晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
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【平安あれこれ】賀茂御祖神社 [下鴨神社](2022年 5月27日)

2023年08月14日 | 平安あれこれ

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

2022年 5月27日のこと

京都市にある 賀茂御祖神社 (かもみおやじんじゃ)こと

通称「下鴨神社(しもがもじんじゃ)」をお参りしました。

 

ご祭神

賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと):西殿

玉依媛命(たまよりひめのみこと)   :東殿

 

下鴨神社には、上賀茂神社のご祭神 賀茂別雷大神(かもわけいかづちおおかみ)の母と祖父が祀られています。

 

賀茂社(上賀茂神社・下鴨神社)といえば 賀茂祭[葵祭]が有名ですが、『源氏物語』第9帖 葵 での「車争い」につきましては【平安あれこれ】賀茂別雷神社(上賀茂神社)で少し触れていますのでご興味がおありの方はどうぞ。

 

【下鴨神社 楼門】

 

【御手洗池】

御手洗社(みたらししゃ)[井上社(いのうえしゃ)とも]は井戸の上に建つ災難厄除けの神様。

ご祭神:瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)。

 

下鴨神社で葵祭の「御禊の儀」が行われる際、斎王代はこの御手洗池に手を浸し清めます。

 

【参拝記念 下鴨神社】

御手洗池のそばには顔出しパネルもあり、十二単と御忌衣をまとう「斎王代」気分になれます✨

 

【水みくじ】

下鴨神社みたらし授与所では「みずみくじ」があります。

このおみくじを御手洗池に浸けると…占い結果が浮かび上がって表示されるのでした。

※写真は水に浸す前

 

【下鴨神社 言社・中門】

言社(ことしゃ)は七つのお社に 干支(えと)[十二支]を守る神様がそれぞれ祀られています。

自分の干支を探す楽しみも。

西殿 賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と東殿 玉依媛命(たまよりひめのみこと)への一般の参拝者は中門からお参りします。

 

【相生社(あいおいのやしろ)】

下鴨神社楼門前にある相生社も忘れずお参りしたいところ。縁結びの神様です。

このご神木は「連理の賢木」と呼ばれ、2本の木が途中から1本に結ばれている不思議な木。

 

【縁結びおみくじ】

相生社隣りの授与所では『源氏物語』にちなんだ「縁結びおみくじ」も。

袿を重ねたようなデザインです。

この日、私がひいたのは「常夏」で占い結果は「吉」でした。

相生社や連理の賢木の解説、占い結果と『源氏物語』「常夏」に登場する和歌が印字。

他の「縁結びおみくじ」も『源氏物語』の各帖と和歌がそれぞれ選ばれているのでしょうね✨

素敵ですー!

 

 

源氏物語に登場する賀茂御祖神社[下鴨神社]と糺の森


『源氏物語』第12帖 須磨 において 右近の将監の蔵人(うこんのぞうのくろうど)が詠んだ歌

 

 ひき連れて葵かざししそのかみを

  思へばつらし賀茂の瑞垣

 

 [現代語訳:お供をして葵を頭に挿した御禊の日のことを思うと御利益がなかったのかとつらく思われます、賀茂の神様

 

 

 

同じく『源氏物語』第12帖 須磨 において光源氏が詠んだ歌

 

  憂き世をば今ぞ別るるとどまらむ

   名をば糺の神にまかせて

 

 [現代語訳:辛い世の中を今離れて行きます、後に残る噂の是非は、糺の神にお委ねして

 

【本文・訳は渋谷栄一氏のwebサイト『源氏物語の世界』より引用】


 

京から須磨へ下る前、光源氏は5~6人ほどの従者を連れて「賀茂の下の御社(みやしろ)こと、賀茂御祖神社[下鴨神社]を遥拝しています。

従者のひとり右近将監の蔵人は、4年前に光源氏が供奉した賀茂祭の斎院御禊の日[『源氏物語』第9帖 葵]を思い出しました。

フタバアオイを冠に挿した晴れがましい斎院御禊の日と今の状況を比較して無念さが表れています。

 

一方、光源氏は「憂き世」(=京)を離れるけれども自身は無実である、と。

歌では「名を正す」と「糺の神」(=下鴨神社の神)の意をかけているそう。

 

さて。

肝心の下鴨神社の糺の森ですが…

写真を撮るのを忘れました

木々の緑が鮮やかで参道を歩くと清々しい気持ちになれます。

 

糺の森では縄文時代の祭祀場跡が発掘されているのだとか。

古くから信仰の地だったのでしょうね

 

 

 

【参考】

鈴木一雄 監修/日向一雅 編『増補改装 源氏物語の鑑賞と基礎知識』須磨 至文堂 2001年

下鴨神社|賀茂御祖神社 公式ホームページ

 

 


 賀茂御祖神社[下鴨神社]

  京都市左京区下鴨泉川町59

  https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

 


 

 

 


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【平安あれこれ】賀茂別雷神社[上賀茂神社] (2022年 5月27日)

2023年08月10日 | 平安あれこれ

平安時代好きブロガーの なぎ です。

 

2022年 5月27日のこと。

京都市にある 賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)こと

通称「上賀茂神社(かみがもじんじゃ)」をお参りしました。

ご祭神は 賀茂別雷大神(かもわけいかづちおおかみ)。

 

【一の鳥居】

【上賀茂神社 楼門】 本殿は楼門の奥にあります

 

5月の賀茂社(上賀茂神社・下鴨神社)といえば、葵祭が有名ですよね。

葵祭はかつて「賀茂祭」と呼ばれており、賀茂社(上賀茂神社・下鴨神社)の例祭です。

古代には単に「祭」といえばこの「賀茂祭」を指していたのだそう。

 

 

『源氏物語』第9帖 葵 において

「祭」を前にして、賀茂斎王が鴨川で禊(みそぎ)をする「御禊(ごけい)」の日の供奉(ぐぶ)には、特に世評が高く容姿がすぐれた人々が選ばれました。

その上、朱雀帝の特別な思いがあって、光源氏までも御禊の行列に加わることとなり、貴賎を問わず見物への一般の関心がより高まりました。

この御禊の行列での光源氏の晴れ姿を見るべく、一条大路にて光源氏の正妻・葵の上と恋人・六条御息所が牛車を停める場所取りをめぐり「車争い」がおきたことが知られます。

 

※賀茂斎王=天皇の代わりに賀茂社に仕える皇族女性。占いで選ばれます。「賀茂斎院」とも。

 

 

 

紫式部ゆかりの片岡

【上賀茂神社 摂社:片山御子神社】

上賀茂神社の摂末社のひとつで楼門の近くに鎮座する、片山御子神社(かたやまみこじんじゃ)[通称:片岡社]には上賀茂神社のご祭神 賀茂別雷大神の母神である賀茂玉依姫命(かもたまよりひめのみこと)が祀られています。

 

 


紫式部の家集『紫式部集』より (13)

 

   賀茂にまうでたるに、ほととぎす鳴かなむといふ

   あけぼのに、かたおかの木ずゑをかしうみえけり

 

 時鳥声まつほどはかたをかの

  森のしづくにたちやぬれまし

 

[現代語訳: 上賀茂神社に詣でたときに、「時鳥が鳴いてほしい」といった曙に、片岡社の森の木末が神々しくみえた。

時鳥の声を待つ間は、片岡の神の社の森の雫に立ち濡れたいものです。

 

【本文・現代語訳は『新訂版 紫式部と和歌の世界 一冊で読む紫式部家集 訳注付』(上原作和・廣田収 編)より引用】

 

※木末(こぬれ):木の枝の先端。こずえ。


 

現在、片岡社の賀茂玉依姫命は 縁結び・恋愛成就・家内安全・子授け・安産 の神様として有名とのこと。

上賀茂神社ではそれにちなむ「縁結び」の絵馬も授与されています。

【片岡社 縁結びの絵馬】

時鳥(ほととぎす)や十二単を着た紫式部と思しき女性の後ろ姿が描かれ、紫式部の和歌「ほととぎす~」も記されています。

絵馬のかたちは「葵」の葉。ハート型にも見えますよね!

 

【手水舎にあった葵】

ハートの形?

 

【境内にある紫式部歌碑】 先にご紹介しました「ほととぎす~」の歌です。

 

【御手洗川】

上賀茂神社で葵祭の「御禊の儀」が行われる際、斎王代はこの階段から御手洗川に両手を指先から入れて身を清めます。

 

 

上賀茂神社境内には、『百人一首』で知られる 従二位家隆の歌碑も。

【歌碑】

上賀茂神社の説明板より↓


  風そよぐならの小川の夕ぐれは

   みそぎぞ夏のしるしなりける

 

    (藤原家隆卿)

 

小倉百人一首の古歌で有名な「ならの小川」で平安の昔、神職がみそぎを修していた情景を詠んだものである。

この辺りを「ならの小川」と称する。


 

 

…というわけで、見どころ満載の上賀茂神社でした。

大好きな神社です。

 

【お休み処】

上賀茂神社参拝後は、お休み処で「神山湧水珈琲」とやきもちを食べてひと休み。

アイスコーヒーのほろ苦さとやきもちの甘さにほっとしましたー。

 

 

 

 

 


 賀茂別雷神社[上賀茂神社]

  京都市北区上賀茂本山339番地

  https://www.kamigamojinja.jp/


 

 

 

 

 

 


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