goo blog サービス終了のお知らせ 

many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

決壊

2010-02-17 21:21:16 | 読んだ本
平野啓一郎 2008年 新潮社(上下巻)
なんか最近ここに書くものといえば、20年以上昔に読んだものばっかりになってきちゃったので、たまには比較的最近読んだものを。
「決壊」は、2008年の夏ごろかな、かなり話題になってたんだと思います。
若いころのように本屋ブラブラすることをしなくなってんのに、そんな私の耳というか目に入ってくるんだから、相当なもんだったんぢゃないでしょうか。
当時、夏は非常に忙しい毎日だったんで、10月にそんな生活が一区切りついたところで買ったんだったと思います。
で、すぐ読めばいいのに、なんだか(心身疲れてるときにヘビーな本に向かうのは難しいことがあります、最近)ほったらかしにしといて、ほんとに読んだのは、ついこのあいだ。去年の末だったかな。
読みだしたら、あっという間でしたけど。
お話自体は、くら~くて、なんつーか救いがない話です。ほんと、これこそ若いころ読んでたら、かなり心に傷をくらっちゃったんぢゃないかと思います。
表現としては、非常に現代的なものを用いているんで、某巨大掲示板の文体とかがそのまま出てきます。うん、ネット上の書き込みは、非常に重要なファクターとなってますし。
もし『ライ麦畑でつかまえて』が、50年代の若者の言葉を使って、効果をあげるとともに、貴重な価値があるとしたら、後年この小説だって2000年代最初の10年の日本の文化をよくとらえてると評されるかもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする