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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

キャッツキルの鷲

2012-03-10 23:23:16 | 読んだ本
ロバート・B・パーカー/菊池光=訳 1986年 早川書房
ひさしぶりに読み返したスペンサーシリーズの12作目。
いままで文庫版だったけど、ここからハードカバーになった。
持ってるのは1991年3月の9版。文庫を待つことをしなくなったのは、早く次を読みたい心理なのか、単におこづかいに余裕ができたのか。
それはそうと、ストーリーのほうは、主人公スペンサーが、自分のもとを去ってしまった恋人スーザンを、取り返そうとする話です。腕ずくで、ですね、取り返すのは。
あまり、私立探偵という言葉から想像されるような、謎解きとかそういう系統ぢゃありません。
相棒のホークが出てきて、ふたりでどこまでもヘラズぐちをたたきながら、タフに戦っていきます、暴力のオンパレード。
(「ユダの山羊」と似てる感じだけど、なんと、そのときの登場人物も出てくる。)
相手は、大金持ち。自分で武器を整え、軍隊なみの私設警備隊を組織できるような、大金持ち。ある登場人物に言わせると、サウジアラビアより金を持ってる。
スペンサーとスーザンの関係はもとより、まいどおなじみになったポールとか、べつの事件で主役だったレイチェル・ウォレスとかも出てくるし、ここまでのシリーズを読んだことがない人が、たまたま初めて本書を手にとったら、理解できないだろうなーという気がする。
シリーズものも、そうなっちゃうとちょっとなー、と私は思うんだが。
それはそうと、スペンサーとホークの関係は、単純にカッコいい。
たとえば、あるとき敵から隠れてホテルにいるとき、一緒にいるレイチェルには「ルームサービスがドアをノックしても、ドアの前に立って開けてはいけない」とか言っといて、自分はホークの声がしたノックには無防備にドアを開ける。
「なんで?ホークの後ろに誰かが銃を突きつけてるとは思わないの?」とか言われて、「彼はそういうこと=脅されてノックするようなことはしない」と断言する。
それでも納得できない「なんで、しないとわかるの?」という問いには、「俺もしないからだ」とか答える。
そーゆーとこが、カッコいいですね、このコンビ。信頼とか友情とか安っぽい言葉を使わないとこがクール。
コメント
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