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【PICK UP】 『源氏物語』光源氏の邸宅「六条院」を歩く 渉成園(枳殻邸)

2018年11月24日 | 「PICK UP」から移動
※こちらの記事はwebサイト『花橘亭~なぎの旅行記~』内、「PICK UP」に掲載していたものです。(執筆時期:2004年以降。再訪・写真撮影時期:2016年)
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『源氏物語』光源氏の邸宅「六条院」を歩く>渉成園>本覚寺・上徳寺


 『源氏物語』光源氏の邸宅「六条院」を歩く
 渉成園<枳殻邸>


●所在地:京都市下京区下数珠屋町通間之町東入東玉水町
●交通 :京都駅から徒歩12分


 渉成園は真宗本廟「東本願寺」の別邸で、かつて周囲に植えられていた枳殻(からたち)の生垣にちなんで枳殻邸(きこくてい)とも呼ばれています。

 嵯峨天皇の第八皇子で『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルのひとりともいわれる源融(みなもとのとおる)の河原院を意識して作庭されたものです。河原院の苑池では奥州塩釜の風景を模して難波から海水を運ばせて塩焼きを楽しんだといいます。

 現在の渉成園の庭園は1641年(寛永18年)徳川家光から寄進を受けた本願寺宣如上人が、1653年(承応2年)、石川丈山らとともに築いた池泉回遊式庭園です。




渉成園<枳殻邸>には、印月池(いんげつち)と呼ばれる大きな池があります。



塩釜
石組みの横穴が設けられ、底に井筒があります。
形が塩を製造する「塩釜」とそれを屋根で覆う「塩屋」の様子に似ていることから塩釜と呼ばれています。



塩釜の手水鉢


源融ゆかりの塔(供養塔)









渉成園<枳殻邸>の広大な印月池(いんげつち)にはふたつの大きな島があります。これらの島は豊臣秀吉の「御土居」の跡を活かした作りなのだとか。
※江戸時代には治水を目的とした新たな「御土居」が渉成園の東側に在ったのだそうです。

四季折々、楽しめる庭園です。




渉成園の近くにある見どころ。


 文子天満宮

 菅原道真の乳母だった多治比文子にゆかりの天満宮で「天神信仰発祥の神社」という碑や文子の像があります。御祭神は、菅原道真公。

 菅原道真もまた光源氏のモデルのひとりとも言われています。






 六條院公園

 『源氏物語』ファンが思わず足をとめてしまう六條院公園という名の公園があります。
 現在の六條院公園があるあたりは、平安末期、白河上皇とその第一皇女・郁芳門院媞子内親王が過ごした六条内裏跡です。六条院とも呼ばれました。





 さて、白河院と『源氏物語』の関係といえば…1119年11月27日に三条西殿(現在のスターバックスコーヒー京都三条烏丸ビル店があるあたり)にて白河院と待賢門院璋子によって「源氏物語絵」の制作が注文されたことが知られます。
この時、発注された「源氏物語絵」が現存する国宝「源氏物語絵巻」である可能性もなきにしもあらず!?



 宗仙寺(そうせんじ)

 六條院公園のお向かいにある、宗仙寺には「籬井(まがきのい)」と刻まれた井戸があるのだとか。
そして源融の念持仏をまつる社もあるのだとか。



※宮城県塩竈市には籬島(まがきしま)という島があるのだそうで、源融の河原院の池にはそれを模した島があったと伝わります。


こののち、五条通を西から東へと進みました。
このあたりには「塩竈町」や「本塩竈町」といった地名があります。



※六条院小学校は2010年に3月に閉校されました。



 次回の記事では源融の河原院跡に建つ本覚寺・上徳寺をご紹介します。



 本覚寺・上徳寺へ続きます。



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