『トンブクトゥのウッドストック』
2013年/ドイツ/90分/ブルーレイ/
監督:デズィレ・フォン・トロタ
サハラ砂漠に暮らす遊牧民“トゥアレグ”が、自らの文化的アイデンティティを内外に示すべくマリで毎年開催してきた音楽祭「砂漠のフェスティバル」。その2011年の模様を詩情豊かに描いた音楽ドキュメンタリー。平和を望み、伝統と女性を尊ぶ彼ら特有の音楽が耳に心地好く響くが、現在関係者の多くが難民となっている。(ユーロスペースHPより)

【感想レビュー】@イスラーム映画祭
是非とも行きたいと思っていたイスラーム映画祭。何かの特集上映の時は混んでいることが多いのですが、いつもよりも若い客層な感じで、学生さんも多い雰囲気でした。
イスラム教といっても、多くの国で、多くの民族が信仰しているので、様々な視点で作られている映画を観ることはとても興味深く、充実しました
。
サハラ砂漠の誇り高き民、トゥアレグのドキュメンタリー。数千年にも渡り遊牧民としてサハラ砂漠を往き来して暮らしてきたトゥアレグ。
ラクダで移動するトゥアレグの一行が夕日に照らされ、まるで影絵のようにくっきりとスクリーンに刻印される。やはり砂漠の民といえば、このイメージが強いので、そこは観れて嬉しいです
伝統的な暮らしをするトゥアレグ達に息づくイスラム教について、様々な人が語ります。自分達のことを『ケル・タマシェク』と呼んでいました。
女性の比較的自由な装いに比べ、男性の方が顔を覆うように布を巻きます。目だけを出し、鼻を覆うようにするのは、厳しい砂漠の自然から体を守るためではなく、鼻が尊厳の象徴だからだそうです。鼻を守るは、つまり尊厳を守るということ。
また、古くから女性をとても大切にしているとも。女性は周囲の為に生き、与えることができる存在だから、大切にされうるべきなのだそうです。繁栄の象徴なのですね。よく、イスラム教では女性は大切にされるべき存在なのだと云われるけど、その内実は多岐に渡るのだなぁとつくづく思いました。
しかし、彼らを取り巻く環境は過酷そのもの。1960年代前後にできた国境により生活圏が分断されてしまうという弊害が、そこにはありました。水を求めて移動するも国境に阻まれるからです。伝統的な暮らしをしたいトゥアレグにも、常に水不足な環境というのは過酷を極めます。
音楽祭でも、砂漠はとても美しい。けれどもそこで暮らすことは、厳しい自然と共に生きるということなのだ、と歌われていました。
取り巻く環境の変化は、水不足だけではありません。過激派の台頭。また、自国に豊富な資源がありながら、それを搾取し続ける自国政府と西側諸国…その捻れが引き起こす紛争。。貧困は、生きていくための犯罪を生んでしまう…。負のスパイラルだ。
一方で希望もあります。教育を充実させてきた結果、若い世代には視野の広い考えを持つ人達も多いのです。若者達が口々に自らの考えを述べているシーンは印象的でした。
そして、武器からは何も生まれない。武器を楽器に持ち替えよう。そこで音楽祭なのです。自らのアイデンティティを示すため、音楽祭は外部の人に向けてもPRされ、多くの人達が訪れていました。音楽に力がある。音楽にはそのパワーがあると…胸が熱くなります。
…けれども、ドキュメンタリーで熱い想いを話していた人々の多くが、現在、紛争によって難民となっているのが現状だそうです。
繰り返される同じリズム、繰り返される同じメロディーに徐々にトランスしていくようだった。。“ラクダ置き場”が必要なトゥアレグの素敵な音楽祭が、また再開されますように…。
2013年/ドイツ/90分/ブルーレイ/
監督:デズィレ・フォン・トロタ
サハラ砂漠に暮らす遊牧民“トゥアレグ”が、自らの文化的アイデンティティを内外に示すべくマリで毎年開催してきた音楽祭「砂漠のフェスティバル」。その2011年の模様を詩情豊かに描いた音楽ドキュメンタリー。平和を望み、伝統と女性を尊ぶ彼ら特有の音楽が耳に心地好く響くが、現在関係者の多くが難民となっている。(ユーロスペースHPより)

【感想レビュー】@イスラーム映画祭
是非とも行きたいと思っていたイスラーム映画祭。何かの特集上映の時は混んでいることが多いのですが、いつもよりも若い客層な感じで、学生さんも多い雰囲気でした。
イスラム教といっても、多くの国で、多くの民族が信仰しているので、様々な視点で作られている映画を観ることはとても興味深く、充実しました

サハラ砂漠の誇り高き民、トゥアレグのドキュメンタリー。数千年にも渡り遊牧民としてサハラ砂漠を往き来して暮らしてきたトゥアレグ。
ラクダで移動するトゥアレグの一行が夕日に照らされ、まるで影絵のようにくっきりとスクリーンに刻印される。やはり砂漠の民といえば、このイメージが強いので、そこは観れて嬉しいです

伝統的な暮らしをするトゥアレグ達に息づくイスラム教について、様々な人が語ります。自分達のことを『ケル・タマシェク』と呼んでいました。
女性の比較的自由な装いに比べ、男性の方が顔を覆うように布を巻きます。目だけを出し、鼻を覆うようにするのは、厳しい砂漠の自然から体を守るためではなく、鼻が尊厳の象徴だからだそうです。鼻を守るは、つまり尊厳を守るということ。
また、古くから女性をとても大切にしているとも。女性は周囲の為に生き、与えることができる存在だから、大切にされうるべきなのだそうです。繁栄の象徴なのですね。よく、イスラム教では女性は大切にされるべき存在なのだと云われるけど、その内実は多岐に渡るのだなぁとつくづく思いました。
しかし、彼らを取り巻く環境は過酷そのもの。1960年代前後にできた国境により生活圏が分断されてしまうという弊害が、そこにはありました。水を求めて移動するも国境に阻まれるからです。伝統的な暮らしをしたいトゥアレグにも、常に水不足な環境というのは過酷を極めます。
音楽祭でも、砂漠はとても美しい。けれどもそこで暮らすことは、厳しい自然と共に生きるということなのだ、と歌われていました。
取り巻く環境の変化は、水不足だけではありません。過激派の台頭。また、自国に豊富な資源がありながら、それを搾取し続ける自国政府と西側諸国…その捻れが引き起こす紛争。。貧困は、生きていくための犯罪を生んでしまう…。負のスパイラルだ。
一方で希望もあります。教育を充実させてきた結果、若い世代には視野の広い考えを持つ人達も多いのです。若者達が口々に自らの考えを述べているシーンは印象的でした。
そして、武器からは何も生まれない。武器を楽器に持ち替えよう。そこで音楽祭なのです。自らのアイデンティティを示すため、音楽祭は外部の人に向けてもPRされ、多くの人達が訪れていました。音楽に力がある。音楽にはそのパワーがあると…胸が熱くなります。
…けれども、ドキュメンタリーで熱い想いを話していた人々の多くが、現在、紛争によって難民となっているのが現状だそうです。
繰り返される同じリズム、繰り返される同じメロディーに徐々にトランスしていくようだった。。“ラクダ置き場”が必要なトゥアレグの素敵な音楽祭が、また再開されますように…。