KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

スーパーフェスティバル57その3

2011年09月28日 | イベントルポ

ソフビのほかにもTOYのセカイでファンムーブメントならではの製品が飛び出すスーフェス会場。
ひきつづきジャンルを問わず出展製品を見ていきましょう。

アマプロKeyさんの異能作・最悪怪獣シリーズ、トーチューカの寄生プロセスがこれだ!
(セッティングbyKeyさん)

洋物映像作品に強いスーフェスならではのアイテムを紹介。

スーフェスにいつも参加しているヒトならだいたい目にしている角っこのアクションドールの
お店。スーフェス57で展示された新作見本にブラックプロイテーションの伝説的作品、
「SUPERFLY(スーパーフライ)」が!主宰の方によると、「これまで自分の好きな作品の
キャラクターたちをアクションドールにしてきたが、アメリカの一番輝いていた頃のニューヨークが
好きで、そんな思いもこめての作品セレクト。この作品もその1本。ブラックムービーのカリスマ的
ヒーローをこれからもじっくり息も長くセレクトして製品化し、ファンの人に頒布していけたら
これに勝るものはないシアワセです」との話。
映画が熱かった頃のパッションをアクションドールというジャンルをもって次の世代の新しいファン
に伝えていきたい、との気概を示しておられました。その熱意通りの出来デスネ。
パッケージも相当凝って作ってるとか。110セット限定販売なのだそうで、
気になったヒトは2012年正月明けのスーフェス58の本ブースを是非チェックしてほしい、とのこと。
思えば年明けなんて、もうじきですよね。

マーミットさんの10月受注予定品もブースに展示されておりファンの注視を集めておりマシタ。
リアル、レトロ系と交錯しておりますが怪獣天国も最近は劇中登場カラーに近いカラー指定
アイテムが多いのが映像派のファンの購買意欲を刺激するところとなっています。

後期Aの付喪神系超獣ギーゴンは1期を買ったですが、この赤もビビッドでいいですね。

スペクトルマンシリーズは犬怪獣ボビーに続き今回は最終回登場のデサイトマン。
怪獣ファン目線では期待もあったのですが、なかなか出そうでソフビ化実現しなかった1匹です。
頭の吸盤みたいな突起が格闘のスキルを極めたストロングスタイルの怪獣らしからぬ
ユルめのディティールアクセントになって全体のバランサーとして作用しております。

リアルホビー系ではヘドラ、ミラーマンのダークロンなど。

 オルガは平成ゴジラの怪獣では設定もおもしろく、ダークホース的な名獣だと思います。
じつは岩石を表面に付着させたUFOの中に潜む宇宙の遭難者ともいえる知的生命体で
地球のハイテクビルに巣食い、コンピュータネットワークから人類の英知の歴史を吸収しつつ
ゴジラの持つ不滅の命を取り込み地球を支配しようとしたものの、失敗して
(何しろゴジラは人類の負の遺産、放射能の申し子ですからね)
結局原型をとどめないところまで変異しておぞましい宇宙怪獣の姿になり暴れ狂う
という、どこか悲劇の生命体的バックボーンを持つ怪獣。オルガに変異する前に生命体が
タコとクリオネがあいのこのような宇宙人として別形態で登場したのも忘れられないです。
あの唐突にビル街に出現した宇宙タコ、ミレニアンというそうですが、
ミニとかミドルでいいからいつかソフビ化しないかなあ。
そういえばオルガはバンダイ系以外では初ソフビ化でしたよね。

 

サンガッツさんのブース。夏のワンフェスでタコは新製品の蓄光ver.悪魔ベルゼブブと
BELONE(びろーん)を購入したのだけど、さらに今回もサプライズアイテムを用意されて
食い付くことに。
今回は糞神島の先生!(短編「糞神島」の主人公)。サンガッツさんはこれまでもべーレン
ホイターの女やコケカキイキイ、あの世の案内人、死神マボロシちゃんや血太郎など、
サンガッツさんが製品化しなかったらたぶん誰も手にできなかったキャラクターの立体化を
手がけてきたのだけど、また短編の気になるキャラをファンが手にできたわけです。

島民が島に便所を作らず糞を神様のようにあがめたてまつる因習がはびこり、
陸地のどこででも皆が排便する島、都会から糞神島にやってきた理知的な先生が、
これは文明に逆行しているセカイであると、子どもたちに決まった場所で用を足すように
糞闘じゃない奮闘するのですが、その思いもむなしくしだいに事態は悪化していき
汚物が画面いっぱいに満ち溢れながら人々がそれに包まれる阿鼻叫喚の中、
ひとつの集落が崩壊していく光景がおもしろかなしく展開していく
スーパースカム&シュールな怪作。ウンコ、シッコが普通に出てくる
物忌知らずな水木漫画の中でも極めつけの1作ですね。水木先生の漫画は漫画の始原に
あった猥雑なミリキを今もたたえた巨峰といってよいでしょう。
本作ラスト、先生のシャウト「くそに、まけたー!!」はわすれがたい。
先生のこのソフビも綺麗なお部屋にインテリアとして置いても
シュールな空気を醸し出し、自分の住むセカイの快適さを思い知らされる一体ですね。
頭に載っているウンコは取り外し可能です。

そして見本が展示された南洋の仮面のような顔をしたキャラクターはアトバラナ。
水木漫画によく出てくる妖怪の一体で、鬼太郎を始め、さまざまな短編でエキストラ的な
役割を果たす一匹、と書けば氏の漫画をある程度読んだヒトならすぐに
ヤツのエキゾチックな顔を思い出すのではないか。
大挙してやってきた妖怪の中に居て、名前は出て来ないけど
文句を言ってたり、何か鬼太郎相手に
さっさとしろよとか、なんだてめえ!!とか煽ってくるメンバーとして
登場する妖怪ですね。けんかっぱやいけど人なつこくも憎めない感じのヤツです。

こなきじじいや砂かけのおばばのような有名妖怪が鬼太郎の周囲に配置される
少年マガジン版前夜の貸本時代では、当時は固有名もなかった彼のような妖怪たちが
話の進行をうながす記号的な「セリフのあるエキストラ」」として活躍していたのです。
「おばけナイター」では妖怪のセカイのバットを持ち去った子どもたちにクレームをつける一匹として
命を賭けた試合にも参加しております。「その後のゲゲゲの鬼太郎」」ではレギュラーに近いです。
要は水木先生が日々の漫画執筆業の忙しさの中で、おそらくは半無意識下において
漫画の中にポピュラーに登場させてきた、同じ顔で性格パターンも近いのだけど
登場するたびに別個体な妖怪の一匹ということです。
水木ソフビのコレクション中におくと棚のマニアック度というか怪奇ステイタスが
ランクアップする一体ではないでしょうか。
タコもリリースが楽しみです。あいかわらずMUCHAしてくれますね。だてにAKB48より前に
MUCHAはしてないな、いちみや氏は。

最悪怪獣シリーズを次々製品化して3000円のスーパーブロックバスタープライスで
イベントでモニョってるソフビファンの財布をつい緩めさせて買わせてしまう新機軸というか
昔ながらのカットアップパチ怪獣ビジネスを2011年に実践してしまった
Keyさんことアマプロさん。ソフビ界の地獄のコストカッター。
でも製品の妄想力とコストパフォーマンスは反比例して高かったりする。
今年は新生アマプロの年だったのかもしれません。オリジナルとして認めていいのか、
是か非かというとタコも当初躊躇していたのですが、やられてみると
これぞ「パチ」の方法論そのものなんですね。
ぶっちゃけこれまでのアイテムは2008年頃に出た初期のラコやトーボーズから
気づけば全種持ってます。
買った者のほうがパチものにむやみに感じなければならない、なんともいえない
イリーガルなうしろめたさこそがパチ本来の面白さなんでしょう。そこはもはや
好き者の本音としては嘘がつけません。
ラインナップ中でも、本来怪獣のしっぽであった部品を無理やり怪獣の頭部にしちゃってる
ヤツ、グビロンとか、Keyさんおいおい何してんだ?と思ったけど
あれは当時の怪獣カードなどであったカットアップ怪獣の製法と投げやりな製作過程の本質を
ソフビに置き換えただけで作り手の本音を見事に突くもの。
ああ、こういうのでパチ怪獣はよかったんだ、と
仕方なく納得させられる次第です。

こちらは参考展示されていたここまひさんのオリジナルソフビ。
ビオランテ風の触手を複数持ちチタノザウルス的なひれのある頭部の怪獣です。
(後記・記事を書いたあとでブログを見てくれた友人からの指摘があり、もしかしてこれは
UMAを元にしてオリジナルアレンジを加えたソフビではないか?との話)

そしてアマプロさんが主宰の一社として堤・唐沢各氏とともに名を連ねている
パチモンサミットの次回開催日程がようやく決まりました!前の予定日は11月のデザフェスに
バッティングするので変更になったのですが、12月11日に開催が本決まりになりました。

毎回パチモノ好きには垂涎のネタを提供し脳がメルトスルーするような時間を過ごさせてくれる
スーパービザールイベント。今回も新作ソフビの入場プレゼントが決定しており、上の腐乱獣
なるオリジナルパチ怪獣の頒布も決定しているとか。オリジナルだけど背格好からどこか
懐かしい思いにからせられる一体。・・・いや気のせいカナ。

あらためてパチ怪獣なんてのはこんな感じでいいのかもしれんなあ~とちょっと思ってしまったり
するタコ。実質パチ怪獣ソフビの創始者であるKeyさんは結局本家とりを果たした格好。
そして生み出された最悪怪獣は物言わぬソフビでありながらも
この世に存在するだけで、「無用な創作モチベーションを付加しパチ怪獣を
肩肘張って作家的感性をもりこんでつくる行為」そのものを唾棄というか
「そんなこと本当は皆、実はどうでもいい」といわんばかりに完全破壊してしまった気がします。それは「ジャングルを石器時代に戻せ」とシャウトして潜伏するゲリラごとジャングルをナパームで跡形もなく爆撃し焼き払ってせん滅してしまった、キルゴア大佐の部隊が行った心地よい蛮行のようなものであるのも確か。戦わないでただ焼き払うというのでしょうか、そんな場面を見る快感です。

いろいろやりつくした後にソフビ界に期待されてるのはもっかするとSo farでもSo GoodでもなくSo What?なんでしょう。どうも最悪怪獣はお客とKeyさんの妄想的共犯関係で生まれるべくして
この時期に生まれた気がします。その証左にKeyさんとお話しているとただ自分は手を動かした
というような感じでしか製品について説明していません。手頃に作って世の中に流通させる、昔のパチ怪獣の現場もおそらくそんなそっけない感じだったのでしょう。

自分のできることとしては、パチモンサミットの開催前に前夜祭的な記事を書こうと思います。
ここまで現実が世知辛い環境なので、こうなればそれに拮抗すべきは「徹底的な脱力」。
弛緩した笑いでやがて悟りへといざなう、他にはないイベント体験として
パチサミがいつものように盛況となることを心より祈っております。

Keyさんがトーチューカの移動体が宿主となる怪獣をのっとる場面を実演してくれました。
「こんな感じで怪獣の背中にくいついて根付いてしまうんですよ!。。。」ソフビで遊んでいる
ようにしか見えないです。でもそんなKeyさんはみまがいようもない怪獣好き、萌えです。
今回はまだ買ってなかったジャマンダと、新作のコーガンスタンダードを買ってきました。
これがなかなかボリュームのある、イカニモ当時ありそうな一体です(胴体は完全新作です
リーズナブルなおねだんの上に何か2倍得した気がしますね。新作なのが付加価値って
何かが狂ってますが)
コスモナイトαのYODA氏もスタンダードコーガンを買ったそうでパチ魂あふれる一体、と
早速評価しておられました。

 

ソフビクルーザー・コスモナイトαさんのブース。異能者ぶりを発揮してYODA氏が怪獣アート
に開眼。絵がうまいのは以前からも折り紙付きだったんですけどね。
先日リリースされた妄想怪獣3匹のバックシートとしていくつかのイラストを描き上げて
おり今回展示もされておりました。
何か尾瀬あきら氏に、ひばり書房から青春ホラーとも呼べるビビッドなタッチの恐怖
コミックを発表していた頃の山上たつひこを足したような、たいへん趣漂う絵ですネ。
漫画家デビューできちゃいそう。
さらにブースではマルサンオリジナルの高額アイテムとして神器のように扱われる
ジャイアントウルトラサターン袋入りが展示され、威光を放っておりました。

こちらも技の匠系で毎回展示品に目を見張らされるディーラーさんのひとつ。
Hard Pop Cafeさんのレゴカスタムアニメロボット群。
神業的な部品使いから一目でわかる仕上がりでマクロス、ターンエー、モスピーダ、研究誌も
製作したメガゾーン23のガーランド、ザブングルのトラッド11、スーフェスらしくレトロロボの
レゴ化にトライしてみました的におっしゃっていたロビーとフライデイ。
トップにも貼りましたが「イモほりホーイ」の21エモン・ゴン助もパーツのハマり具合が
見事ですね・「なかなかレゴでこういうことを手掛ける同好の士がいないんですよ~」、との話。
レゴの使い手でこういうのが好きなヒトは是非スーフェスで声をかけてあげてください。

 ブリスターさんで販売される超絶造形スタジオが実体化させた「フォーホースメン」シリーズの
キャラクター、マグマ・コープス コマンダーアーガス。会場で見かけた時にたいへんインパクトの
ある造形だなと思ったので貼ってみました。この製品展開にはあのレトロエイリアンフィギュアの
完全復刻版「Outer Space Men」もシリーズの一つに含まれております。

(スーフェス57ルポはまだ続きます。。。文章作成中)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿