「観光」立国から
「医療・健康・長寿」立国へ!
皆様のご清栄をお慶び致します。
ところで、この度の東日本大震災による甚大な被害をつぶさに観察すれば、地震・津波という自然災害と福島原発問題という人災との複合要因を否定できないでしょう。
このような観点から、長期的視点で我が国の復興目標を考えれば、国民の命や健康をより大切にすると同時に、人類全体の健康や長寿への貢献、国際的安全性確保への配慮の優先などが最重要視されるべきものと考えます。
観光サービス産業の繁栄は、人々の暮らしの豊かさと平和の象徴といえますが、これは地球上の多くの人々にとっては、しばしば「夢・幻(まぼろし)」に近い「はかない」ものでしかないため、より地に足を付けた現実的な暮らしの確保や改善こそが、国家や国民、はたまた国際的な次元での課題であり、健康や長寿を実現するための自然・人工の社会環境づくりや医療・保健衛生などこそが最重要視されるべきものだと考えます。
そこで、「観光立国」を国家政策に掲げることは、もうきっぱりと止めにしましょう。
「医療・健康・長寿」を最重要視する姿勢を国内的にも、国際的にも明らかにして、震災や人災で壊れた国のイメージと社会・経済を立て直しましょう。
これからの90年、21世紀の課題は、国の内外を問わず、人々の健康と長寿の増進であり、そのための医療サービスの発展を最重要課題としましょう。
かくて、観光立国から医療立国を軸足に置く地道で現実的な政策に転換するならば、現在、語学の分野でのただ一つの国家試験であり国家資格である「通訳案内士」試験での課題も、観光案内業を想定したものから、医療現場で役立つ医療通訳養成を想定したものへと大きく切り替えるべきです。
すでに東南アジア先進国を中心に、世界中で広く普及している「国境を越えて求める医療サービス=医療の国際化=メディカルツーリズム」の興隆を見るとき、幸い、我が国もこの分野での成功要因を多く抱えていることから、震災後の最重要な復興策として、医療の国際化・メディカルツーリズムに向けて一層努力を傾けるべきです。その一環として、外国人患者と医師や病院スタッフとの間の言葉の壁を打ち破る多言語の医療通訳士をしっかりと確保するべきです。
ところで、この度の震災による被害の重要なものとして、在留外国人の本国への引き上げを始めとする外国人観光客の激減による観光産業の不振は言うに及ばず、職を失った観光ガイド(通訳案内士)の悲惨さは、ワーキング・プア―の代表例といわれた最近十年間よりも、更に悪化しています。
しかし、幸いなことに、我が国政府は、本年1月1日より医療・治療等の目的で訪日希望の外国人向けに入国ビザ発給の要件を緩和する「医療滞在ビザ」を制度化し、さらに厚生労働省は、次年度より、多言語での通訳や書類等の受け入れ準備を整えた病院に対して、外国人受け入れ適正病院である旨を公的に認証する制度をスタートさせると発表済みです。
従って、観光ガイドの長年にわたる窮状を救う意味でも、医療立国こそを国策に掲げて、観光ガイドを「医療通訳士」として再登場させる仕組みを構築するべきです。
ちなみに、東京通訳アカデミーでは、このたびの震災に際し、東日本大震災・ボランティア救援隊・(医療)通訳チームを募集(3月14日)したところ、昨日(3月30日)で700名を優に超える応募があり、今もなお応募が続いている状況ですが、この一つの事実を見ても、日本全国には、極めて多くの医療通訳・予備軍が存在していることを推察出来ます。
即ち、医療の国際化、メディカルツーリズムを進める上で大きな難問・障害とされた言葉の問題=医療通訳士の確保の点に於いても、近い将来における整備を期待できると予測されます。
ここにおいて、厚生労働省が期待する外国人受け入れ適正病院の規準に合わせる多言語医療通訳士の養成策として、震災後に職を失っている多数の観光ガイドや語学エキスパートの多数の人々を対象に、「ハローワークの基金制度」の2011年度での継続<下記資料>を利用することが重要な検討課題になります。
皆様のご理解とご支援とをお願いします。
平成23年3月31日 木曜日
特定非営利活動法人 日本通訳案内士連合 理事長 岡村寛三郎
東京通訳アカデミー・学院長
〒101-0052東京都千代田区神田小川町2丁目6番12号 東観小川町ビル8階
JGC&TIA事務局・岡村寛三郎Email Address:okamura3@oksemi.co.jp
≪参考資料≫2010年12月19日
基金訓練と同様の制度を継続へ
政府は17日、失業者が生活費を受け取りながら無料職業訓練を受ける「求職者支援制度」創設のため、2011年度予算に628億円を計上する方針を決めた。一般会計と労働保険特別会計から拠出する。来年の通常国会に関連法案を提出し、雇用保険と生活保護のすき間を埋める「第2の安全網」の恒久化を目指す。
制度開始は2011年10月の予定。短期的な就労を繰り返す人や長期失業者など失業給付を受けられない人々を支えるのが目的だ。求職者を支援する制度としては麻生政権が始めた「緊急人材育成・就職支援基金」による訓練制度(基金訓練)があるが、民主党は、その恒久化をマニフェストに掲げていた。
「医療・健康・長寿」立国へ!
皆様のご清栄をお慶び致します。
ところで、この度の東日本大震災による甚大な被害をつぶさに観察すれば、地震・津波という自然災害と福島原発問題という人災との複合要因を否定できないでしょう。
このような観点から、長期的視点で我が国の復興目標を考えれば、国民の命や健康をより大切にすると同時に、人類全体の健康や長寿への貢献、国際的安全性確保への配慮の優先などが最重要視されるべきものと考えます。
観光サービス産業の繁栄は、人々の暮らしの豊かさと平和の象徴といえますが、これは地球上の多くの人々にとっては、しばしば「夢・幻(まぼろし)」に近い「はかない」ものでしかないため、より地に足を付けた現実的な暮らしの確保や改善こそが、国家や国民、はたまた国際的な次元での課題であり、健康や長寿を実現するための自然・人工の社会環境づくりや医療・保健衛生などこそが最重要視されるべきものだと考えます。
そこで、「観光立国」を国家政策に掲げることは、もうきっぱりと止めにしましょう。
「医療・健康・長寿」を最重要視する姿勢を国内的にも、国際的にも明らかにして、震災や人災で壊れた国のイメージと社会・経済を立て直しましょう。
これからの90年、21世紀の課題は、国の内外を問わず、人々の健康と長寿の増進であり、そのための医療サービスの発展を最重要課題としましょう。
かくて、観光立国から医療立国を軸足に置く地道で現実的な政策に転換するならば、現在、語学の分野でのただ一つの国家試験であり国家資格である「通訳案内士」試験での課題も、観光案内業を想定したものから、医療現場で役立つ医療通訳養成を想定したものへと大きく切り替えるべきです。
すでに東南アジア先進国を中心に、世界中で広く普及している「国境を越えて求める医療サービス=医療の国際化=メディカルツーリズム」の興隆を見るとき、幸い、我が国もこの分野での成功要因を多く抱えていることから、震災後の最重要な復興策として、医療の国際化・メディカルツーリズムに向けて一層努力を傾けるべきです。その一環として、外国人患者と医師や病院スタッフとの間の言葉の壁を打ち破る多言語の医療通訳士をしっかりと確保するべきです。
ところで、この度の震災による被害の重要なものとして、在留外国人の本国への引き上げを始めとする外国人観光客の激減による観光産業の不振は言うに及ばず、職を失った観光ガイド(通訳案内士)の悲惨さは、ワーキング・プア―の代表例といわれた最近十年間よりも、更に悪化しています。
しかし、幸いなことに、我が国政府は、本年1月1日より医療・治療等の目的で訪日希望の外国人向けに入国ビザ発給の要件を緩和する「医療滞在ビザ」を制度化し、さらに厚生労働省は、次年度より、多言語での通訳や書類等の受け入れ準備を整えた病院に対して、外国人受け入れ適正病院である旨を公的に認証する制度をスタートさせると発表済みです。
従って、観光ガイドの長年にわたる窮状を救う意味でも、医療立国こそを国策に掲げて、観光ガイドを「医療通訳士」として再登場させる仕組みを構築するべきです。
ちなみに、東京通訳アカデミーでは、このたびの震災に際し、東日本大震災・ボランティア救援隊・(医療)通訳チームを募集(3月14日)したところ、昨日(3月30日)で700名を優に超える応募があり、今もなお応募が続いている状況ですが、この一つの事実を見ても、日本全国には、極めて多くの医療通訳・予備軍が存在していることを推察出来ます。
即ち、医療の国際化、メディカルツーリズムを進める上で大きな難問・障害とされた言葉の問題=医療通訳士の確保の点に於いても、近い将来における整備を期待できると予測されます。
ここにおいて、厚生労働省が期待する外国人受け入れ適正病院の規準に合わせる多言語医療通訳士の養成策として、震災後に職を失っている多数の観光ガイドや語学エキスパートの多数の人々を対象に、「ハローワークの基金制度」の2011年度での継続<下記資料>を利用することが重要な検討課題になります。
皆様のご理解とご支援とをお願いします。
平成23年3月31日 木曜日
特定非営利活動法人 日本通訳案内士連合 理事長 岡村寛三郎
東京通訳アカデミー・学院長
〒101-0052東京都千代田区神田小川町2丁目6番12号 東観小川町ビル8階
JGC&TIA事務局・岡村寛三郎Email Address:okamura3@oksemi.co.jp
≪参考資料≫2010年12月19日
基金訓練と同様の制度を継続へ
政府は17日、失業者が生活費を受け取りながら無料職業訓練を受ける「求職者支援制度」創設のため、2011年度予算に628億円を計上する方針を決めた。一般会計と労働保険特別会計から拠出する。来年の通常国会に関連法案を提出し、雇用保険と生活保護のすき間を埋める「第2の安全網」の恒久化を目指す。
制度開始は2011年10月の予定。短期的な就労を繰り返す人や長期失業者など失業給付を受けられない人々を支えるのが目的だ。求職者を支援する制度としては麻生政権が始めた「緊急人材育成・就職支援基金」による訓練制度(基金訓練)があるが、民主党は、その恒久化をマニフェストに掲げていた。