KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

スパイラー×ワルギルガー1

2010年03月11日 | 特撮・SF





●ゾーングレイト「おもちゃの叛乱だ!!」
ゾーンジュニア「ガロガがオモチャ箱から攻めてきた!」

ここでゴジラの咆哮!

ジュニア「でも大丈夫だ!みんなが知ってるゴジラが味方!」
ナレーター「さあ今度から出るよ!みんなで見よう!!」
(第4話予告)

つーわけでタコフェバリット作品のりゅせいにんげんゾーン。
なんとマーミットさんが第4話に登場する印象的な
恐獣スパイラーをリリースしたということで
ここは恐獣シリーズ続投応援企画でもやってみっかと。

名づけて流星人間ゾーン・スパイラーまつり!




●恐獣ワルギルガーと強力タッグで地球を攻撃しにきた
スパイラー。しかもスパイラーの実体は防人ファミリーの
長女、蛍(ゾーンエンジェル)の幼馴染み、幸雄でもあった。

右がスパイラー。超獣デザインを経由して東宝の
「ゾーン」に参加して、Aに引き続き装飾過剰
デコラティブで子供目線で「強そう」な恐獣デザインを
生み出した井口昭彦氏の傑作デザインのひとつ。
マーミットさんはイボイボディティールで
ボリューム感のあるスパイラーをバランスよく
立体化している。




●スパイラー迎撃用というかお迎え用に
去年塗っといたSECRET BASEのSPACE PATROL改のゾーンジュニアと
アストロミュータン改のゾーンファイター。
アストロミュータンは流星人間ゾーンのオリジナルトイを
出していた中島製作所のアストロミュー5をリスペクト
というかインスパイアしているようなところがあるので
そこに引っ掛けてカスタムしたりなんかしてみました。


弟のゾーンジュニアはピースランドからの
ガロガのホロコーストから脱出する
時の長旅で宇宙線にやられ変異し、変身時は
ヘルメットの中から宇宙の蛮族のような
ミュータントチックな異形に変わっているという
カスタム設定。






さらにそんなこんなでカスタムしているとなんとなく
モチベーションの上がるブツが手元にやってくるもので、
ゾーントイの本家中島製作所からリリースされていた
ゾーンエンジェルインタラクティブドール
(お腹を押すと頭がカクカク動く
おじぎ人形ってやつね)のジャンクを安くGET.
服の中はどんなんなってるのかな?と思い
剥いてみたところ、なんだか占領下の日本から
輸出されていたセルロイド人形みたいな体型の
おねえちゃん人形が出てきたんですが、
あまりに中のヒトの佇まいが無味乾燥なので
別に行かないけど「ボッタクリバーで
だまされた気分」てこんな
感じかなとかなんだか
さびしい気持ちになってしまい、

このゾーンエンジェルコスを今風のフィギュア
風にリファインしたらどうじゃろう?と
しょーもないことを思いつき、実行。
仮面ライライのドールが出るような時代なんだし
ゾーンエンジェルといえば昭和特撮のカリスマ
ヒロインなのだし(本当かよ?)
ええじゃろう!

ママチャップトイサマの似てないふたごシリーズの
ひな・ひよのねえちゃんの方、ひなに着せて
みせたところ、なにやら萌えドールみたいな
ゾーンエンジェル完成。こういうのも
カスタムというんだろうか。









さらに敵のガロガのようなものもカスタムで作れないかと
思い(込み)、おしいれのマウンテンサイクルを
掘ってみるとCRONICさんと
先日のワンフェスで双音怪獣ステレゴンを
リリースしたばかりのNERDONEさんが
3年くらい前にコラボレーションで発売した
キットがあった。ツインテールでドクロ顔なら
ガロガじゃん!ということで有言実行シスターズ
シュシュトーリア~ン♪てなわけで、たちまち
ゴールドガロガに変身。

ゴールドガロガ「土地ころがしに失敗した奴は
即刻処刑だ!!我呂我不動産万歳!
もっとアキバにメイド喫茶と
絵売り画廊を増やしてどんどん貸し倒れさせて
土地価格を膨張させるのだ!
暴れろ土食い恐獣ザンドラ!!リボダラガロガ!!」

アストロミュータンゾーンファイター
(名前長すぎ)「うぬう、ピースランド星
のみならず地球に来ても地上げするとは
ガロガはやはり悪魔のような奴!ぼくたちの街は
向こう三軒両隣で同じ系列のコンビ二を建てさせられて
気づけばコンビニ同士で共食いになりまんまと
敷金を巻き上げられ星を追い出されたんだ!」

とかなんとか。実はそんな理由で
本編劇で描かれてない星間戦争が
始まったりとかだったら笑うケド。







相方のワルギルガーは昭和80年代にオレンジ(アーク)
からリリースされたものが90年代後期の
怪獣ソフビブームの時に復刻されたもの(バンダイ製)。
昆虫系の恐獣なのに顔が馬のよう。

…なんだけど今回スパイラーと並べていたら、
これはこれでハッチのおともだちの昆虫というか
BWANAタソの描くふしぎな湿地帯の生物みたいで
愛嬌あるんじゃない?とふと。もちろんテレビに出てるのと
忠実な造形のワルギルガーもほしいですけどね。



アークのゾーンソフビは
初期話数のジキロとかデストロキングみたいな
複雑なデザイン・造形のキャラクターは困難とみたのか
このワルギルガーのほかにはバルガラスとかドラゴンキングとか
やや地味目の恐獣の立体化が多い。ザンドラは元がドリル
頭なのに目鼻がついててコミカルにアレンジされていたのが
面白かったな。

もちろん現代では
インディーズメーカーのゆたりさんによって
造形的に複雑なジキロもデストロキングも
ソフビ化されるという快挙があった。
またアークのザンドラにそっくりな
キュートなデフォルメソフビをキャラクティクスさんが製品化
してくれたりしている。



可能であればほかの未ソフビ化の
恐獣たちも現代のメーカーさんの手により
これからも機会を見て製品化を期待したいところ。
デコラティブな恐獣・Aの超獣はソフビの製品化技術が
向上した現代でこそ製品化されるハズ!と彼らはさらなる
地球襲撃のチャンスを刻を超えて待ち続けていたのだ。。。!

スパイラー×ワルギルガー2

2010年03月10日 | 特撮・SF
スパイラーまつり、後半戦は
フィルムストーリーいってみよー。
(つか、このブログの1個あたりの記事制限字数は1万字なんだと。。。
通しで入稿したらシステムにEJECTされた。
タコにはこの仕様は生ぬるすぎるZE)



ゾーンが2大恐獣に挟み撃ちにされて
大ピンチに陥る4話「来襲!ガロガ大軍団」。
初めてゾーンに助っ人として
ゴジラが登場、放映前にテレビマガジン
などの月刊誌で事前記事があおりまくり
子供たちはわくわくしてその日を待った。
4話だったのか~。ずいぶん引っ張るね。







冒頭のワルギルガー対ゾーンファイターの
初戦。光と蛍の運転する車の前にたちふさがる
ワルギルガーの襲撃シーンは車のフロントガラスに
カメラ位置があり、ミニチュアの道路上で
踏み潰そうとするワルギルガーの足が見えるなど
迫力のあるチェイスシーンを展開。
またエースバリアに匹敵するゾーンバリアで
火炎噴射を交わす場面など、ミニチュアワーク、
光学合成双方で、劇場のゴジラにも劣らず、
本家ウルトラに肉迫しようとばかりに
初期話数からモチベーションの高い
特撮シーン満載の回だ。







後半戦のワルギルガーによる
東京襲撃シーン。東宝自衛隊の
戦車部隊と航空機隊がワルギルガー相手に
攻撃開始。主人公の防人ファミリーが
戦闘チームとなっており、
地球サイドには特定の怪獣攻撃隊が登場しない
この作品だが、ゴジラセカイと地続きで
ハードな怪獣と自衛隊の死闘が展開する。






やっと蛍~。
地球に飛来した新たな
恐獣カプセル、そして突然、ワルギルガーの
襲撃を受けた防人ファミリーの
危機を救いに現れたピースランド人の
生き残りにして蛍の幼馴染みである、幸雄。
彼は防人ファミリーの家に住み込んで
おもちゃの設計を手伝いはじめるが、
そのおもちゃは何かとヒトを傷つけたり
戦争を想起させる殺伐としたものばかりだった。
父「昔の彼とは何かが違う」
蛍「ひどいわお父さん、幸雄を疑うなんて」


「流星人間ゾーン」は宇宙からやってきた
家族の葛藤を描くSFホームドラマという
側面も持っている。2クール以降の
キャラクターが視聴者サイドに定着した
後の話も、もしかすると、いや
描きようによっては
「シルバー仮面」の描いた家族の絆のような
ドラマツルギーの深淵にもたどり着けたのかもしれない。









やがて父は幸雄を追い出すが、去り際に
蛍に渡していったオルゴールを鳴り出した時、
家のおもちゃがいっせいに防人家の人々を
襲撃。家の中で変身しておもちゃの飛行機を
手で払い落とすエンジェル。
マニアのうわさでよく出る話だが
番組が2クール以上続いたらエンジェルも
ファイターのように巨大化して戦う案が
あったというが、それは本当に考えられていた
ものだろうか?実はエンジェルはコアなファンが
多く、「エンジェルの北原さんが
昨日なつかし番組に出ていた」とか
DVDボックスを全巻買うと購入特典として
ゾーンエンジェルを演じた北原さんが
出てきてエンジェルの格好をしてくれる
写真が見れるウェブサイトにアクセスできるとか
25話(最終回の前の回)の予告をコマ送り
していくと0・2秒ほど巨大化したエンジェルの
没フィルムが混じっている、とか
そんなことばっかり言ってるのでこの巨大化案も
本当かどうかわからん感じだなあ。
(とかなんとか書いて真実に近い情報収集を
してみたり。)



おもちゃの襲撃を受けた防人ファミリー。
そして腕を傷つけたゾーンファイター=光。
お茶の間に集まるとテレビのブラウン管に
幸雄が現れ、ファミリーを挑発する。
事態を理解した蛍「許せないわ!」
そして東京に恐獣ワルギルガーが出現。
幸雄「さあ、ゆけ恐獣ワルガンガー!!」
恐獣の名前まちがってるぞ幸雄!!

そういえばワルギルガーの当時物
ソフビが足裏の名前が「ワルギンガー」に
なっとったなあ。命名で二転三転してたのか?






幸雄はウルトラマンタロウで
東光太郎とキャラがかぶるほどの
熱血青年隊員・上野を
演じた西島明彦が熱演。この役がまた
さわやかな上野と
ほんとに正反対な狡猾さ、邪悪さなんですね。

幸雄「蛍、僕が撃てるのかい。君は僕が好きなんだろう」
蛍「私はいくら傷ついてもかまわない。
でもあなたは私の家族を傷つけた!」




この回のゾーンの変身がすごいぞ。
なんとテレビのワルギルガー東京攻撃
ニュースを見ている光が意を決して
変身して映っているモニターに飛び込むんだ!
ゾーンは電波に乗って現地に行けたりするのか?

たしかAでも南夕子が同じくらいムチャな
変身をしてた記憶があるが。
この回はとにかくゴジラのお披露目もあって
子供さんに過剰なまでにサービスしてます。

当時はそんな過剰さが子供時代、ものすごく
甘ったるいお菓子を無理やり口に放り込まれている
みたいでゾーンはちょっぴり苦手だったのだけど
家族ドラマとして、そして特撮ドラマとして
今見ると劇場映画畑からなんとかテレビに
新市場を拓こうと苦闘するスタッフの熱さ
そのものが作品に反映されて得もいえぬ
過剰感のある作品になっていたのだろうな、
と今では思える。

















ところかわって宇宙人カップルの愁嘆場。
蛍に撃たれた幸雄がシルバーガロガに変化
蛍と激闘。エンジェルの全話通しても
結構フォームの決まったハイキック、
ハイジャンプが見れる回。
割って入ったゾーンジュニアがはしっこい
動きでガロガを牽制。

しかし、幸雄に化けたガロガなのか?幸雄が
ガロガバラン星人になる手術でも受けたのか?
これ何度見ても劇中の描写ではわからない。
このままいくとタコの人生の
永遠の謎になってしまう(そんなことがお前の
人生の重要事なのかと…)
ラストで防人ママンが涙をためる蛍を慰めて
彼は悪魔に魂を売ったのよ、と言ってるから
どう見ても幸雄が自分の意思でガロガサイドに
ひるがえったとしか思えないんだが。







シルバーガロガが変身して恐獣スパイラーに。

スパルタンな巨体を駆使したパワーゲームを
繰り出すスパイラーと火炎放射で攻めたてる
ワルギルガーの凶悪コンビに追い込まれ、
さらに傷ついた腕をかばいながらの戦いに
追い詰められるゾーン(ピンチマニア向けに
苦戦ゾーン画像ドゾー)
ジュニア「ゴジラは人間の味方だっておじいちゃんが
言ってたよね?」
エンジェルがゴジラに通信?するゾボットを
打ち出す。どこからともなくゾーンの
助っ人に現れるゴジラ!スーツタイプは
つぶらな瞳がちょっと愛嬌ありすぎな
メガロゴジラなんだけど頼もしい~。
流星人間ゾーンが人気東宝怪獣とコラボを展開
し驚愕のエンタメ特撮番組として機能した瞬間だ。





























お次は爆発前のカポックフェチ向けに
静止画像ハリコ。スパイラーは背中の
大きな三日月状の突起をゴジラにベリベリ
ひきはがされ、そのまま戦闘続行するんだけど
カメラ方向に切断面を向けた時がとっても痛々しい。
超獣にしても井口モンスターは
体の装飾があたかも「ヒーローに戦闘中に
むしりとられるために付いてる」ような
ところがあるんだよなあ。








防人ママン「その涙はこれからもっと
つらいことがあったときにとっておくのよ」
自分たち以外に生きて地球にたどりついて
いたと思ったピースランド星人の
裏切りに見舞われても、新たな闘志を燃やす
防人家であった(おしまい)。
蛍主人公話として、そしてゴジラの
登場、ゾーンとの共闘という
アピール度の高いエピソード。
そして続く5話はさらに東宝の有名怪獣・
キングギドラの襲来と、予告で告げられる。





さて、東宝のじぇねえ当方のブログでは
近いうちに(っていつだよ)
敵対宇宙人の捜索・撃退を
個人で行っているタケルのプラモ店が
年中シャッターが閉まって開店休業状態なのに
一体全体どうやって経営が成り立っているのか
ひとつ考察してみたいと思います。
それと防人ファミリーはあからさまに
ヒーローファミリーとして活躍しているのに
近所のヒトたちはなぜいぶかしがらないのか、という
ゾーンの2つの謎を追ってみたいと思う次第。
載った暁にはゾーンファンはぜひとも
個人で暖めていた説など
ひとつコメント欄ででもご教示いただけると
幸いです。

つ【フレンズ 中野愛子】
最近アニメでやたら一般歌謡のカバー主題歌多いけど
これはアレンジ決まってる。
www.nicovideo.jp/watch/sm9657895

Morbius Bootleg Kaiju

2010年03月09日 | モンド・トラッシュ


●Morbius Bootleg Kaijuのヘッダー。
奇匠・LAMOUR SUPREMEとTWERPSによるもの。
例によって市街地でひたすらハードコアに
デストロイとジェノサイドに荒れ狂う怪物たちの
跋扈する姿が描かれており製品としての神秘性と
アンダーグラウンド性を倍加させている。
そして、ヘッダーがつき袋に入って完成する「ソフビ」という
商材が独特に放つ魔力に向けた篤い信仰心さえも感じとれる。

しかしなんともグラインドコアなイラストだ。
暴れているあやしい怪物たちはどいつもこいつも
中華イナズマン「インフラマン」の
敵みたいな、一生見慣れそうにないおぞましい姿をしている。
その中に見覚えのある
和製インディーズソフビ怪獣がさりげなく居たりするが
ソフビの現物もどの辺りのラインを登頂しようと
作られたか、類推させられるサブリミナルな主張となっている。



●同じくバックシート。
パンキッシュな絵柄はNICHOLAS GAZIN
によるもの。なんとなく逆柱いみり氏の大陸的バッタモン
サンプリングアート的な空気をかもし出す
販売支援ツール一昔前のキャラクターソフビの
パッケージアートを意識しつつ、パンクや
グラインドコアなCDジャケット風でもある。



●類似したコンセプトの
商材の中にあってはよりそこから突出しようと
標榜する者は時に「極北」を目指す。
一般と相容れない暴力的な造形であったり、
幼児性の強い強度を放っていたりして
お客の中のさいはて感の高い嗜好を狙ってくる。
そしてデザインや造形のみならず供給方法も時に
アンダーグラウンドな形式の頒布であったり。
そして今はそんな極北がひしめいて
極北山脈が連なっているのが
インディーズソフビのセカイといえよう。




●先に日本でもショップがオープンし
国内展開に勢いを増しそうなMISHKAが
香港のトイメーカーadFuntureとのコラボレーションで
生み出したキャラクター、 "Morbius" Bootleg Kaiju .
LAMOUR SUPREMEによるその造形はアシッドなエネルギーを
放っており、混沌の昭和の頃にあった
IKBなどパチ怪獣ソフビにも通じる、イリーガルに生み出された
者特有の不穏なミリキの悪夢再生的要素も併せ持つ。

2個ある頭部の接合は首に小さく開いている穴で行い
かん着ではない。
粘土力丸出しとなっているユルユル系怪人だ。
ただ、その生々しさは
海外市場からこういう方向の製品が出てきたということで
海を越えた作り手のソフビへの興味と実際に製品化されたアイテムで
彼らからSOFT VINYL KAIJUがどう見えているか
できたプロダクツにその目線が確認できて面白い。

海外のスカム&脱力系怪獣ソフビというと
MONSTAR WORTHIPのクソゴンなど、日本の
パチ怪獣を新訳しなかなかいいところを
突いてくるものが増えており、ネット上の画像でその姿を
確認できるにとどまらず、今後も海を渡ってきてほしい感じ。

そこに敬意を表し、タコ的には彼のお迎え記念で
上のヘッダーイラストに近いジェノサイドな光景を
実景にしてみたいという欲望に突き動かされて
押入れのマクファレン系ヤラレ役おじさんフギアーを
総動員してきました。(なぜか主役ヒーローや怪物本体とかは
ヒトにあげちゃって、犠牲者のおじさんやびっくり顔の探検隊員のほうとか
ばっかりとっとく自分てやっぱどっかイカれてる気が…)



●2つついてる頭部(ヘルメットをかぶったホラーボール
みたいな顔、角ガイコツ顔の2種)。タコは角ガイコツ顔が
スカムでオキニです。角ガイコツ顔の後頭部には
顔や胴体の造形とは異なる、ディティールがリアル志向の
ネズミがモールドされており、頭部に齧り付いて穴を開けている。



●こちらがメインフェイスなのだろうか?(もしかして
ボディが同じ2匹の怪物なのか?)ヘルメット
ホラーボール風のヘッド。
顔にはウジ虫がわいているようなディティーリングがあったり、
アイパッチをしていたり
凶悪度では角ガイコツより上。



●同じくリアビュー。ヘルメットが割れて脳みそがはみ出しているという
ピーター・ジャクソンの「ブレインデッド」の隊員みたいな
ディティールが入っている。



●まあこのラフなつくりに新鮮味があって
自分的に気に入ったというところです。
ちょっとデムパゴンにも似てるような。。。
後で並べて見てみよう。

●どちらかというと怪獣ソフビやストリートソフビの文脈という
よりは過剰さで見せるアメリカンキャラクターフィギュアの
セカイをソフビという日本的なトイの図式に移植したような
印象があるのだが。

ソフビの質は硬度が高く、どこか粗末な感じがするのも
味といえば味。アジアあたりで日本趣味とアメリカントイの
双方を曲解して作られたゾッキトイ的な面白さもあるかと。
ゆえに「ブートレッグ」と銘打っている所以だろうか。



ヒーローカラー~英雄色~

2010年03月09日 | モンド・トラッシュ


●LETS VINYL!

…つーことでちょっとだけ仕事の時間が空いたので
ビニール塗ってました。
タコフェバリッツなヒーローカラーで
自分だけのオリジナルがほしい!と思い
旧ブログの頃から不器用なりに
ちょこちょこ作ってきたんですが

今回のネタその1は
流星忍者一番星の頭部にリアルヘッドさんの
ホネボーグの胴体を使った発狂魔人カラー。
このディティールだと元ネタにドンピシャリです(微笑)

発狂魔人ははじめてみた時トラウマだったなあ。
レインボーさんからリリースされて
ソフビムーブメントとして盛り上がった人体系魔人たちは
お化け屋敷の出し物みたいなファンキーさがあって
どこか陽性なんだけど、初期話数の魔人は
視聴する子供たちもまだ番組のノリが
理解できなかったのでひたすら怖かった記憶があります。



●前にソフビクルーザー・コスモナイトαさんで魔人モチーフのデムパゴン、
本家リアルヘッドさんでもカオスがリリース
されていてどちらも気に入っているのですが
もう一体魔人カラーがあったらいかにも悪の組織のアジトみたいで
楽しいカナと思い製作。
そういえば~一番星さんが建物を移転されたんでしたね。
これは移転記念カスタムつーことで(とかなんとか)



●ドー◎ゲー!!
細菌魔人デムパゴンの裏側は大ボスになっている。
いわばボスと下僕が多重人格でひとり監禁プレーみたいに
組織の乗員を演じているんだろう。久々に出してきて
見ているが、この魔人のカラー指定はマッドネスでイイなあ(笑)。

デムパゴンはあいかわらずタコのお気に入りソフビです。
なかなか狙ってこういう昭和の粘土感や
ゆがんだ感じは出ない。それでいて佇まいがピュアというか
昭和へのタイムスリップ感もある。
スキルの緻密な追求では醸し出せない、
直感と純度の高い妄想のみで生み出された
造形的迫力のあるソフビです。

釘を刺しとくと、こういうスカム&アウトサイダーアート系は
標榜したところで「わざと下手に作る」でも
逆に「ちまちまマーケティング的に計算して作る」でも駄目。
わざと下手の真逆である、的確なスキルに支えられた
精密さで馬鹿に作られても、その精緻は正気の証で
所詮邪魔なキョウザツブツを入れて作られたような気がする。
そこそこ話題にはなっても
本当のき◎が…ソフビジャンキーはそこは見抜き、
「ああ~狙ってんだな~」としらけるから面白いものだ。

それこそ海原雄山が「ガラッ」て厨房の戸をあけて
なんだこれはあああっ(口の中にカブラペンで描いた斜線入り)
作った奴でてこい!!お前か!発狂したふりをして作っても
お見通しだ!とクレームつけるだろうから。
完全に幼稚な頭になって無自覚な状態で寸分の狂いもなく発狂しつつ
「今、セカイの全部のヒトが自分にうしろ指を差してて、気持ちいい~
(アクエリオンの合体時のヒロインの感想風)」

「出て来い、くろまく!!おれは武士だ!
弱いものに、くれてやるんだ!(大地康雄サマの名演風)」

くらいに自分を「SAW」のジグソーに試されているヒトみたいな
ソリッドシチュエーションに追い込んで作らないとならない。
(おい、シンナーでラリってるのか
むちゃくちゃいうなよ!っていわれそう)



●続いてCRONICアイテム。
へんしん忍者カラーのジュライアスと
合成怪人(ムカデ+虎)カラーの獣狂バクラス。

きーらーめーく稲妻~とどろく雷鳴~♪
ちゃんと背中にも刀を差しております。
テレビのへんしん忍者は製作サイドの上のほうが
刀で斬るのは残酷すぎるとかなんとか言い出して
放映途中の話で刀を持たなくなっちゃったんだけど
やっぱり忍者は刀差してるほうが決まります。

元ネタキャラの顔の脇に生えている赤髪もスプレーワークで
アクセントしようカナ?と思ったんですが
あまりそこだけ顔の中で目立たないほうが
すっきり見えるかと思い
ピンクでささっと筆塗り程度にとどめておきました。



●前から思ってたんだけどジュライアスってへんしん
忍者に似ていて、いや似せてるのかなと
思ったけどそういう指摘をしている人とか
ネットの話もなかった。

そういうカスタムの塗装演出もなかったので
実際にブラシワークしてみたら。。。
ほとんど塗り絵みたいな感じ。
特撮系の友人に見せたら「この嵐みたいなのは
もともと嵐を模してデフォルメしたストリートフィギュア
なのか?」といわれたんで、ネタとしては気がつけてるな
と安心しました。
しかし黒目入れたら、ジュラとしては違和感あるっしょ。



合成怪人カラーバクラスのほうは
手を改造したのみ。これもなんとなく
左右ツートンで百足と虎の色に塗り分けてったら
それらしくハマった感じ。
ファイター系モンスターソフビのようで、
実はパチ怪人ソフビとしても
結構造形的ポイントをしっかりおさえていた
ジュライアス君、バクラス君。



ヒーローカラー作業は
元のキャラの色を、一見らしからぬソフビに
アテていくとだんだん色が載るにつれて
それに見えてくる瞬間がとても心地よい。
それと、元キャラが存在する
明確な「到達点」があるから
塗装する側としては完成ポイントが当事者として客観視
できるのも塗装の練習としては良いっかなあ、と。
てなわけで今後も精進。

●最近ガーガメルさんがソフビの塗装講座
の記事をGHKに掲載してますね。
例のワンフェスで販売した「魔界村」や
マリオのソフビが未塗装での販売だったので
塗装してみたいというお客さんの質問が
多かったのに応えた、ということだったのだけど、

ガーガメル池田氏がこないだの個展でお客さんたちと
お話して盛り上がっていた時に
塗装講座の話になって「ちょっと間を飛ばしてるみたいで
わかりにくいヒトもいるんじゃないかなあ」と
つぶやいておられたのだけど、不親切な感じは
なかったと思うデス。塗装ってそれぞれにやり方が
できていくようなトコロありますしな。カスタムを
手がけるメーカーサイド発信により、あのような
記事が時々載るのは、やってみようというヒトには
ひらめくキッカケになるかもしれない。。。と
ふと思いました。


モヒカン野郎とモテモテ骸骨野郎

2010年03月07日 | イベントルポ


●この新ブログを立てる作業にかかっていたので
掲載が一週遅れてしまったのだけど
こちらも楽しいイベントだったので
どんどん更新いっときます。
会期の2日間とも見に行ったリアルヘッドさん・
真頭玩具でのイベント「モヒカン野郎とモテモテ骸骨野郎」の
様子もぜひ見てほし~。

SKULL TOYSさんをフィーチャーしてリアルヘッドさんと
対決というかコラボというかとにかく
「街を泣かしてるんじゃねえ、
お前の罪を数えろ!サイクロン!ジョーカー!」と
両メーカーがガッチリ青砥を守る
。。。じゃない、カップリングコラボしたアイテムや
ペイントアイテムを販売するショップ特別企画。
ガイコツでモヒカンなので
これはスカルマンとガイキングと北斗の拳と
マッドマックスと黄金バットが一度に
やってきたみたいなビジュアルショック状態で
もう大変っす(意味不明だぞ)

連日「何が起きるの?」とばかりに
いろんなお客さんが出入りして久々にお会いできた
方ともいろんなソフビ話もでき、楽しかったっす。
上は初日、翌日販売するフォーチュンキャット
ベイビーズの小判にペンでイラストを入れてる
森さんとSKULL TOYSさんの作業風景。
やってきたお客さんとジョークを交わしたりして
笑いながら作業してたけど手先はその間も狂うことなく
出来あがった小判部分のペン画は
イナズマ状モヒカンドクロだったり
またはカオスの顔だったりとそれぞれが
小味の利いた仕上がりでした。



で、完成。「明日(2日目)、これを売るぜ!よろしく!!」
…などとは言ってませんが居合わせたお客にクールに告知。
「こ、これは手書き!!」とたじろぐお客目線を
バーチャルで味わえるよう
一人称アングルで撮影してみました。



こちらはSKULL TOYSさんの昨年販売していた
ロボットソフビ「ドックンロール」シリーズの
頭部とモヒカンホネボーグ2号の胴体が合わさった
凶悪なアイテム「ドックンボーグ・2号」「同3号」
少数なのでめざとく好き者のお客にさくさく
売れちゃってました。(こういうマッドなの逃すわけねえわな。
タコもお持ち帰り~DEATH)
別のキャラの胴体だけど、もとがホネモチーフのサイボーグキャラな
だけにドックンロールの首を搭載しても造形にコミックタッチが
入っている者同士、元からこんなアイテムとして作られたかの
ように相性もよく、なんともキッチュさ、キュートさが増しましたね。

何かナックとかが永井豪作品を原作に
作った昭和のロボットアニメに出てくる敵ロボに
居そうで、昼間持ち歩いて仕事の合間とかに
見ていると脳からなんか変な汁が染み出てきたりして
とても気持ちいいんですよ(危険な奴。脳内物質の自家中毒か・・・)
まあそれはともかく、いかにもパチスピリッツが横溢してて
これはいいアイテムではないかと。



●でも当日限定品の真打はこっちだ!ミュータントの胴体に
ドクロックスの頭部がついている!ピンクのアイテムが
真頭サイド、黒いアイテムがSKULLサイドの用意したアイテム。
黒いどくろのスカーフは今回用に特注したものだそう。




●そしてこちらが2日目のアイテム。SKULL TOYSさん
カラーのほうはクリアにゴールドが吹かれていて
甲殻類のキチン質の甲羅のよう。そして1日目の
黒いスカーフが真頭アイテムのほうに巻かれている。
共に黒い袋に入ってのブラインド販売だったので
お客さん同士でダブリ交換したりして
まさに駄菓子や感覚で盛り上がってました。



あたり券が封入されているとゲットできる
一日目の一品モノアイテム。このほかに
ドックンロールシリーズの熊のような腕がついた
イービルなどもあったようです。
グリーンのはんぶんこ怪人(探偵長命名)も
人気でしたがなかなかあたりが出なくて夕方まで
店頭にあり、数個の残った袋の中の当たりを
秘められた力を発揮して透視しようと
お客さんたちの間でなんともいえない緊張感が漂ってました。


●こちらが2日目の当たり品、ひさびさ登場のカオQ。
4色とも違う色でした。
(えーとスーフェスのくじ引き大会のときのブラインドリリースが
最初で次がポップソーダさんでの仁面犬と色を合わせた販売で
次が去年秋のスーフェスでしたっけ?合ってたらほめてケロ)






●仮面ライダーも来てました、このクウガは
アクロバット系ミュータントのゲゲルを阻止しに
やってきて返り討ちになった脳内設定。。。ではありませんです。
そういえばテレビのクウガ本編は浅草橋や墨田区での
戦闘もけっこうあったなあ。響鬼も下町の甘味やさんが
主人公たちの基地だったり、青砥メインのライダーも
出てくるとええね。

いやこの方たち、(複数居た)コスプレイヤーさん
らしいんですけどね、つっか去年の暮れにタコが
コミケの記事を載せたんですが、(旧ブログの12月29~31日参照)
その会場にいらした仮面ライダーNEXTのレイヤーさん
だったりして「ほかのライダーとポーズとってるの見ましたよ!」
と思わず声かけたしだいで。セカイはなんと狭いことよ。
またどこか会場でお会いしたら写真撮らせるんだ!
わかったかベイビー!!(田口トモロヲ演じるシザースジャガー風)






●最近はレギュラーサイズのミュータントゾーン
シリーズ以外に、等身大プロポーションのカオスマン
シリーズ(最近はヘッドやイービルまでも登場)
フォーチュンキャットベイビーズの販売網も広がったりと
販売品の種類だけでなく商圏も広げつつあるリアルヘッドさん。

上の店頭陳列アイテムには某アクマ族の悩める
三銃士ヒーローカラーのアイテムも見ることができ、
特撮者のハートにもピリッとくるアイテムの
連続リリースがリアルヘッドの真骨頂とばかりに
好評を博しています。

その一方で「怪人」「怪物」「ミュータント」「ヒーロー」
などにこだわったオリジナルキャラクターのクリエイトで
下町的想像力をフル稼働させたキャラクターアイテムの
展開にもガッツがみなぎってる模様。

今年はお友達のメーカーさんとタッグを組んでの
イベント開催が定例化される気配。
3月もウアモウさんとイベントを開催するそうです。

●リアルヘッド&ウアモウ下町大行進
3月13日(土)11時~17時
3月14日(日)11時~16時
場所(今回と会場が違います)
台東デザイナーズビレッジ1F
(〒111-0056 東京都台東区小島2-9-10)


Severed For Life

2010年03月07日 | イベントルポ
●ガーガメルさんのLe Merde(マイク・ケリー氏)個展
Severed For Lifeがただいま高円寺THRASH OUTで開催中。
(12日まで)。
あいにくの雨模様で2階のお店につながる通路は
カラフルな傘がいっぱい。怪獣というと男の子中心と
思いがちですがこちらのアーチストイベントというと
ご婦人や女の子も多かったりして華やいだ雰囲気です。




お客さんも買い物をしながら雨の止み時を待ちつつ
いつもより長居してカスタム群を前にソフビ談義、
カスタム談義に花が咲きました。




なんかねえ~毎回ここTHRASH OUTでの個展て
お祭り感あるんだけど今回はいつもに増して異様に
テンション高くて、あれはなんだったのかなあ。
とにかくカラフルな蛍光カラーが目にビビッドにつきささる
ケリー氏の塗装に気を押されたんか、
盛り上がりましたよ。閉店くらいまで
かなりたくさんの人が残って熱心にダベってた。

そういえば初期THRASH OUTを想わせるギミックというか
今回は部屋内にMETALLICAの名盤・MASTER OF PUPPETSが鳴り響き
久々に木目爆音暗黒ソフビショップ復活って感じでした。


上はガーガメル池田氏のカスタム品。

人々が熱く語り合っている間にも
カスタム群は「よし、お父さん辛抱たまらん
一周回ったからもう一個買っちゃおう!」
みたいなお客さんや
駆け込んできて「ああ、まだ買えるやん!」てな
感じで安堵しつつ物色する方とかいろいろ居て
次々とオーナーが決まっていったわけですが
総数100以上なのでかなりまったりペースで
お買い物は皆、ああでもないこうでもないと
じっくり自分のオキニ、オンリーワンを選べていた様子。






Le Merdeのケリー氏のアイテムというと
レジン使いの名人で口からどろりとゼリー状の液体が
出ていたり、足元が粘液上の蛍光の液体で浸水
していたり、とにかく視覚や触感に訴える溶解感・
したたり感、ヒンヤリした感じが
ミリキのひとつなのだけど、今回はケリー氏の
ある意味自家中毒的でもあった
その異素材表現は一切使用されていなかった。その分
ストレートに塗装でソフビ単体のミリキを引き出す方向に
カスタムの方法論が統一された格好。その上でいつもの
溶解・液化風イメージに近い効果もアピールしていたので
カスタムスキルという面ではシンプル&スパルタンな
日本人のカスタムフリークの嗜好により答えた
「進化した」格好になったということかなあ。
タコはドロドロ系レジンはレジンで手法として好きですけどね。




そこは過去に個展を開いた時のお客の反応を見て、
池田氏とケリー氏の間で、より喜ばれるカスタムを、という
コンセンサスをとった賜物というところカナ。
しかしケリー氏自身で手がけたカスタム品だけでも、ガーガメルさんのキャラ、
新キャラ(新製品)のゴースト、そして自作の造形品も含めると
70種類前後あったハズ。ゆえに見栄えはかなりなものです。

(会場には売約済みとなったアイテムも会期中は
飾られているから、是非現物をじっくりごらんアレ
カスタム系のヒトは目をうばわれること請け合いです)




ゲストペインターの一人、M1号西村氏の作品も
間に合いました。ヒュジリーズゴーストを
某公害怪獣風にペイント、このアレンジはイカス。
なんと♪胸につけてるマークは
ブルマァク!(なぜか足裏にはスタバのステッカーが
貼ってある!これはショーケースに並べた後で
ガーガメル池田氏もふとケースを下から見て
気づいたみたいで「こ!これは!」と
クルーの人たちに見せて盛り上がってました)



ぶたのはな大橋さんのゴーストも
♪胸につけてるマークはS隊員~(自作の
オリジナルソフビキャラのアレね)
らしき人物が描かれてたり、見るだけでも顔がほころんでくる
出来でしたね。





会場にもいらしてたけどKaToPe氏のカスタムゴーストも
例によって全身に気合の入った線画が丁寧に描かれており、
背中には一つ目がつけられてたりなど、独自の解釈で
ゴーストを全身キャンバスに
見立てるかのように鬼のように作りこんでおりました。

ミボラ、ザゴラン、ヘドラン兄弟やデスラも
ケリー氏のペイントで例のZEW Tシャツを着た
ランドオブサンシャインな住人たちに変身。
Le Merdeテイストってどこかディヴィッド・リンチとか
コーエン兄弟の映画の住人みたいに、一見ラブリーで
ハッピーな生活、陽光の下でテニスやスケボーを楽しんでる
陽性なセカイの住人なのだけど、同時にトクシックウェイステッドな
蛍光色の毒々しさと闇のように塗られた部分には類まれな
ダークなセカイも併せ持っているような、
アメリカの甘美な毒と蜜を併せ持っているような。
それを色使いや胴体の英語表記などでサブリミナルに
表現していることで、観光地だけではわからない
通り一遍な存在でないアメリカそのものを
描くかのようなナナメ視点なミリキがあると思います。







毎度会場でいろいろご説明いただく
カスタムウォッチャーのある方曰く
「Le Merdeワールドは基本線健康でマッチョなんだけど、表現としては
エクストリームでもオタク方面でも、その片方には
決してブレることはない。
媚びもなく微妙な立ち位置に常にバランスして存在しているのが
この表現の深さ、力強さ、面白さなんじゃないか!」と。
そう、不思議と健康美のようなものが
漂っているんですよ。それはどこからくるのか。



モンドなアメリカ映画を思い起こしてみるといい。
「ビッグ・リボウスキ」でボウリング場で
レーンに玉転がしながら自分の街で起きた犯罪の話を
ダベってるユル~いあんちゃんたち、
「ツイン・ピークス」や「マルホランド・ドライブ」などの
リンチワールドでも、おいしいドーナツや
カモミールのスープが飲めるピカピカで清潔なダイナーの裏の
駐車場の隅にドロをまぶしたような
真っ黒い、おっかない怪物のような形相のヒトが立っていて、
人語も通じず店員もとても立ち退くよういえない感じ、
または「アメリカン・ビューティー」で
会社生活に疲れたパパが「おれはクラスで一番美人のチアリーダーを
横にのせてムスタングで街を走ってクールに決めたかったんだ!
それなのに。今からでもそれをやる!」とか言い出して
会社をやめて実践しはじめちゃう場面とか、そんな
アメリカ映画の中で直感的に描かれる
名状しがたき両極端な聖俗の風景を併せ持つ
豊穣で魔法的で俗っぽいアメリカの姿。

Le Merdeアートもそうしたアメリカの
毒と蜜双方を持ち合わす間口の広さ、表現としてのマッチョさを振幅
させつつ、かつてあった70~80年代頃の
アメリカの記号を、毒々しくも陽気な蛍光色や
モンドな異装を筋肉質でスパルタンだが
どこかにゆがみも持ち合わせたキャラクターたちに
施すことによって表現しているのではないか。

それは普通に暮らしてる市民生活の中では
読み取りが難しいニッチな表現ではあるものの
立体物としてその普通に暮らしてると見えないモノが
見れる異化作用の面白さがかもし出されてくる。
レジンプロダクツに加えた表現の武器として
ガーガメルさんとのコラボからソフビという情緒表現の豊かな
玩具としてリプロダクツされた時、
イマジネイションは増幅されることとなった…などと思うタコでした。

池田氏も「国内ではなかなか紹介する機会のない
そういった海外の作家の面白さにもっと気づいてもらいたい。自分たちの
開催しているイベントがいろんな表現活動に触れる
間口を広げる契機になれば嬉しい」とのこと。
個展に来ていただいていつも驚いてもらえるように
今年もぜひTHRASH OUTで開催されるイベントに注目してほしい、
との話でした。




今回の限定品。スタンダードヒュジリーゴーストは
この通り子供すわりもできるレトロソフビの
癒し機能も装備しております。
タコも買って来たけど、手元に置いてると
なかなかジワジワきます。


昭和の奇獣・バゴラン

2010年03月06日 | 当時物ソフビ
新ブログもスタートしたということで
さっそく記事でも書いてみるとしよう。
ブログ会社がいきなり変わったので
投稿などでのソフトの使い勝手が
まだまだわからないことだらけ。
まあ、とにかく試験運転がてら、いってみよー
(いかりや長さん風)。

久々ですが昭和の奇獣シリーズ。
昭和のゾッキ・パチ造形怪獣やクレイジーな
ソフビを紹介するシリーズなんですが、
これは去年入手したポリ製のパチバラゴン。
発見時はほとんど「捨ててある」ような感じだった。
元は色も落ちており(ポリなので
スプレーも成型数年もせずに落ちたんだろう)
顔のど真ん中にポリ特有の
パーティングラインというかバリもくっきり入ってたり
そしてバラゴンを模した造形としては
致命的ともいえる、耳を一体成型で起こす型の限界からか
耳の後ろがまるまるトウフの角のように
四角く埋まっている造形で、まあお世辞にも
よく出来た人形ではなかった。
元の成型色はジャイバラと同じでオレンジで
グリーンのスプレーが本来はかかってるのが
出荷時の仕様だったみたいです。
自分の手に渡ってきた彼は
にごった黄土色でした。

しかしこの顔立ちの大振り感は何か得もいえぬミリキが
あるので思い切って「ソフビ人形」に近づけてみようと
このポリ人形にポリパテを塗り塗りしたり
塗装したりといろいろと手を加えて改修してみた。
タコも物好きっちゃあ物好きだなあ、と自分で
あきれたり。まあ「狙って作られて無い造形物」
ゆえのミリキというんでしょうか。
昭和の混沌の中から生まれたパチ怪獣は
無自覚に生み出されたことで強烈なイメージの
強度を時に放って見えるときがあるのです。

そう、彼は30年以上前、無意識にポリ業者が生み出した
「パチ怪獣自作用素体」のようなものに見えたのです。




●問題のトウフのような後頭部も「こんなのバラゴンじゃない!うそだっ!」
とかいってレナの鉈でばっさり、とはいかないけどタミヤのプラ用ノコで
ギコギコ切って開頭。タミヤのプラノコすごい機動力です。おすすめ。
耳の間にパテを盛りこみ後頭部をまるまる作るという大手術。
背中のバラゴン風突起も全部ディティールアップ。

というかパチ怪獣に漂いがちなバカ度増幅で
アイディンティテイアップじゃ、ということになり、
中央に四角い背ビレ風の凸をつけてみました~。
宇宙怪獣ダイヤもそうだけど、
生物である怪獣の部分として
突然四角かったり幾何学的な部分が体にあると
パチらしさが余計増すのでは、と考えました。

顔もパテ盛って、気泡というか隕石の表面みたいな
ボコボコ開孔を入れて塗るのを楽しくしようと思いました。
なんつか自分で塗るのを想定しての
自家中毒的なディティールアップですね。
結局、全身にこの隕石状のボコボコディティールは
入れてしまいました。

ポリエチレン製なので模型系の友人が
「パテや塗ったVカラーが固着せずにただ
ポリの表面にぶら下がっているだけなんじゃないの?」と
心配してくれましたが、高密度ポリだったのか、
きっちり根付いたようです。



「仮にバゴランと呼ぼう」(新マンのビーコンの回の
加藤隊長風)。

結局、顔も舌先を細く直しちゃったり元のそっけない模造品の
ポリ人形の顔立ちからだいぶ離れてしまいました。
比較として、元の写真取っとけばよかったかな。
色ですが、安楽安作さんの「ぬえ」のようなパチバラゴン的
カラーとして虎縞を記号的に入れてみようと実践。
(パチバラゴンでさらにぬえのパチを目指すという狂った発想)

顔も耳表面ももともとディティールなんかなかったんですが
(経時で入った傷なのかヘラで入れたのかわからない
切れ込みがあった)顔にはおでこや額などに
クレーター状の凹凸を入れて
耳も象の耳のようなプニプニと
キモいよ~うな触ってみたいよ~うな
感じのディティールを入れてあります。ベースカラーは
沖縄の民芸品・シーザーみたいにしようと思い、
シーサーのようなレンガ色を調合したんですが、
結局虎縞入れたら見た目、
スモゴンカラー風になっちゃったな。
それはそれでアリか。チャイルディッシュな感じには
なったっしょ。模型系の友人はなんか木馬座系の
キグルミみたいになったな、とのたもうておりました。

とにかく自分的にフェバリットなパチ怪獣ソフビの要素を
入れていろいろ加工してみたら、なんかバラゴンのようで
バラゴンでない、明らかに異なる変テコ怪獣人形カスタムが
一個デッチUP。

いわば自分の中にあるパチ怪獣の嗜好について
立体版のロールシャッハテストを
やってみたようなものですね。

一応ソフビ関係の友人に見せたら
「当時、これを作ったゾッキメーカーは
たぶんブルマァクのジャイアントバラゴンが発売
した後に現物を横において作ったんだろうけど、ジャイバラの
鼻と角の間の距離が離れただけでここまで違う顔に
見えるもんなのか。もちろんそれは狙ってそうしたと思えない。
作ってみたらそうなった、くらいの姿勢だろう。
それにしても第一角の生物学的
解釈が狂ってる。普通角は相手に突き刺すためにあるから
進化の過程で後ろに向かって伸びる生物は居ない。
この造形物を作った原型師は粘土に向かって手を動かしてても
きっと、なーんも考えて無い」
とツッコミつつも吹いておりました。

それとミシュラン人形のような
段々のついた腕部がまたオマヌー度を高めていて、
これはオリジナルのジャイバラ無視ですね。
この腕がJの字状に曲がるのがべラとかマルサンオリジナルの
いくつかのアイテムに見られる造形の特徴を思わせます。
それはどこかでオリジナルと造形的差異をつけて
万が一あるかもしれない、本家ソフビ会社と
版権元の追求を逃れようと思ったのかもしれません。
「大丈夫さ、売っちゃえば。どうせ誰も見ていないんだから…!」
とパチバラゴンのメーカーのスタッフが作業をしながら
つぶやいたかは知りませんが、
言ってみれば売り逃げ、
エド・ウッドのサイテー映画みたいなものでしょうか。



まあ~あまつさえ素材として手の入れにくいポリ人形であり、
カスタムするなんてまともな人ならあまり考えないけど
このバゴラン君、手元に来たときは
手足のツメも摩擦であらかた削れてたり色も未塗装に近い
ハゲちょろけでなんとも痛々しい状態だったわけで、
昭和からジャンク扱いでも生き延びてきて少しは
幸せな気分になってくれたらええなあ~と思っております。

じつは幼少の頃、このポリパチバラゴンが近所の
下町の集合住宅で家の裏に打ち捨てられていたのを
見たことがあります。

なんと物置で漬物のタルの重しがわり
になって木戸の窓から射す薄日にさらされてました(泣)。
ポリの人形で魂のこもってない造形なので
子供たちからもあのパチへの呪詛のブロックワード「コレジャナイ!!」を
あびせられつつその親からも
33センチのジャイアントサイズのパチとあれば
なおさら厄介者というような
ぞんざいな扱いを受けたのは想像に難しくない。

怪獣人形遊びでも省みられることも無く、
ポイッてな感じで漬物石代わりという
役割を果たしていたんでしょうか。

そんな幼少のトラウマ風景を呼び起こされ
うち棄てられているかのような彼を目前にしたときついタコも
ポリのカスタム作業なんぞに手を出してしまった。
自分の見た原風景と向き合う、そう
パチとの戦いなのだ(そんな高尚なもんかいな)

たぶんポリパチバラゴンの記事なんて載せる
物好きは金輪際、自分くらいだろう。
嗜好する人間がいるとあまり思えない。

というのはJの字状のユルい手の造形がとか
角と鼻の間が離れていてマヌケでたまらないとか
部分的にこのへんの造形がいいなどという
好意的解釈程度では、普通、万人が好きとか
愛好しているとかには結びつかないからだ。
ましてパーティングラインが頭から足先まで、
そして背中を横断しているべこべこなポリの
造形物というのが、いわば「どこまでも
ソフビにはなれない」三重苦としてのしかかっているわけで。

「おれはガンダムになれない!」と、故郷・クルジスに帰郷したが
なつかしの街は復興どころか火の海になっており
自分の子供時代を見るような少年兵たちが青息吐息で戦っている状況を
目前にしてぼやいた刹那・F・セイエイみたいなものだ。
ポリパチバラゴン「おれはソフビのジャイアントバラゴンになれない…!」



<特に当時の原型師氏が
何か市販品を模して「コレ(ブルマァクとか
マルサンのブツ)を元にアイテムをデッチUPしろ」と
ゾッキメーカーの社長に言われた時に、
ルーチンワークとしてそれを作りながらも
不思議と腕に覚えあれば、
そこはどこかに作った立体物に
独自の作家性というものはにじみ出るものだから。

ご存知のように例外はある。
旧ブログで紹介したミウラのアボラスもどきなんかまさに
そのクチで、中途半端に模造品として作られた
パチはいくら物好きな好事家でさえ食指だって動かないだろうし
(といいながらセカイは広い、いや狭いというのか、
からな~。ポリパチバラゴンを愛好しているという、
奇特なヒトだっているのかもしれない。自分を入れて3人とか
そんな人数。)



とにかく、まあ成仏してくれ、昭和のパチソフビよりも
さらにニッチな世界でひっそりと
その高密度ポリエチレンの身をすりきらしつつ暮らしてきた
無名玩具、全国のポリパチバラゴンたちよ。。。
ここが怪獣墓場、パチとしてこの世に生まれることを
運命づけられたお前たちの安息の場であるなら、
その命尽きるまで、心いくまで今はソフビとしてやんちゃに
きままに戯れるが良い。


CAOS A..D.

2010年03月06日 | モンド・トラッシュ
<ブログ開始・2007年9月18日>
その怪獣たちが、
一体いつ、どこで生まれたかは
誰も知らない・・・ポワポワ~
(どっかで聞いたようなフレーズ)

深夜のソフビ工場、落雷で起動した電鋳槽に
棚の上の古びたパチモノソフビが転げ落ちて
金型が生まれ、いくつものPVC細胞が分裂、
無数の怪獣たちがこの世に生まれた!!
ジャン・ジャン・ジャンジャン!!♪

毎週どこかでイベントがあり
秘密結社のようなインディーズメーカーにより
未知の怪獣たちが密かに生まれている!
そんなアンダーグラウンドな魅力に満ちた
怪獣たちを追跡するソフビブログが
ここに誕生。
ソフビに限らず映像の怪獣や漫画、
活字の世界などで
活躍する怪獣についても
手広く語ってみようYO!