●Morbius Bootleg Kaijuのヘッダー。
奇匠・LAMOUR SUPREMEとTWERPSによるもの。
例によって市街地でひたすらハードコアに
デストロイとジェノサイドに荒れ狂う怪物たちの
跋扈する姿が描かれており製品としての神秘性と
アンダーグラウンド性を倍加させている。
そして、ヘッダーがつき袋に入って完成する「ソフビ」という
商材が独特に放つ魔力に向けた篤い信仰心さえも感じとれる。
しかしなんともグラインドコアなイラストだ。
暴れているあやしい怪物たちはどいつもこいつも
中華イナズマン「インフラマン」の
敵みたいな、一生見慣れそうにないおぞましい姿をしている。
その中に見覚えのある
和製インディーズソフビ怪獣がさりげなく居たりするが
ソフビの現物もどの辺りのラインを登頂しようと
作られたか、類推させられるサブリミナルな主張となっている。
●同じくバックシート。
パンキッシュな絵柄はNICHOLAS GAZIN
によるもの。なんとなく逆柱いみり氏の大陸的バッタモン
サンプリングアート的な空気をかもし出す
販売支援ツール一昔前のキャラクターソフビの
パッケージアートを意識しつつ、パンクや
グラインドコアなCDジャケット風でもある。
●類似したコンセプトの
商材の中にあってはよりそこから突出しようと
標榜する者は時に「極北」を目指す。
一般と相容れない暴力的な造形であったり、
幼児性の強い強度を放っていたりして
お客の中のさいはて感の高い嗜好を狙ってくる。
そしてデザインや造形のみならず供給方法も時に
アンダーグラウンドな形式の頒布であったり。
そして今はそんな極北がひしめいて
極北山脈が連なっているのが
インディーズソフビのセカイといえよう。
●先に日本でもショップがオープンし
国内展開に勢いを増しそうなMISHKAが
香港のトイメーカーadFuntureとのコラボレーションで
生み出したキャラクター、 "Morbius" Bootleg Kaiju .
LAMOUR SUPREMEによるその造形はアシッドなエネルギーを
放っており、混沌の昭和の頃にあった
IKBなどパチ怪獣ソフビにも通じる、イリーガルに生み出された
者特有の不穏なミリキの悪夢再生的要素も併せ持つ。
2個ある頭部の接合は首に小さく開いている穴で行い
かん着ではない。
粘土力丸出しとなっているユルユル系怪人だ。
ただ、その生々しさは
海外市場からこういう方向の製品が出てきたということで
海を越えた作り手のソフビへの興味と実際に製品化されたアイテムで
彼らからSOFT VINYL KAIJUがどう見えているか
できたプロダクツにその目線が確認できて面白い。
海外のスカム&脱力系怪獣ソフビというと
MONSTAR WORTHIPのクソゴンなど、日本の
パチ怪獣を新訳しなかなかいいところを
突いてくるものが増えており、ネット上の画像でその姿を
確認できるにとどまらず、今後も海を渡ってきてほしい感じ。
そこに敬意を表し、タコ的には彼のお迎え記念で
上のヘッダーイラストに近いジェノサイドな光景を
実景にしてみたいという欲望に突き動かされて
押入れのマクファレン系ヤラレ役おじさんフギアーを
総動員してきました。(なぜか主役ヒーローや怪物本体とかは
ヒトにあげちゃって、犠牲者のおじさんやびっくり顔の探検隊員のほうとか
ばっかりとっとく自分てやっぱどっかイカれてる気が…)
●2つついてる頭部(ヘルメットをかぶったホラーボール
みたいな顔、角ガイコツ顔の2種)。タコは角ガイコツ顔が
スカムでオキニです。角ガイコツ顔の後頭部には
顔や胴体の造形とは異なる、ディティールがリアル志向の
ネズミがモールドされており、頭部に齧り付いて穴を開けている。
●こちらがメインフェイスなのだろうか?(もしかして
ボディが同じ2匹の怪物なのか?)ヘルメット
ホラーボール風のヘッド。
顔にはウジ虫がわいているようなディティーリングがあったり、
アイパッチをしていたり
凶悪度では角ガイコツより上。
●同じくリアビュー。ヘルメットが割れて脳みそがはみ出しているという
ピーター・ジャクソンの「ブレインデッド」の隊員みたいな
ディティールが入っている。
●まあこのラフなつくりに新鮮味があって
自分的に気に入ったというところです。
ちょっとデムパゴンにも似てるような。。。
後で並べて見てみよう。
●どちらかというと怪獣ソフビやストリートソフビの文脈という
よりは過剰さで見せるアメリカンキャラクターフィギュアの
セカイをソフビという日本的なトイの図式に移植したような
印象があるのだが。
ソフビの質は硬度が高く、どこか粗末な感じがするのも
味といえば味。アジアあたりで日本趣味とアメリカントイの
双方を曲解して作られたゾッキトイ的な面白さもあるかと。
ゆえに「ブートレッグ」と銘打っている所以だろうか。