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☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012)

2014年03月20日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012)

監督:アッバス・キアロスタミ
タカシ:奥野匡
明子:高梨臨
ノリアキ:加瀬亮


【作品概要】
イランの巨匠、アッバス・キアロスタミが自身以外すべて日本人スタッフ&キャストで撮り上げたラブストーリー。元大学教授の男とエスコートガールとの関係が描かれる。ヒロイン役を新鋭・高梨臨が演じ、存在感を見せつける。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にも出品され、大きな話題を呼んだ。
大学で社会学の教授をしていたタカシ(奥野匡)は、現役を引退し、80歳を超えた今では孤独の中に生きていた。ひとときでも家庭のぬくもりを味わいたいと考え、デートクラブを通して亡き妻にも似た女子大生の明子(高梨臨)を家に呼ぶ…(Movie Walkerより)。
【感想レビュー】
衝撃的でした…
衝撃過ぎて呆然とさせられるラストでした‼やっぱり先の読めない映画体験は好きです!

冒頭のBARのくだりは、雰囲気が素敵で見応えはあるものの、なかなかストーリーが展開していかないので、観ていて辛い部分もあったのですが…
そういう延々と続くように感じる会話のシーンからポーンと空気も関係性も変わっていく断層が実にスリリングでした
そういうシーンが幾つかありました
主人公が話している時、ずっと相手を映しているシーンがあるのですが、聞き手の顔に映る話し手の感情や雰囲気みたいなものも新鮮でした。
ガラス越しやカーテン越しのカットになる繋がりも印象的でした。

大小はあれど何かを抱えている登場人物達。人間ドラマを味わえる作品でした。


『長屋紳士録』(1947)

2014年03月20日 | 邦画(クラシック)
『長屋紳士録』(1947)

監督:小津安二郎
おたね:飯田蝶子
幸平:青木放屁
為吉:河村黎吉
田代:笠智衆


【作品概要】
1946年2月、日本に帰国した小津は1年の休養ののち、本作を撮ることになった。なじみの松竹専属俳優による東京下町を舞台にした人情劇ということで、戦前と変わらないという評もあったが、遠景に見える焼け野原や上野の戦災孤児を登場させたりと小津なりに当時のリアリティを出している(Wikipediaより)。東京の焼け跡に復興の家がぼつぼつ建ちはじめ、昔なじみの顔もそろってきた。数年前夫を失い続いて一子をも失ったおたねは、たった一人で昔通りの荒物屋を開いている。ある日彼女の家の裏に住む占見登竜堂先生は一見戦災孤児のような少年幸平を拾ってきた…(Movie Walkerより)。
【感想レビュー】
久しぶりの小津映画です
72分の作品とは思えない充実な内容でした。

焼け野原を背景に、今日も明日も逞しくなびく洗濯物。

おたねおばさんの超絶早口!
子どもに向かって、『シッ!』って言ったり、『メッ!』って言う時のおたねおばさんの…顔…
(こわいょ…)

海辺で一目散に立ち去るおたねおばさん!しかし猛追にあうおたねばさん…!画面をいっぱいに使って、ジクザグに砂浜を小走りに行くシーンがたまらなく面白かったです。おたねおばさんが数カットあって左斜め、右斜め、下から上~っなどと行くのに対して、少年はひたすら真っ直ぐに追いかけて来ます。そのひた向きさがいじらしくて…。子どもが多くを話さないところも良かったです。

そしてそして、笠智衆さんのキラキラ感にときめいてしまったっ
何だかとっても男性を感じる存在感でした

『長屋紳士録』のDVDをお貸しくださった映画を愛するお仲間に、感謝しつつ…。ありがとうございました