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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

枕草子

2010-09-20 13:20:16 | 読んだ本
全訳注:上坂信男・神作光一 1999年 講談社学術文庫
というわけで、前々回からのつながりで、清少納言の枕草子。
国語の古文の教科書で、絶対なにがしかは出てくるんだけど、そういう有名な章以外にどんなのがあるのか読んでみた。
っていうわりには、上中下全3巻なのに上巻しか持ってないから、挫折したんだけど
しかたないよね、なんだかんだいって、古文は読みにくい
で、おとといの題名にあった「心ときめきするもの」ってのは、以下のとおり
心ときめきするもの。雀の子飼。ちご遊ばする所の前わたる。よき薫きものたきてひとり臥したる。唐鏡のすこしくらき見たる。よき男の車とゞめて案内し、問はせたる。かしら洗ひ、化粧じて、かうばしうしみたる衣など着たる。ことに見る人なき所にても、心のうちはなほいとをかし。待人などのある夜、雨の音、風の吹ゆるがすも、ふとおどろかる。
言葉の響きは古語のほうがきれいだったりするけど、現代語訳がないと、やっぱ意味はわからん
胸のどきどきするもの。雀の子を飼っている時。幼児を遊ばせている側近く通る時。上等の香を薫いて独り横になっている時。舶来の鏡が少し曇っているのに気がついた時。高貴な男が牛車を止めて、お供に取り次ぎをさせ、尋ねさせている時。洗髪し、化粧をして、香を薫き染めた衣などを着た時。ことに誰も見ていない所ででも、心の中はやはり大変気持ちよい。人の訪れを期待している夜、雨の音や風が吹いてガタガタ物の揺れる音がする時も、はっと胸騒ぎしてしまう。
うーむ

ほかにも「○○なもの」は、いっぱいあるんだけど、この現代語訳では、それらは「○○な時」とか「○○な事」したほうがいいことが多いとしている。
すさまじきもの=興ざめなもの、
にくきもの=憎らしいもの、
心ゆくもの=心の満たされるもの、
にげなきもの=ふさわしくないと思うもの、
おぼつかなきもの=はっきりしなくて気がかりなもの、
ありがたきもの=めったにないもの、
あぢきなきもの=今さらどうしようもないもの、
こゝちよげなるもの=気分よさそうなもの、
めでたきもの=すばらしいもの、
なまめかしきもの=若々しくも美しいもの、
ねたきもの=癪にさわるもの、
かたはらいたきもの=いたたまれない思いをするもの、
あさましきもの=意外さにあきれかえってしまうもの、
口をしきもの=残念な思いをするもの、
などなど。

「ある、ある!」って言えそうなものもあれば、なかには独特の感性で指摘している気付かないものもある。
ときどき思うんだけど、枕草子を読めば、その後日本語で書かれたエッセイの、「私はこう思います」みたいな口調というか視点しか持たないものの、大部分は読む必要がないんぢゃないかという気がする。千何百年か前に出尽くしてるよ、そういうの。

あと、いろんな物のリストアップも、いっぱい。
>木の花は、濃きも薄きも、紅梅。
>花の木ならぬは 楓。桂。五葉。
>鳥は、こと所のものなれど、鸚鵡、いとあはれなり。
>猫は うへのかぎり黒くて、腹いと白き。
>草の花は 撫子。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし。
>河は 飛鳥川。淵瀬も定めなく、いかならんとあはれなり。

で、ありました、私のすきな「馬」
馬は いと黒きが、たゞいさゝか白き所などある。紫の紋つきたる。蘆毛。薄紅梅の毛にて、髪・尾などいと白き。げに「ゆふかみ」とも言ひつべし。黒きが、足四つ白きもいとをかし。
馬は、大変黒い馬で、ただほんの少し白い所がまじっているのがよい。栗毛でまだら模様のある馬。蘆毛の馬。体は薄赤毛だが、たてがみと尾が白い馬。そういうのは、木綿髪といってもよいだろう。黒駒の足四本が白いのも心魅かれる。
芦毛とか尾花栗毛とかが好きな女性が多いことは、いまも変わらん
っていうか、色だけかよ? 清少納言
気性とかに言及しないのは、見てるだけで触ったことないからだろうし、そもそも馬は、乗ってみなきゃわかんないだろーがよ


どうでもいいけど、ふつうに打ち込んだら古語に変換してくれる日本語入力システムっつーかツールっていうか、ないかな? あれば便利なのに。(ふつう使わんか…)

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