太宰府でのこと。
このブログ記事は、
九州国立博物館「大公開!沖ノ島展の舞台裏 プレミアム座談会&内覧会」 その1
の続きです。
座談会終了後、
特別展「宗像・沖ノ島と大和朝廷」の会場へ移動。
休館日であったため、参加者のみの貸し切り状態で
ゆったり鑑賞することができました。
スタッフの方々に気軽に質問できるのもありがたかったです。
尚、掲載している写真は
九州国立博物館から特別な許可をいただいて撮影しております。
転載はご遠慮くださいね。
■内覧会
特別展の構成は、以下のとおりです。
第1章 歴史をつなぐ海原
第2章 神話の風景
第3章 神宿る島の源
休館日の入口の様子。
第1章 歴史をつなぐ海原
展示会場に入って最初に目に飛び込んできたのが
大阪府藤井寺市の岡古墳や奈良県葛城市の寺口和田1号墳で出土した「船形埴輪」です。
関西でこのような埴輪が出土したことにロマンを感じますね。
古墳時代の人々は船にどんな思いを託したのでしょう。
奈良県三宅町で出土した「椅子に座る男子形埴輪」
福岡県福津市、奴山正園古墳で出土した「勾玉」。
沖ノ島祭祀を担った豪族である宗像君(むなかたのきみ)がもっていた装飾品です。
美しい!!
三重県松阪市の宝塚1号墳で出土した船形埴輪の復元品。
埴輪から当時の航海の様子がどんなだったか想像がふくらみます。
大阪府高槻市の今城塚古墳で出土した石棺片。
淡いピンク色をしていることから「阿蘇ピンク石」と呼ばれているそうです。
熊本県宇土市でしか採れない貴重な石が1,000kmを超える航海の末、運ばれたのだとか。
今城塚古墳は継体天皇が葬られたと目されており
私も行きたいと思っている古墳です。
その石棺片を見ることができて嬉しかったです。
第2章 神話の風景
先ほど座談会会場で拝見したイラストが拡大して展示されています。
こちらは国産みの様子。
奈良県御所市のオイダ山古墳で出土したミニチュアかまど。
古墳におさめられたミニチュアのかまどで
実用のかまどの3分の1ほどの大きさ。
可愛いです。
奈良県御所市の南郷大東遺跡で出土した琴(こと)。
五弦の琴だそうです。
どのような音を奏でていたのでしょうね。
当時の楽器にも興味を惹かれます。
大阪府藤井寺市の狼塚古墳で出土した導水施設形埴輪
大和を中心に発見されている水の祭場(さいじょう)を模した埴輪。
古墳時代にこのような施設があったことに驚きます。
伝・埼玉県本庄市の生野山古墳群で出土した盃を掲げる女子形埴輪
祭祀儀礼の動作を模しているのだとか。
この埴輪の髪型は「島田髷」です。
どんな髪の結い方なのか気になります~。
埴輪の誕生。
イラストがほのぼのして素敵。
この文章に出てくる野見宿禰(のみのすくね)は土師氏(はじし)の祖。
九州国立博物館に隣接する太宰府天満宮のご祭神・菅原道真で知られる
菅原氏は土師氏の子孫でもあります。
群馬県伊勢崎市下触町で出土した鍬をかつぐ農夫形埴輪
伝・埼玉県行田市の埼玉古墳群で出土した冠帽(かんぼう)をかぶる男子形埴輪
伝・埼玉県行田市の埼玉古墳群で出土した甲冑を身に着ける武人人形埴輪
伝・埼玉県行田市の埼玉古墳群で出土した襷掛けの衣装を着た女子形埴輪
埼玉県児玉郡美里町で出土した正装する男子形埴輪
これらの埴輪から当時の服装や髪形の様子が伺えて興味深いです!
馬形埴輪
豪華な馬具を装着した馬の埴輪です。
「おーい!はに丸」に登場していた“ひんべえ”を思い出します。。
犬形埴輪
威嚇する姿を表した猟犬だそうです。
第3章 神宿る島の源
奈良県天理市の黒塚古墳で出土した三角縁神獣鏡
こっそりドラマ『鹿男あをによし』で「サンカク」と呼ばれていたことを思い出していました。
このドラマ、大好きだったのです。
実際に黒塚古墳の三角縁神獣鏡を見ることができて嬉しかったです。
波の向こうに沖ノ島が見える展示演出!
沖ノ島に上陸する前に禊をするイメージ。
鳥居の展示演出。
いざ、沖ノ島へ!!
福岡県宗像市の沖ノ島18号祭祀遺跡で出土した国宝、三角縁神獣鏡
三角縁神獣鏡は大和を中心に分布する青銅鏡であり
大和朝廷と沖ノ島の関係を象徴する宝物です。
伝・福岡県宗像市の沖ノ島で出土した国宝、金銅製高機(たかはた)
高機を模したミニチュアですが実際に布を織ることができるそうです。
伊勢神宮に奉納される高機と共通したものが、
沖ノ島祭祀の奉納品として納められていたことがわかります。 まとめ。
このような素敵な座談会&内覧会にお招きいただき
貴重な時間を楽しく過ごすことができました。
九州国立博物館のみなさまに心より感謝申し上げます。
宗像(胸形)氏や宗像三女神についての展示や解説も欲しかった気もします。
宗像大社は何度も訪ねたことがあり、ご神宝もまた何度も見たことがあるので
私にとって新鮮な発見はあまりなかったものの展示の素晴らしさに魅せられました。
今回の特別展では、関西を中心に同時代の出土品を
たくさん見ることが出来て感動しました。
沖ノ島と大和朝廷との交流もうかがえますね。
古墳時代における沖ノ島の古代祭祀と同じ時代の国内での出土品と韓国での出土品で
構成された展示ということで着眼点がおもしろく内容も充実していました。
この特別展「宗像・沖ノ島と大和朝廷」は
3月5日(日)までの開催です。
お近くにお住まいの方もそうでない方もぜひどうぞ。
太宰府でのこと。
福岡県太宰府市にある九州国立博物館では現在
特別展「宗像・沖ノ島と大和朝廷」を開催中です。
※九州国立博物館 公式サイト
⇒ http://www.kyuhaku.jp/
⇒ http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s46.html
2017年2月20日(月)、
九州国立博物館にお招きいただいて
大公開!沖ノ島展の舞台裏
ブロガーのためのプレミアム座談会&内覧会 に
参加してまいりました!!
当日、月曜であったため休館日だった九州国立博物館。
通用口からご案内いただき普段は入れない会議室へ。
■座談会
会場では、展示に使われていたイラスト原画がずらり!
じっくり原画を拝見してきました。
(この記事の最後にそれぞれのイラストを撮らせていただいた写真を掲載しています)
登壇者のみなさま
・展示デザイナーさま
・イラストレーターさま
・特別展「宗像・沖ノ島と大和朝廷」学芸主担当さま
司会
・九州国立博物館広報課主事さま
九博スタッフのおふたりは古代衣装での登場です!素敵。
座談会では、展示レイアウトの構想から完成するまでや
展示用イラストのラフから完成するまでの過程をそれぞれ拝聴しました。
展示をご覧になるお客様が快適に楽しめるよう
工夫が盛りだくさんなのですね。
例えばこのイラストの場合・・・
最初に学芸主担当さまがラフ画を作成。
それをもとにイラストレーターさまが下絵を描かれて
歴史的な部分や色合いなど細部を打ち合わせしながら
一枚の絵を完成させたのだとか。
さらに、特別展会場の案内役であるキャラクター、“ドリー”。
この“ドリー”が展示会場内や展示物の紹介をしてくれています。
実は・・・
完成するまでにこんなにたくさんの案があったのだとか。
すごいです!
また、男性スタッフの皆さまが沖ノ島へ
実際に行かれたエピソードも興味深かったです。
さすが「神宿る島」!
舞台裏のお話をいっぱい見聞きできて幸せ。
この後の内覧会がよりいっそう楽しみになりました。 以下は、座談会会場に並べられていた展示用イラストの原画です。
国産み
黄泉の国
天(あま)の真名井(まない)
御神酒のはじまり
古代の神宝
埴輪の誕生
埴輪の馬
古代の忠犬
実物の原画は写真では表せないほどにとても美しかったです。
原画は私が想像していたよりも小さなサイズで描かれていたことにも驚きました。
実際の展示ではかなり大きかったのでした。
※この記事に掲載している写真は九州国立博物館より特別な許可を得て撮影したものです。
転載はご遠慮くださいね。
内覧会での様子は次の記事へ続きます。
2016年11月7日(月)に九博へ行ってきました。
福岡県太宰府市、
九州国立博物館で開催中の
特別展「京都 高山寺と明恵上人 鳥獣戯画」の感想です。
10月9日(日)に九博で行われた関連イベント
特別講演会「鳥獣人物戯画の謎」を拝聴した私。
この日は、体力がなかったため講演会だけ拝聴して特別展は見ていなかったのでした。
今日は朝早くに家を出発して午前8時30分頃には西鉄太宰府駅に到着。
九州国立博物館に着いた頃には開館前であるにもかかわらず
たくさんの方が並ばれていました。
(早くに着いたのでベンチに座って待つことができたのはラッキーでした)
※当ブログは、九州国立博物館の第40回「ぶろぐるぽ」にエントリーしています。
以下の展示写真は、九州国立博物館より提供いただきました。
会場では前期に展示されていた「鳥獣人物戯画」甲巻の水遊びをする場面がお出迎え。
後ろ向きに川に飛び込むウサギが可愛くて好きです。
今回の展覧会、「鳥獣人物戯画」がメインとあって
長い絵巻を広いスペースで楽しめるのがよいですね。
ただ、多くの方が見に来ているため立ち止まってじっくり見られなかったのが残念。
実物の絵巻の墨の濃さや筆のタッチにうっとりでした。
擬人化された動物たちや想像上の動物、人間がそれぞれ
活き活きと描かれていて楽しい気持ちになりますね。
ウサギとサルの追いかけっこ
ささらを手に舞い踊るカエルが可愛いです。
市女笠をかぶったキツネは身分が高いのでしょうか。
ウサギとカエルの相撲ではカエルが反則勝ち。
まわりのカエルたちが喜んでいるのがコミカルです。
カエルのご本尊を前にお経を唱えるサルの僧正。
貴族男性たち
牛車から下りる貴族男性
麒麟
象たち
見に来ることができて本当によかったです!!
多くの方が「鳥獣人物戯画」のうち甲巻を熱心に見ていらっしゃったようですが
乙巻・丙巻・丁巻も興味深い絵なのでこの機会にじっくり見たいものです。
欲を言えば
「鳥獣人物戯画」のうち前期展示でしか見られなかった部分も
写真パネルでいいので後期展示において同時に見られたらもっと嬉しかったかも。
特別公開の「鳥獣人物戯画」のコーナーを見てから
第一章 青年期の明恵
第二章 高山寺の歩み
第三章 明恵追慕
といったコーナーが始まるのでした。
「鳥獣人物戯画」のコーナーに比べるとゆったり見ることが出来ました。
京都の高山寺は昔、一度だけ訪ねたきりなので懐かしく思います~。
小さいながらも素敵なたたずまいの釈迦如来坐像。
左:神鹿/右:馬
神鹿と馬も可愛かったです。
馬はずんぐりむっくり。日本古来の馬ならではですね。
子犬!!
今回、「鳥獣人物戯画」の次に楽しみだったのがこの「子犬」に会うことでした。
思わず撫でたくなる愛らしさ。
高山寺の風景写真。
一枚の板のオモテとウラにそれぞれ印刷されていてびっくり。
遊び心があって素敵です。
特別展の会場をあとにして、4階の文化交流展示室へ行きました。
土器にドキドキ。仏像にうっとり。遣唐使船に憧れを覚えます。
九州国立博物館内では、こんなパネルも!!可愛い!
九州国立博物館をあとにして
昼食後、太宰府天満宮を参拝しました。
太宰府天満宮の境内には「麒麟像」があります。
現在、「鳥獣人物戯画」の後期展示で見られる麒麟と見比べてみてはいかがでしょう。
太宰府天満宮では「菊花展」も開催中。綺麗でした。
太宰府でのこと。
九州国立博物館の第40回「ぶろぐるぽ」にエントリーするにあたり
ブログ記事に掲載してもよい写真を九州国立博物館から提供いただきました。
以下の写真は、
九州国立博物館の特別展「京都 高山寺と明恵上人 - 特別公開 鳥獣戯画 -」において
前期に展示されていた『鳥獣人物戯画』の様子です。
※後期展示では見ることが出来ません。
後期展示も見どころいっぱい。
この特別展は、11月20日(日)までです。
私は11月7日(月)に見に行ってきました。
とてもよかったです。
ぜひ、九州国立博物館へGO!
太宰府でのこと。
現在、九州国立博物館にて特別展「京都 高山寺と明恵上人 鳥獣戯画」が開催中です。
関連イベントのひとつとして、特別講座「鳥獣人物戯画の謎」が行われ拝聴してきました。
講師は、絵巻物の研究者として知られる
学習院大学教授の佐野みどり先生。
興味深いお話が展開されとても充実した時間を過ごすことができました。
<個人的メモ>
『鳥獣人物戯画』と『源氏物語絵巻』で似ているポイント
・秋草の描かれ方が似ている。
・『源氏物語絵巻』での襖に大和絵が描かれていますが、その岩の描かれ方が『鳥獣人物戯画』での描かれ方に似ている。
『鳥獣人物戯画』において描かれている「遊び」は
都市の遊びではあるけれども宮中の遊びは登場していない。
特別展「京都 高山寺と明恵上人 鳥獣戯画」は
連休中ということもあり、あまりの人の多さで見学を断念。
※私の体力がないため
後日、改めて見に行きます!
■鳥獣戯画のグッズコーナーにて購入。
クリアファイルとチケットケース、マスキングテープ。
■ミュージアムショップにて購入。
梅こぶ茶。好物なんです。
九州国立博物館、オープンカフェにて和菓子セットにほっこり♪
夕方、博物館の外では睡蓮がひっそりと咲いていました。
10月の睡蓮。