KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

モヒカン野郎とモテモテ骸骨野郎

2010年03月07日 | イベントルポ


●この新ブログを立てる作業にかかっていたので
掲載が一週遅れてしまったのだけど
こちらも楽しいイベントだったので
どんどん更新いっときます。
会期の2日間とも見に行ったリアルヘッドさん・
真頭玩具でのイベント「モヒカン野郎とモテモテ骸骨野郎」の
様子もぜひ見てほし~。

SKULL TOYSさんをフィーチャーしてリアルヘッドさんと
対決というかコラボというかとにかく
「街を泣かしてるんじゃねえ、
お前の罪を数えろ!サイクロン!ジョーカー!」と
両メーカーがガッチリ青砥を守る
。。。じゃない、カップリングコラボしたアイテムや
ペイントアイテムを販売するショップ特別企画。
ガイコツでモヒカンなので
これはスカルマンとガイキングと北斗の拳と
マッドマックスと黄金バットが一度に
やってきたみたいなビジュアルショック状態で
もう大変っす(意味不明だぞ)

連日「何が起きるの?」とばかりに
いろんなお客さんが出入りして久々にお会いできた
方ともいろんなソフビ話もでき、楽しかったっす。
上は初日、翌日販売するフォーチュンキャット
ベイビーズの小判にペンでイラストを入れてる
森さんとSKULL TOYSさんの作業風景。
やってきたお客さんとジョークを交わしたりして
笑いながら作業してたけど手先はその間も狂うことなく
出来あがった小判部分のペン画は
イナズマ状モヒカンドクロだったり
またはカオスの顔だったりとそれぞれが
小味の利いた仕上がりでした。



で、完成。「明日(2日目)、これを売るぜ!よろしく!!」
…などとは言ってませんが居合わせたお客にクールに告知。
「こ、これは手書き!!」とたじろぐお客目線を
バーチャルで味わえるよう
一人称アングルで撮影してみました。



こちらはSKULL TOYSさんの昨年販売していた
ロボットソフビ「ドックンロール」シリーズの
頭部とモヒカンホネボーグ2号の胴体が合わさった
凶悪なアイテム「ドックンボーグ・2号」「同3号」
少数なのでめざとく好き者のお客にさくさく
売れちゃってました。(こういうマッドなの逃すわけねえわな。
タコもお持ち帰り~DEATH)
別のキャラの胴体だけど、もとがホネモチーフのサイボーグキャラな
だけにドックンロールの首を搭載しても造形にコミックタッチが
入っている者同士、元からこんなアイテムとして作られたかの
ように相性もよく、なんともキッチュさ、キュートさが増しましたね。

何かナックとかが永井豪作品を原作に
作った昭和のロボットアニメに出てくる敵ロボに
居そうで、昼間持ち歩いて仕事の合間とかに
見ていると脳からなんか変な汁が染み出てきたりして
とても気持ちいいんですよ(危険な奴。脳内物質の自家中毒か・・・)
まあそれはともかく、いかにもパチスピリッツが横溢してて
これはいいアイテムではないかと。



●でも当日限定品の真打はこっちだ!ミュータントの胴体に
ドクロックスの頭部がついている!ピンクのアイテムが
真頭サイド、黒いアイテムがSKULLサイドの用意したアイテム。
黒いどくろのスカーフは今回用に特注したものだそう。




●そしてこちらが2日目のアイテム。SKULL TOYSさん
カラーのほうはクリアにゴールドが吹かれていて
甲殻類のキチン質の甲羅のよう。そして1日目の
黒いスカーフが真頭アイテムのほうに巻かれている。
共に黒い袋に入ってのブラインド販売だったので
お客さん同士でダブリ交換したりして
まさに駄菓子や感覚で盛り上がってました。



あたり券が封入されているとゲットできる
一日目の一品モノアイテム。このほかに
ドックンロールシリーズの熊のような腕がついた
イービルなどもあったようです。
グリーンのはんぶんこ怪人(探偵長命名)も
人気でしたがなかなかあたりが出なくて夕方まで
店頭にあり、数個の残った袋の中の当たりを
秘められた力を発揮して透視しようと
お客さんたちの間でなんともいえない緊張感が漂ってました。


●こちらが2日目の当たり品、ひさびさ登場のカオQ。
4色とも違う色でした。
(えーとスーフェスのくじ引き大会のときのブラインドリリースが
最初で次がポップソーダさんでの仁面犬と色を合わせた販売で
次が去年秋のスーフェスでしたっけ?合ってたらほめてケロ)






●仮面ライダーも来てました、このクウガは
アクロバット系ミュータントのゲゲルを阻止しに
やってきて返り討ちになった脳内設定。。。ではありませんです。
そういえばテレビのクウガ本編は浅草橋や墨田区での
戦闘もけっこうあったなあ。響鬼も下町の甘味やさんが
主人公たちの基地だったり、青砥メインのライダーも
出てくるとええね。

いやこの方たち、(複数居た)コスプレイヤーさん
らしいんですけどね、つっか去年の暮れにタコが
コミケの記事を載せたんですが、(旧ブログの12月29~31日参照)
その会場にいらした仮面ライダーNEXTのレイヤーさん
だったりして「ほかのライダーとポーズとってるの見ましたよ!」
と思わず声かけたしだいで。セカイはなんと狭いことよ。
またどこか会場でお会いしたら写真撮らせるんだ!
わかったかベイビー!!(田口トモロヲ演じるシザースジャガー風)






●最近はレギュラーサイズのミュータントゾーン
シリーズ以外に、等身大プロポーションのカオスマン
シリーズ(最近はヘッドやイービルまでも登場)
フォーチュンキャットベイビーズの販売網も広がったりと
販売品の種類だけでなく商圏も広げつつあるリアルヘッドさん。

上の店頭陳列アイテムには某アクマ族の悩める
三銃士ヒーローカラーのアイテムも見ることができ、
特撮者のハートにもピリッとくるアイテムの
連続リリースがリアルヘッドの真骨頂とばかりに
好評を博しています。

その一方で「怪人」「怪物」「ミュータント」「ヒーロー」
などにこだわったオリジナルキャラクターのクリエイトで
下町的想像力をフル稼働させたキャラクターアイテムの
展開にもガッツがみなぎってる模様。

今年はお友達のメーカーさんとタッグを組んでの
イベント開催が定例化される気配。
3月もウアモウさんとイベントを開催するそうです。

●リアルヘッド&ウアモウ下町大行進
3月13日(土)11時~17時
3月14日(日)11時~16時
場所(今回と会場が違います)
台東デザイナーズビレッジ1F
(〒111-0056 東京都台東区小島2-9-10)


Severed For Life

2010年03月07日 | イベントルポ
●ガーガメルさんのLe Merde(マイク・ケリー氏)個展
Severed For Lifeがただいま高円寺THRASH OUTで開催中。
(12日まで)。
あいにくの雨模様で2階のお店につながる通路は
カラフルな傘がいっぱい。怪獣というと男の子中心と
思いがちですがこちらのアーチストイベントというと
ご婦人や女の子も多かったりして華やいだ雰囲気です。




お客さんも買い物をしながら雨の止み時を待ちつつ
いつもより長居してカスタム群を前にソフビ談義、
カスタム談義に花が咲きました。




なんかねえ~毎回ここTHRASH OUTでの個展て
お祭り感あるんだけど今回はいつもに増して異様に
テンション高くて、あれはなんだったのかなあ。
とにかくカラフルな蛍光カラーが目にビビッドにつきささる
ケリー氏の塗装に気を押されたんか、
盛り上がりましたよ。閉店くらいまで
かなりたくさんの人が残って熱心にダベってた。

そういえば初期THRASH OUTを想わせるギミックというか
今回は部屋内にMETALLICAの名盤・MASTER OF PUPPETSが鳴り響き
久々に木目爆音暗黒ソフビショップ復活って感じでした。


上はガーガメル池田氏のカスタム品。

人々が熱く語り合っている間にも
カスタム群は「よし、お父さん辛抱たまらん
一周回ったからもう一個買っちゃおう!」
みたいなお客さんや
駆け込んできて「ああ、まだ買えるやん!」てな
感じで安堵しつつ物色する方とかいろいろ居て
次々とオーナーが決まっていったわけですが
総数100以上なのでかなりまったりペースで
お買い物は皆、ああでもないこうでもないと
じっくり自分のオキニ、オンリーワンを選べていた様子。






Le Merdeのケリー氏のアイテムというと
レジン使いの名人で口からどろりとゼリー状の液体が
出ていたり、足元が粘液上の蛍光の液体で浸水
していたり、とにかく視覚や触感に訴える溶解感・
したたり感、ヒンヤリした感じが
ミリキのひとつなのだけど、今回はケリー氏の
ある意味自家中毒的でもあった
その異素材表現は一切使用されていなかった。その分
ストレートに塗装でソフビ単体のミリキを引き出す方向に
カスタムの方法論が統一された格好。その上でいつもの
溶解・液化風イメージに近い効果もアピールしていたので
カスタムスキルという面ではシンプル&スパルタンな
日本人のカスタムフリークの嗜好により答えた
「進化した」格好になったということかなあ。
タコはドロドロ系レジンはレジンで手法として好きですけどね。




そこは過去に個展を開いた時のお客の反応を見て、
池田氏とケリー氏の間で、より喜ばれるカスタムを、という
コンセンサスをとった賜物というところカナ。
しかしケリー氏自身で手がけたカスタム品だけでも、ガーガメルさんのキャラ、
新キャラ(新製品)のゴースト、そして自作の造形品も含めると
70種類前後あったハズ。ゆえに見栄えはかなりなものです。

(会場には売約済みとなったアイテムも会期中は
飾られているから、是非現物をじっくりごらんアレ
カスタム系のヒトは目をうばわれること請け合いです)




ゲストペインターの一人、M1号西村氏の作品も
間に合いました。ヒュジリーズゴーストを
某公害怪獣風にペイント、このアレンジはイカス。
なんと♪胸につけてるマークは
ブルマァク!(なぜか足裏にはスタバのステッカーが
貼ってある!これはショーケースに並べた後で
ガーガメル池田氏もふとケースを下から見て
気づいたみたいで「こ!これは!」と
クルーの人たちに見せて盛り上がってました)



ぶたのはな大橋さんのゴーストも
♪胸につけてるマークはS隊員~(自作の
オリジナルソフビキャラのアレね)
らしき人物が描かれてたり、見るだけでも顔がほころんでくる
出来でしたね。





会場にもいらしてたけどKaToPe氏のカスタムゴーストも
例によって全身に気合の入った線画が丁寧に描かれており、
背中には一つ目がつけられてたりなど、独自の解釈で
ゴーストを全身キャンバスに
見立てるかのように鬼のように作りこんでおりました。

ミボラ、ザゴラン、ヘドラン兄弟やデスラも
ケリー氏のペイントで例のZEW Tシャツを着た
ランドオブサンシャインな住人たちに変身。
Le Merdeテイストってどこかディヴィッド・リンチとか
コーエン兄弟の映画の住人みたいに、一見ラブリーで
ハッピーな生活、陽光の下でテニスやスケボーを楽しんでる
陽性なセカイの住人なのだけど、同時にトクシックウェイステッドな
蛍光色の毒々しさと闇のように塗られた部分には類まれな
ダークなセカイも併せ持っているような、
アメリカの甘美な毒と蜜を併せ持っているような。
それを色使いや胴体の英語表記などでサブリミナルに
表現していることで、観光地だけではわからない
通り一遍な存在でないアメリカそのものを
描くかのようなナナメ視点なミリキがあると思います。







毎度会場でいろいろご説明いただく
カスタムウォッチャーのある方曰く
「Le Merdeワールドは基本線健康でマッチョなんだけど、表現としては
エクストリームでもオタク方面でも、その片方には
決してブレることはない。
媚びもなく微妙な立ち位置に常にバランスして存在しているのが
この表現の深さ、力強さ、面白さなんじゃないか!」と。
そう、不思議と健康美のようなものが
漂っているんですよ。それはどこからくるのか。



モンドなアメリカ映画を思い起こしてみるといい。
「ビッグ・リボウスキ」でボウリング場で
レーンに玉転がしながら自分の街で起きた犯罪の話を
ダベってるユル~いあんちゃんたち、
「ツイン・ピークス」や「マルホランド・ドライブ」などの
リンチワールドでも、おいしいドーナツや
カモミールのスープが飲めるピカピカで清潔なダイナーの裏の
駐車場の隅にドロをまぶしたような
真っ黒い、おっかない怪物のような形相のヒトが立っていて、
人語も通じず店員もとても立ち退くよういえない感じ、
または「アメリカン・ビューティー」で
会社生活に疲れたパパが「おれはクラスで一番美人のチアリーダーを
横にのせてムスタングで街を走ってクールに決めたかったんだ!
それなのに。今からでもそれをやる!」とか言い出して
会社をやめて実践しはじめちゃう場面とか、そんな
アメリカ映画の中で直感的に描かれる
名状しがたき両極端な聖俗の風景を併せ持つ
豊穣で魔法的で俗っぽいアメリカの姿。

Le Merdeアートもそうしたアメリカの
毒と蜜双方を持ち合わす間口の広さ、表現としてのマッチョさを振幅
させつつ、かつてあった70~80年代頃の
アメリカの記号を、毒々しくも陽気な蛍光色や
モンドな異装を筋肉質でスパルタンだが
どこかにゆがみも持ち合わせたキャラクターたちに
施すことによって表現しているのではないか。

それは普通に暮らしてる市民生活の中では
読み取りが難しいニッチな表現ではあるものの
立体物としてその普通に暮らしてると見えないモノが
見れる異化作用の面白さがかもし出されてくる。
レジンプロダクツに加えた表現の武器として
ガーガメルさんとのコラボからソフビという情緒表現の豊かな
玩具としてリプロダクツされた時、
イマジネイションは増幅されることとなった…などと思うタコでした。

池田氏も「国内ではなかなか紹介する機会のない
そういった海外の作家の面白さにもっと気づいてもらいたい。自分たちの
開催しているイベントがいろんな表現活動に触れる
間口を広げる契機になれば嬉しい」とのこと。
個展に来ていただいていつも驚いてもらえるように
今年もぜひTHRASH OUTで開催されるイベントに注目してほしい、
との話でした。




今回の限定品。スタンダードヒュジリーゴーストは
この通り子供すわりもできるレトロソフビの
癒し機能も装備しております。
タコも買って来たけど、手元に置いてると
なかなかジワジワきます。