『タルロ』 Tharlo / 塔洛
中国 / 2015 / 123分
監督:ペマツェテン(Pema Tseden)
【作品解説】
『オールド・ドッグ』で第12回東京フィルメックスグランプリに輝いたペマツェテン監督の最新作。現代文明と伝統文化の相違に引き裂かれてゆくチベットの遊牧民をユーモアとほろ苦さを交えて描く。長回しの撮影と大胆な構図が強烈なインパクトを与える力作である。 (フィルメックスHPより)

【感想レビュー】@フィルメックス
昨日観て来ました

全編モノクロの映像美が際立つ作品でした。タイトルになっている『タルロ』は、主人公の男性の名前です。
冒頭、タルロが中国語で毛沢東語録を、チベット仏教の読経の抑揚に乗せて暗唱するシーンがあります。フレーズの終わりを息を吐き出すようにするのが印象的で、なんだか耳に残ります。今朝も抑揚だけ思わずハミングしてしまうほど。
この男、とにかく喋る喋る喋る
。
タルロは羊飼いで、タルロは記憶力に長けていて、タルロはけっこう無邪気にお喋りで、タルロは三つ編みで、タルロは長い間一人で暮らしていて、タルロは身分証明書を作らなきゃならなくて…とまぁ、冒頭だけでタルロに関する情報が多くて、気付けばタルロに親しみがわいています。
垢抜けないタルロが美しい町娘に色目を使われる。美しい娘が鏡越しにタルロを視る。するとあら、何だか不思議。タルロが格好良く視えてくるからあらあら不思議…と思いながら楽しく観る。
もうこの頃になると、タルロに夢中になっています
最初の方はちょこちょこと楽しいユーモアもあって、笑い声も劇場からはあがっていました
。
冒頭のシーンではあれほどすらすらと暗唱できた毛沢東語録が、ラストではつっかえつっかえ、やっとのおもいで暗唱する。アイデンティティーが自らの記憶から成り立っていることを思えば、今タルロの足元がぐらぐらと揺れているに違いない…。あんなにお喋りだったタルロはむっつりと黙り、代わりに咳だけが響く。。
チベットは周辺の国に絶えず侵略されてきたし、今尚、真っ只中なわけで…。アイデンティティーというのが作品の核になっているように思いました。チベットと中国。遊牧民の暮らしと街の暮らし。こうした対比、視点でタルロは描かれていて、そこにほのかな恋も混ざってくる。
そういったことと、映像美が両立する素晴らしい作品でした
上映後のQ&A

お話しがたくさん聞けて楽しかったです
中国 / 2015 / 123分
監督:ペマツェテン(Pema Tseden)
【作品解説】
『オールド・ドッグ』で第12回東京フィルメックスグランプリに輝いたペマツェテン監督の最新作。現代文明と伝統文化の相違に引き裂かれてゆくチベットの遊牧民をユーモアとほろ苦さを交えて描く。長回しの撮影と大胆な構図が強烈なインパクトを与える力作である。 (フィルメックスHPより)

【感想レビュー】@フィルメックス
昨日観て来ました


全編モノクロの映像美が際立つ作品でした。タイトルになっている『タルロ』は、主人公の男性の名前です。
冒頭、タルロが中国語で毛沢東語録を、チベット仏教の読経の抑揚に乗せて暗唱するシーンがあります。フレーズの終わりを息を吐き出すようにするのが印象的で、なんだか耳に残ります。今朝も抑揚だけ思わずハミングしてしまうほど。
この男、とにかく喋る喋る喋る

タルロは羊飼いで、タルロは記憶力に長けていて、タルロはけっこう無邪気にお喋りで、タルロは三つ編みで、タルロは長い間一人で暮らしていて、タルロは身分証明書を作らなきゃならなくて…とまぁ、冒頭だけでタルロに関する情報が多くて、気付けばタルロに親しみがわいています。
垢抜けないタルロが美しい町娘に色目を使われる。美しい娘が鏡越しにタルロを視る。するとあら、何だか不思議。タルロが格好良く視えてくるからあらあら不思議…と思いながら楽しく観る。
もうこの頃になると、タルロに夢中になっています

最初の方はちょこちょこと楽しいユーモアもあって、笑い声も劇場からはあがっていました

冒頭のシーンではあれほどすらすらと暗唱できた毛沢東語録が、ラストではつっかえつっかえ、やっとのおもいで暗唱する。アイデンティティーが自らの記憶から成り立っていることを思えば、今タルロの足元がぐらぐらと揺れているに違いない…。あんなにお喋りだったタルロはむっつりと黙り、代わりに咳だけが響く。。
チベットは周辺の国に絶えず侵略されてきたし、今尚、真っ只中なわけで…。アイデンティティーというのが作品の核になっているように思いました。チベットと中国。遊牧民の暮らしと街の暮らし。こうした対比、視点でタルロは描かれていて、そこにほのかな恋も混ざってくる。
そういったことと、映像美が両立する素晴らしい作品でした

上映後のQ&A

お話しがたくさん聞けて楽しかったです
