散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

NHKは大河ドラマで足利義満を主役にする計画を持っているのだろうか。

2018年10月31日 | ドラマ
足利義満をTVドラマで演じた俳優はネットで調べる限り一人です。一休さんの東山紀之さん。ドラマではなく歴史番組の再現シーンで「誰も知らない役者さんが演じている場面」は除きます。

「ヒストリア」で足利義満を妙に「持ち上げて」いました。もしかすると大河の主役にする計画があるのかな、とふと感じました。

義満は皇位簒奪を目指していたと言われます。皇位とは天皇位ではなく「治天の君という立場」です。室町時代ですから「天皇号の簒奪」はありえません。天皇号は使われていないからです。平安から江戸にかけて900年ぐらい、天皇号は使用されていませんでした。

「そんなことはない、皇位簒奪なぞ考えていなかった」と「ヒストリア」に出てきた学者さん、呉座さん(著書、応仁の乱が意外に売れている)、は言っていました。

国王を名乗ったのは貿易における便宜的使用。国内に向けてはそのことを吹聴していない。息子を皇太子にしようとはしていない。親王待遇にしただけである。

という説だったと思います。

足利義満は、大河ドラマはおろか歴史TVドラマ(一休さんは除く)においても「一回も登場したことすらない」のです。金閣寺を作ったし、教科書にも重要人物として載っているにもかかわらず。

大河ドラマは皇族を主人公にしません。藤原氏等の「生粋の公家」も主人公にしません。平安時代をほとんど扱いません。室町時代もほとんど扱いません。

室町初期では大河「太平記」、足利尊氏が主人公。後醍醐天皇が副主人公格です。画期的な作品とも言えます。あと「花の乱」では日野富子が主人公。さらに画期的で純粋に室町時代を扱いました。いい作品です。室町時代を扱うと視聴率がとれないという説の根拠はこの「花の乱」14%という数字だけです。1作品のみが根拠です。しかもこれは「実にいい作品」です。「鎌倉から南北朝時代」を扱った「足利尊氏もの」、つまり「太平記」は26%と高い視聴率を誇っています。

平安時代は「風と雲と虹と」が平将門。「炎立つ」では奥州藤原家。大河が平安時代を扱ったのはこの2作品、それと「源義経」「新平家物語」「義経」「草燃える」「平清盛」を加えて計7作品です。しかし「義経もの」「草燃える」は「鎌倉時代が主」、「清盛もの2作品」も「炎立つ」も平安最末期。純粋に平安時代を扱ったのは「風と雲と虹と」だけといえましょう。

ということで「源平時代を除く平安時代は扱わない」「室町時代も基本扱わない」(戦国時代は扱う)が大河の「やり方」です。

まあ足利義満大河主人公の実現は遠いかも知れません。皇位への「そんたく」もありますが、「義満以外の登場人物が全く知らない人物となる」こともそう考える要因です。「花の乱」もそうでした。富子、義政、山名宗全、細川勝元、一休宗純ぐらいが「有名人」であったにすぎず、そのせいもあって「いい作品」なのに14%です。

そもそも「足利義満は、一休さんで1回しかTVドラマに登場したことがない。当然主人公になったこともない。」「大河では1秒も登場したことがない」わけで「ご存知の名シーン」も全く存在しません。「太平記」の最終回に「やがて三代義満で南北朝が統一された」とナレーションが流れます。「よしみつ」という名が登場したのもおそらくこの1回だけです。とにかく「意地でも登場させない」がTV界の「やり方」みたいです。

足利尊氏、義詮、義満の「足利三代」を描けば、当然鎌倉幕府の滅亡、南北朝分裂、その統一、国王問題、皇位簒奪説の真偽も扱われるわけです。これほど勉強になる作品はないと思えるだけに残念です。

なお「ドラマはフィクションだから勉強にならない」は少し違うと思います。「ドラマを見て、史実との違いを調べる」「調べなくても誰かが調べてネットに書く」から、当然「勉強になる」のです。




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