急成長するメディカルツーリズム、東南アジアにて  6月14日付・日経新聞記事

2013-06-14 17:56:08 | Weblog
東南アジア、医療ツーリズム急成長 タイに年250万人
日経新聞6月14日付け記事


病院ロビーのクッションはホテル並みの豪華さ
(BGHのバンコク病院)
 東南アジアで治療や療養目的の外国人を対象にした「医療ツーリズム」ビジネスが急速に成長している。なかでもタイとマレーシアの民間病院がけん引役だ。高度な医療と快適な入院サービスが世界から富裕層らを呼び込む。ビジネス感覚あふれる運営手法と規制緩和が生んだ競争が質の向上を促す。医療分野を成長戦略のひとつに掲げる日本は追いつけるのか。
 バンコク病院国際外来棟。市中心部の高級住宅街に近い院内は、中東やアフリカの民族衣装を身にまとった患者でにぎわう。150人に及ぶ通訳が控え、26カ国語に対応。世界から年間20万人以上が訪れる。15階にあるVIP向けの病室の広さは80平方メートル超。国内外の要人がお忍びで訪れる。
 この病院はタイ最大の病院グループ「バンコク・ドゥシット・メディカル・サービシーズ(BGH)」が運営する。BGHはタイやカンボジアに31の病院を抱える。


 東南アジアは欧米に比べ手術などの費用が安いとされるが、それだけが患者を集める理由ではない。規制の緩さと民間経営の競争原理が先端医療サービスを磨く。
 日本では利益追求に走らないようにと細部まで診療報酬が定められ、病院経営も医療法人に限られる。東南アジアでは病院も株式会社形態が一般的。高い報酬を約束する病院に優秀な医師も最新の設備も吸い寄せられていく。
 東南アジアでは多くの国で日本のような国民皆保険は確立されていない。所得水準の向上で先端医療技術や手厚いサービスを求める富裕層は増えている。タイのBGHやマレーシアのIHHはこうした需要の受け皿となり成長している。

 このため営業活動も活発だ。BGHはアフリカやベトナムに加え、ブータンにも拠点を設立。2011年には日本でも京都武田病院(京都市)など9病院と提携、患者の紹介を受ける。


 マレーシアを中心に世界で32病院を展開するIHHヘルスケアは先端設備を整えた病院内の診療室を医師に分譲。優秀な医師が壁を隔てて競い合う。シンガポールの拠点病院では昨年秋、PET―MRIと呼ばれる最新の診断装置を導入した。体内の腫瘍の状態を調べがんをいち早く発見する。
 同国の民間病院では初の試み。富裕層の支払いと上場で得た巨額の資金で診療水準を高める。高級ホテル出身のシェフが料理に腕を振るう系列病院のスイートルームは1泊約1万4000シンガポールドル(約108万円)だ。
 医療ツーリズムは04年に400億ドル規模だった世界市場が12年には1000億ドルを超えたという試算もある。タイの外国人患者の12年の受け入れ数は253万人と05年の2倍に膨らんだ。マレーシアも前年比15%増の67万人に達した。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)は熟練労働者の移動規制を緩和する見込み。加盟国間の医師の移動が可能になり優秀な人材の奪い合いが激しくなる可能性がある。
 こうした動きを見据え、患者を送り出す側だったインドネシアでも華人系財閥が主導して病院建設が進み始めた。インドではフォルティス・ヘルスケア・グループが台頭。インド国内にとどまらずベトナムやシンガポールなどで事業を拡大している。
シンガポール=吉田渉、バンコク=京塚環、東京=香月夏子


日本の大学の世界ランキングを大きく向上させる案(教育再生会議)

2013-05-28 17:26:29 | Weblog


「世界トップ100に10大学」 教育再生会議が提言
2013/5/28 11:16
 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は28日、「大学教育などのあり方」に関する提言をまとめ、安倍晋三首相に提出した。海外で活躍する人材育成のため「今後10年で世界の大学トップ100に10校以上」を目指して国際化に取り組む大学を重点支援することや、英語を小学校の正式教科にすることなども求めた。
 教育再生実行会議はいじめ対策、教育委員会制度の改革案を発表しており、今回が第3次提言。提言を受けた安倍首相は同日、「大学力こそ日本の競争力の源で、成長戦略の柱だ」と述べた。提言の一部は6月に政府がまとめる成長戦略に盛り込む。
 外国人教員を積極的に採用したり、英語による授業を広げたりする大学を「スーパーグローバル大学」(仮称)と位置づけ、重点的に支援することを提案。国立大教員に年俸制を導入し、外国人研究者を招きやすくすることも重要とした。
 高校の国際化の必要性にも言及。英語教育に力を入れるモデル校を全国で指定することも提案した。文部科学省は来年度から5年間で全国100校程度を指定する方針。また、世界の有力大学で入学資格を認められる「国際バカロレア」認定を受ける学校を現在の約10倍の200校に増やすことも求めた。
 小学校の英語学習の機会を広げるため、正式教科としたうえで授業数を増やすことも求めた。
 ほかにも、大学入試での英語能力テスト「TOEFL」を活用することや、大学改革を学長主導で進めるために教授会の役割を見直すこと、国際化に対応するため秋入学を拡大することなども求めた。
 同会議は6月以降、大学入試改革や小中高校を「6・3・3」で区切る学制の見直しなどを議論する。


医療の国際化進展、ロシアからの風

2013-05-28 16:11:38 | Weblog
ロシアに予防医療の拠点を開設
(平成25年5月28日 火曜日、日経新聞)

このニュースは、近年、政府と民間事業者とが一体になって、ロシア人向けに医療サービスの強化を図っていることの表れとして注目されます。
この動きに応じ、「東京通訳アカデミー」(CoolWorldExpo(株))も、ロシア語での医療通訳士講座の一層の強化に向け、多面的な活動を始める必要があります。
更に、国際交流が世界各地との間で大いに進展しつつある今日、海外からのビジネス客や観光客も目に見えて増加しつつあるため、ロシアやアジア各国などを含めた広域の国々と我が国との間で、患者やその家族などを搬送するシステム=たとえば「空飛ぶ救急車(Doctor Jet)」事業を起業する必要性が注目されるでしょう。
Tuesday, May 28, 2013
「東京通訳アカデミー」(CoolWorldExpo(株))&
協同組合クラブ・メディカル・ツーリズム・ジャパン


社会福祉法人北斗[北海道帯広市]は、本日・5月28日、ロシア・ウラジオストックに予防医療の拠点を開設する。遠隔診断システムを導入し、帯広の医師が診断することもできる。
政府は成長戦略の一環として医療技術の国際展開に乗り出したが、日本の病院がロシアで医療機関を開業するのは初めて。
「HOKUTO画像診断センター」は日本製の磁気共鳴画像装置「MRI」やコンピューター断層撮影装置(CT)などを設置。健常者を対象とした脳ドックや心臓ドックなどに加え、地元病院などの依頼による患者の画像診断にも取り組む。
難しい症例は、VPN(仮想施設網)で画像データを送信し帯広で診断を支援する。高度な治療が必要なら日本に患者を受け入れる態勢も整えた。
以上

訪日客の増加とともに進むアジア諸国との共生と連帯

2013-05-23 05:52:49 | Weblog
理念:アジア諸国との共生・連帯
手法:“Cool Education Network” の構築
(1) 岡村ゼミナール(株) 
(2) 「東京通訳アカデミー」(CoolWorldExpo(株))
(3) 協同組合クラブ・メディカル・ツーリズム・ジャパン
(4) CoolJapanExpo株式会社

≪今日のニュース≫
円安追い風 訪日外国人、4月過去最高の92万人
井出観光庁長官、ビザ発給緩和「夏までに」
2013/5/22 20:45 日経新聞
 円安で日本を訪れる外国人が増えている。日本政府観光局(JNTO)が22日発表した4月の訪日外国人客は前年同月比18%増の92万3000人と、2年9カ月ぶりに過去最高を更新した。航空会社の新規就航が相次いだ韓国や台湾のほか、東南アジアからの訪日客が急増した。政府は今夏に東南アジア向けのビザ(査証)の発給要件を緩め、訪日客の誘致を加速する。
 韓国と台湾からの訪日客はそれぞれ3~4割増えた。今年に入って日本便を就航したり、増便したりする航空会社が増えたのが寄与した。格安航空会社(LCC)のエアアジア・ジャパンは4月に名古屋―仁川(韓国)間で新路線を開設した。台湾のエバー航空や中華航空も今春、高松や岡山などの地方都市に新規就航している。経済が好調な東南アジアからの客数も約4割増えた。
 安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で日本での商機が拡大したとみて、訪日する欧米のビジネス客も増えている。グローバル企業の出張手配を手掛ける日本旅行・アメリカンエキスプレス(東京・墨田)の竹村章美社長は「社内会議を開く際に日本を選ぶ企業が増えた」と話す。特に米系投資銀行や製薬会社の日本出張が多いという。
 観光庁によると、2012年の訪日外国人の消費額は1兆860億円。政府は13年の訪日客数を前年比19%増の1000万人超とする目標を掲げている。達成すれば単純計算で消費額は2000億円増え、景気の押し上げ要因になる。
 カギを握るのが東南アジアだ。観光庁の井手憲文長官は22日の記者会見で東南アジア諸国向けビザの要件緩和は「大部分(の国)が夏までにできる」と述べた。韓国に比べて日本の発給要件が厳しいタイやマレーシアが検討対象になる。
 政府がビザの発給要件で意識するのが韓国だ。日本はタイやマレーシアからの旅客にビザの取得を義務付けているが、韓国は免除している。タイからの「訪日客」は12年に26万人と東日本大震災前の10年比で24%増えた。一方、タイから「韓国」を訪れた旅客は48%増の38万人と訪日客を上回った。東南アジアからの訪日客を一段と増やすには「最低でも韓国並みのビザ緩和が必要」(国土交通省幹部)との声は根強い。
 一方、尖閣諸島を巡る問題が尾を引き、中国からの訪日客数は4月まで7カ月連続で前年同月を下回った。訪日客1000万人を達成できるかどうかは、中国からの訪日客の回復度合いにも左右されそうだ。


≪参考資料≫No.1
• 外国人、来日しやすく 法相の私的懇談会が提言 (2013/5/20 12:31)
• 訪日外国人に高度医療を提供 阪大が「国際センター」設立 (2013/5/9 1:03)
• 来日ビザ発給、震災前上回る 12年は46%増 (2013/5/13 19:08)
• 浅草で外国人旅行客取り込め  (2013/5/3 19:20)
• 外国人客増へ海外で観光広告 政府検討 (2013/5/1 23:46) [有料会員限定]
• 3月の訪日外国人 トップ韓国、中国は3位へ (2013/4/24 21:03)
• 東南ア向けビザ緩和検討 国交相、観光集客狙う (2013/4/24 1:07)
• 国際会議誘致へ強化都市 観光庁、東京・横浜など (2013/3/5 12:28) [有料会員限定]


≪参考資料≫No.2
英語で理数、全国100高校…文科省が海外進学を促進
 文部科学省は21日、海外などで活躍する「グローバル人材」育成に取り組む高校「スーパー・グローバル・ハイスクール」(仮称)を各都道府県で指定し、重点的に支援する方針を決めた。
 数学や理科も英語で教えることなどを想定し、海外有名大学への進学も積極的に促す。早ければ来年度にも導入し、5年間で100校程度の設置をめざす。
 同省は、外国人教員や英語が堪能な日本人教員らの人件費や学習プログラム開発費などの助成に必要な経費を、来年度予算の概算要求に盛り込む意向。
各都道府県教委などを通し、全国の国公私立高校から希望校を募った上で選考する。
まずは各都道府県に1校程度指定して約50校でスタートし、順次拡大を図る方針だ。
(2013年5月22日17時59分 読売新聞)


京大、オンラインで講義を無料公開
 「edX」に国内初参加
 京都大学は5月21日、非営利のオープンソース教育プラットフォーム「edX」に、日本の大学として初めて参加し、講義を無料公開すると発表した。
 edXは、米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が昨年5月に共同で設立したプラットフォーム。両大学のほかカナダのトロント大学、中国の北京大学、韓国のソウル大学など世界のトップ27大学が参加している。
 京大は「KyotoUx」として参加。まずは、上杉志成・物質-細胞統合システム拠点副拠点長による講義「生命の化学: Chemistry of Life」を来春から配信する予定で、今夏から受講の募集を始める。
 東京大学は2月、大学講義のオンライン公開事業を展開する米Courseraと協定を結び、今秋をめどにオンライン講座配信の実証実験を行うと発表している。
(ITメディアニュース)
以上
岡村ゼミナール(株) 会長 岡村寛三郎
一般社団法人日本教育者セミナー・理事長
(医療の国際化支援)協同組合クラブ・メディカル・ツーリズム・ジャパン 


円安で外国人訪日客数が最高を記録! (4月は90万人を突破) 医療の国際化促進へ向けて朗報

2013-05-22 19:36:42 | Weblog
円安が追い風、訪日外国人が初の90万人超

 独立行政法人・日本政府観光局は22日、4月に日本を訪れた外国人旅行者数(推計)が前年同月より18・1%多い92万3000人だったと発表した。
 これまで最高だった2010年7月(87万8582人)を上回り、初めて90万人を超えた。
 円安が進んで、外国人にとって日本旅行が割安となっている上、格安航空会社の路線が充実してきたことが、旅行客増につながったとみられる。
 東南アジアを中心にアジアからの旅行者が好調で、台湾が42・5%増の19万7900人、タイが46・9%増の6万200人、ベトナムが85・6%増の1万2100人で、いずれも最高を更新した。
 東京電力福島第一原子力発電所事故の風評被害で訪日者数の回復が鈍かったドイツやフランスも、2ケタ増だった。
(2013年5月22日19時22分 読売新聞)



協同組合クラブ・メディカル・ツーリズム・ジャパン ご紹介

2013-05-18 16:47:59 | Weblog
協同組合クラブ・メディカル・ツーリズム・ジャパン

ご紹介

皆様のご清栄をお慶び致します。
さて、医療通訳士の学校「東京通訳アカデミー」から生まれた協同組合クラブ・メディカル・ツーリズム・ジャパンは、同アカデミーの優秀な卒業生(医療通訳士やメディカルツーリズム管理士など)の派遣先や就業先の開拓を目指し、平成24年春にスタートしました。
「東京通訳アカデミー」のグループ事業体として既に1年を経過しましたが、この間において、一歩一歩と地歩を固め、少しずつ派遣や翻訳業務等をこなして実績を積み上げてきています。
また、「医療通訳士技能検定試験」(1級・2級)の実施団体としての実績をも上げてきたことは皆さまもご承知の通りです。
この様に、当クラブは、「東京通訳アカデミー」の医療通訳士養成事業への支援を主な目的に活動しつつ、関連分野を広範に担当しつつ、我が国の医療分野の益々の国際化推進に寄与していく所存です。
ちなみに「東京通訳アカデミー」は、5月1日付で新しく黒神謙冶氏を経営トップに迎え、今後の発展を意欲的に模索しています。
かくて、双方が協力し合って、医療関連業界への貢献度を高めていければ誠に幸いです。
今後とも皆様のご理解とご支援をなにとぞよろしくお願いします。

平成25年5月18日 土曜日
協同組合クラブ・メディカル・ツーリズム・ジャパン 理事長 岡村寛三郎
〒101-0052東京都千代田区神田小川町3丁目8番 神田駿河台ビル8階
Tel.3233-7518、Fax.3294-7410 Email:okamura3@oksemi.co.jp



名門、武蔵中学・高校でも、科学を英語で教える計画を発表!

2013-05-18 14:31:43 | Weblog
海外大学狙い英語漬け 進学校の武蔵、5年間特訓

来夏から、他校生も 2013/5/18 13:30 情報元 日本経済新聞 電子版 記事保存


 私立の有力進学校、武蔵中学・高校を運営する学校法人、根津育英会武蔵学園(東京)は英語圏の大学への進学を目指す中高生向けに、英語だけで科学を教える5年間の課外授業を2014年夏から始める。進学に必要な英語力と、グローバル人材にふさわしい知性や教養を磨く。他の中高一貫校に参加を呼びかけ、年間定員24人で発足させる。

 武蔵は開成、麻布とともに東京の「私立御三家」と呼ばれる進学校。正規カリキュラム外の補…


「東京通訳アカデミー」からのお知らせ(経営陣の交代)

2013-05-09 07:44:13 | Weblog

謹啓
 薫風の候 益々ご清栄のこととお慶び申し上げます
さて 私儀
去る四月三十日をもちまして代表取締役社長を退任いたしました

在任中は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます

尚、今後とも一層のご交誼を戴きますようお願い申し上げます

誠に略儀ながら書中をもって御礼かたがたご挨拶申し上げます
謹白
    平成二十五年五月一日
CooLWorldExpo株式会社 
東京通訳アカデミー 岡 村 寛 三 郎

謹啓
 新緑の候 いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます
平素はご高配を賜り厚く御礼申し上げます
さて 私儀
このたび岡村寛三郎の後任として代表取締役社長に就任いたしました
つきましては はなはだ微力ではございますが職務に専心努力して参りたく存じますので 何卒前任者同様ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書面をもって着任のご挨拶を申し上げます
謹白
    平成二十五年五月一日

CooLWorldExpo株式会社 
東京通訳アカデミー

代表取締役社長  黒 神 謙 治


皆様へ
2009年の開校以来、「東京通訳アカデミー」は、極めて優秀な医療通訳士を始めとする
メディカルツーリズムに関連する高いレベルの各種の知識や技能などを有する資格者など、300名余りの多くの卒業生を輩出してきましたが、この度経営陣を刷新し、幅広い医療の国際化支援事業を通しまして事業体としての成長性を高めつつ、社会全般への貢献度を高めていく所存です。
 時あたかも、アベノミクスの一環で医療の産業化・国際化が盛んに推進されつつある今日ですが、関西圏でも下記のような動きが顕著となりつつあり、「東京通訳アカデミー」が「医療通訳士」の皆さん方と共に、益々の発展を遂げるに適した環境が全国的に醸成されつつあります。
 かくて、皆様方に倍旧のご厚情を賜りますことを伏してお願いしつつ、経営トップ交代のご挨拶とさせていただきます。今後ともなにとぞよろしくお願いします。

訪日外国人に高度医療を提供 阪大が「国際センター」設立 、「ツーリズム」事業展開
2013/5/9 1:03 日経新聞

 訪日外国人に高度医療を提供するネットワークが関西で動き出す。大阪大学は新しい医療センターを設立。国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)やりんくう総合医療センター(同泉佐野市)と連携し、アジアや中東から患者を受け入れる。高度の医療技術を活用して「医療ツーリズム」を新事業に育て、関西経済の活性化につなげる。


 中核となる阪大は8日、4月1日付で同大付属病院(吹田市)に国際医療センターを設置したと発表した。中国や韓国、中東から年30~40人の患者を受け入れる。心臓から血液を送り出すポンプ機能が弱った患者に、心筋シートと呼ばれる筋肉の培養細胞を貼る治療などを実施。英語やアラブ諸国の言語に習熟した医療通訳者を雇う。患者の受け入れから治療、治療費の支払いまでの流れを円滑化する。
 これまでも阪大病院の医師が個人で毎年20人程度の患者を受け入れてきた。ただ、言語や文化、法制度の違いから入院中や治療費の支払時に混乱が生じることがあった。
 阪大は中国、韓国、東南アジアを中心に医師や看護師を受け入れ、医療研修も実施する。同大の外国語学部などと連携し、医療通訳者を養成する。将来は海外と共同で臨床試験を進めたり、日本の医薬品や医療機器の輸出を促したりする。
 新センターはりんくう総合医療センターや淀川キリスト教病院(大阪市)と連携する。りんくうセンターでは関西国際空港への近さを生かし、長距離移動が難しい急病患者を治療。淀川病院ではイスラム教徒向けの調理所を作り、中東や東南アジアから患者を受け入れる。大阪駅北側の「うめきた」にも拠点を置く。
 日本政策投資銀行の予測では、医療ツーリズムの潜在市場規模は2020年時点で5507億円、訪問者は42万5000人。医療通訳者が不足するなど課題があり、観光庁の推計では12年は8万~9万人程度にとどまった。
 国内の他地域はこれまで、医療機関が個別に海外から患者を受け入れてきた。地域ぐるみで複数の医療機関が参加する仕組みは全国初という。

■「医療都市・関西」に厚み 経済界の後押し焦点
 大阪大学の取り組みは関西経済にも一定の追い風になりそうだ。医療などライフサイエンス分野は関西が官民で推進する関西イノベーション国際戦略総合特区の柱の一つだが、これまで認定された同分野のプロジェクトは創薬や医療機器の開発支援が中心。いわゆる医療ツーリズムが加われば「医療都市・関西」の厚みは一段と増す。
 医療ツーリズムは医療法人や製薬業界など医療に直接関連する産業以外にも恩恵をもたらすため、注目が集まっている。関西では南海電気鉄道が2010年に参入。大阪府と大阪市も今年度から、医療ツーリズムの拡大などを協議する有識者会議を開いている。
 経済団体では大阪商工会議所が「メディカル・ポリス形成プロジェクト」を今年度の事業計画に盛り込んだ。医療機器の開発支援で大商はすでに国内有数の実績を持つ。
 ただ、関西経済界は医療ツーリズムに必ずしも積極的でない。医療現場が商業主義に陥り外国人を優先すれば「国民皆保険が崩壊し、患者がデメリットを受ける可能性もある」(大商の手代木功副会頭)からだ。日本医師会も反対姿勢で、阪大は今回の取り組みを「医療の国際貢献」と表現した。阪大はイノベーション特区への追加申請する方向で検討しているが、関西経済界の後押しが得られるかどうかは不透明感も漂う。


医療の国際化進行=ロシアや中東に政府が医療センター設置計画

2013-04-21 20:43:59 | Weblog
海外での「医療センター」設置は、医療通訳士の職場の拡大

安倍晋三首相は19日、日本記者クラブで記者会見し、6月にまとめる成長戦略の第1弾を発表した。女性の活躍を成長戦略の中核と位置づけ、今年度から2年間で新たに20万人、5年間で40万人を保育する環境を整えて待機児童解消を目指す。
ロシアや中東に先端医療センターを設けるなど医療を成長産業に育てる。
金融緩和、財政出動、成長戦略の「3本の矢」で早期のデフレ脱却をめざす。
(4月19日、日経新聞ニュース)

⇒⇒⇒医療の国際化に政府も積極的!


産経ニュース:来年以降、東南アジアからは「ビザなし」入国で訪日客を2000万人に!

2013-04-18 13:12:08 | Weblog
中国から転換、東南アジア旅行客ビザを免除 自民、観光対策提言案判明
産経ニュース2013.4.18 09:54

 自民党が日本への外国人旅行者数を来年以降2千万人に増やすため、ビザ(査証)の大幅緩和策などを盛り込んだ「観光立国の実現による日本経済再生に向けた提言」案の全容が、わかった。東南アジアからの旅行客のビザを免除し、ビザの有効期限内であれば何度でも訪日できる「数次ビザ」の発給対象国も拡大する。政府が6月に取りまとめる成長戦略や、自民党の夏の参院選公約に反映させる。
 党観光立国調査会(山本幸三会長)が提言案をまとめ、政府の観光立国推進閣僚会議などに提示する。
 昨年の訪日外国人旅行者数は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化をきっかけとする中国人観光客の激減により837万人にとどまった。提言案では今年中に1千万人を達成し、来年以降の2千万人達成を目指す。
 目標達成のための柱に据えたのがビザ要件の緩和策だ。タイ、マレーシア、インドネシアの3カ国からの旅行客にはビザ取得を免除し、ベトナム、フィリピン、インドなどのアジア諸国とロシアには数次ビザを発給する。
 中国人旅行客に対しても、昨年7月から宮城、福島、岩手の東日本大震災の被災3県への訪問に限り数次ビザを発給してきたが、効果は薄いとみて「訪問地要件」を撤廃する。

 激減した中国からの旅行客に代わってアジアやロシアからの旅行客を増やすことで、地域経済の活性化や雇用の増大につなげたい考えだ。
 このほか、旅行客の満足度を高めるため、出入国手続きの迅速化や免税品目の拡充、公共交通機関の外国人向け割引制度の充実なども明記した。歴史的建造物を利用した会議が容易にできるようにするための規制緩和や、政府が進める「クールジャパン」戦略との連携強化なども盛り込んだ。

 自民党の提言案骨子
 ・来年以降の訪日外国人旅行者数2千万人を目標
 ・タイ、マレーシア、インドネシアはビザ免除。
ベトナム、フィリピン、インド、ロシアなどには数次ビザ発給
 ・入国審査官を増員
 ・訪日客に人気の高い化粧品、医薬品など免税対象品目を拡大
 ・歴史的建造物を用いた国際会議の積極的誘致
以上