孤高のハダカの王様 // 北米と欧州スキーツアー //

カナダ・バンクーバーと時々アジア
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KAORU OFFICIAL BLOG

軍鶏日記vol.28

2006-07-07 22:57:58 | シャモニー 2006
ニッポンの心

時々コース脇のノートラックをかじりながら滑り進めていく。
ノートラックはまだまだある(嬉)。

ひとつ前の10人ほどのグループがゴマ粒大の大きさしかない
このバレーブランシュのがスケールの大きさ本当によくわかる、バレーブランシュ超感動、自然の凄さにしびれまくり!

滑り進めても滑り進めても一向にゴールが近づいてくる気配も無くそろそろお腹も空く12:00を迎える。

この天気だ、もちろんおにぎりは青空の下で食べよう。
クレバス&セラックが一望できるこの斜面でひと休みだ。


<さあ、ランチタイム!>


12:30 やっぱりお弁当はおにぎりだね。ニッポン人を感じることができる瞬間だ。
最近じゃあ弁当っていうとサンドイッチやピラフといった洋食系のものばかりだけど「おにぎり」だね、ニッポンの心です。
デザートにカリントウといちじくが出てきた。

フランス人・ジャン(仮名)がカリントウをとても気に入った様子、甘くて美味しいニッポンのお菓子どうぞ召し上がってください(おれのじゃないけど笑)。


この日差しはホントに強いね~、かりんとう色にこんがり焼けそうだよ
ご飯を食べてなんだかとても気持ち良くなり昼寝モードになってきた、こんなところで昼寝ができたら幸せだろうなあ

いけね、本当に焼けちゃう。
日焼け止めを塗らなくちゃ、ヘルメット被っているけど耳と首もしっかり塗っておこう。
タケバヤシさん(仮名)と連れネイチャーコール(小)を済ませ再スタートの準備をする。


<ネイチャーコール(小)in バレーブランシュの図>

向かいの山々には幾つものスキーの跡が付いている。滑ってきたものばかりでない、登っている跡もたくさんついている。

登って行きイタリアやスイスへ滑り降りてくる者もいれば、スイスやイタリアから登って来てここフランスへ滑り降りてくるものもいる。

国境をまたいでのスキーか、ツエルマットやバルディゼールで経験したことはあるけれど山岳スキーでの経験はない。

『カオル企画最終章』では是が非でも「カオルとオートルート」を催行し山岳スキーでフランスからスイスへ渡り歩きたいものだ。

軍鶏日記vol.27

2006-07-07 14:21:33 | シャモニー 2006
バレーブランシュ大滑降

素晴らしい景色もまだまだ続くけどいよいよ滑走開始!

今回の凄腕メンバーでは「脱・クラッシクルート」をやりたかったんだけど、そんなことを言ってられる状況じゃなくなってしまった。

其の一、雪崩の恐れがありすぎ。
其の二、メンバーに体調不良者有。
其の三、ツアーは安全が最優先(当たり前)。

ケイゾーじいちゃんが99歳で滑ったクラッシックルートでは面白味に欠けるので、滑っては面白いルートを探し、滑っては面白いルートを探す、超ハードな「カオル企画版バレーブランシュ大滑降」を思い描いていたのだけれどやっぱヨーロッパのスケールはでかい、でかいよ。
おれが想像していた以上にでかかった、そして危険もついてまわってきていた。

ヨーロッパなめんなよ! by P氏 



ジャン(仮名)はいつも的確におれ達の技量とコンデションを見ている。
おれ達の中で雪のコンディションと滑りの技量がマッチしてガンガン滑れる者は2人だけだった、数人は技量に問題があり、数人は身体のコンディションに問題があった。

おれが知っているみんなだけど、おれがイメージしているみんなは最高に調子の良いみんな、気持ち良く滑れてて楽しんでいる時のみんな。

そのイメージでみんなを連れまわすと過去3回のツアーのように事件・事故が興りえてしまう。
ジャン(仮名)が再三再四ノートラックのオフピステを滑らずにセイフティーを選んだのは全て同じ理由だろう。



<Karlとジェダイマスター・ジャン(仮名)>


滑りたい人、滑ってみたい人がどうしても表に出やすいけれど滑ることに躊躇してる人、滑ることに自信がない人も確実にいる。無理をすれば怪我をする、怪我無く無事に帰ることが旅の最大の目的である。このことをジャン(仮名)は無言で強く教えてくれた。



シャモニーを始めとするヨーロッパで山岳ガイドをしているジャン(仮名)にとって無事にクライアントを帰すというミッションは最大であり最低限なのだろう。そして人命が掛かった修羅場を幾度となく経験していることも伺える。


ジャン(仮名)は33年間のガイド人生のなかで一体何を失い、どれほどの経験をしてきたのだろう。ジャン(仮名)と過ごした6日間おれは何度この問いを自分自身にしたのだろう。。。

「安全第一」。当り前すぎるこの言葉が一番難しいことはおれ自身もわかっていたはずなのに、、、ノートラックを見せてもなお滑らせないジャン(仮名)の姿勢にプロを感じた。





何度も言うが先週は大変な大雪であった。

今週はこうやって氷河滑降もできているがメインルートをはずれるとクレバスやセラックなどが隠れている、もちろん大事故に繋がるような大きなものは無いだろうが怪我に結びつくようなものはそこら辺にゴロゴロしている

とにかく素晴らしい天気である。
この景色、この天気、この雪、超サイコー。

こんなバレーブランシュを滑れるなんておれ達はなんて幸せなんだろう