな彼の気もしらず、周囲の女性は彼に接近してくる。
よくわかんない話だな、これ。
「始まりと大惨事―実話―」
三人の子どもを生まれてすぐに亡くした母親、四人目の子だけは、なんとか無事に生きながらえさせたいと思う。
その子の名前から、読者は、成長したのち歴史に名を残す人物になる運命を知る。
「勝者エドワード」
勝手にウチまでついてきた猫は、妻のルイーザがピアノを弾きだすと、とても興味深い反応を示す。
夫のエドワードは、妻の考えを否定する。
「豚」
数奇な運命により孤児となったレキシントン少年は、伯母に育てられるが、その影響から菜食主義者だけど天才的な料理の腕前を誇る。
世間から隔離されて育った彼は、無垢だけど常識がないが、そんな彼が初めて豚肉を、それが何か知らずに食べることになる。
「世界チャンピオン」
給油所ではたらいているゴードンとクロードの悪だくみ。
金持ちの所有する森にいるキジの密漁作戦を練るが、画期的な大量捕獲方法を思い当たる。

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