ゲッチョのコラム

カマキリ広報パートⅡからゲッチョのコラムにタイトル変更しました。再開します。よろしくお願いします。

アダンサミット in 石垣島 Vol.2

2018-12-16 22:39:10 | イベントその他
アダンサミット。
会場には80を越えるシマムラ先生のお姿も。ずいぶんと前に、波照間島のお話をうかがったことがある(『田んぼのめぐみ 八重山のくらし』)。シマムラ先生は、サミット二日目、手業のワークショップの日に、各ブースをまわって、あれこれ実際に手をだしてご自分も実演をされていた。さらに、それをきっかけに島のさまざまなお話も。つきぬ話に驚嘆する。
たとえば。自分がもし80を越えたとしたら、こんなふうにつきぬ話をすることができるのだろうか。
とうていできるとは思えない。
ご自身の歴史と、島の人々が伝えてきた歴史の双方が重なり合って、先生のうちそこに堆積している。
そしてふと、会場に目をむけると、シマムラ先生を囲んで、石垣島と鳩間島出身のかたがたがなごやかに歓談している。それぞれに、つきぬ話をいだく人たちである。それが、ものすごい光景に見えた。


サミット二日間はあいにくの雨模様の天気(というか、一時かなり暴風状態)。アダンの植樹も雨の中、むりくりおこなった。というわけで、ひさしぶりの石垣島だけれど、自然のほうはほとんどみることができなかった。
会場の片付けの時間、少しの間をみつけて会場近くを散策。
会場となった体育館の壁にきていたのは、オオシママドボタル(今はヤエヤママドボタルになったんだっけ??)。

つかまえたら、乳液のようなものを分泌した。ためしになめると、ものすごい苦い。なるほど。ちなみにオオシママドボタルは、卓爾にちなんで、一時イワサキボタルと呼ばれていたときがある。
体育館脇の草地に転がる材をひっくり返したら、小さな赤いカタツムリ。「えっ?」と思ったら、これは外来種のソメワケダワラ。

これはもちろん卓爾の時代にはいなかった生き物だ。


このブログで紹介した、池間島でタマヌオイル作成にかかわっているダイちゃんもサミットで登壇した(クラウドファインディングに協力してくださった方々ありがとうございます)。ダイちゃんともあれこれ語り合う。卓爾は一生、石垣島にとどまる人生を選んだのだけれど、ダイちゃんもまた、池間島というほんとうに小さい島にこだわり、とどまりつづけている。ダイちゃんがレンタカーを借りていたので、空港まで送ってもらう。途中、街路樹のヤラブ(テリハボク)の実がたくさんおちていて、「わーっ、こんなにたくさん。もったいない。拾いたい」と言っているので、つい笑ってしまう。世界は本当に人によって、それぞれの見え方で見えているのだ。


そんなこんなで、最終便で那覇に戻る。

アダンサミット in 石垣島 Vol.1

2018-12-16 22:31:40 | イベントその他
石垣島でアダンサミットが開催。
2日間にわたり、濃い内容だった。
写真はヘチマの繊維で作った帽子。石垣島で明治から昭和初期にかけて活躍した天文屋の御主前(テンブンヤヌウシュマイ)こと、岩崎卓爾が愛用していたといわれる帽子(卓爾については『ゲッチョ昆虫記参照』)だ。石垣島在住のセツコさんらのグループが再現したのだけれど「今回、卓爾の話をするというからもってきたよ」とセツコさん。うわっ、こんなものを見れるとは・・・。僕の講演の題名は、「島々の植物利用―岩崎卓爾とアダン」で、スライドの中にはこのヘチマ帽子をかぶった卓爾の写真も登場した。
アダンサミットを運営した石垣島在住の実行委員のみなさんと、竹川先生をはじめとする北九州大学の学生スタッフ(卒業生込み)のみなさんの尽力あっての2日間だった。