もんろーの部屋

音楽について自分について哲学しちゃうページ・・・美味しいものもちょっと

歌というもの

2006-02-10 | 音楽
:「センセ、この間、お葬式の後にカラオケ行っちゃって、お友達に褒められちゃって・・・」
:「・・・」
 
驚くでしょ
不謹慎じゃん

話はこうだった。
もんチルのお一人、Mさん(60代・女性)は、先月末、かつての同僚と共に、大恩人の社葬へ行った。
関連会社、20社はあるという企業の会長職にあったMさんの恩人。。。その社葬は、東本願寺で行われ、それはそれは多くの方々が訪れ長蛇の列になったという。

しかし、その晩年は、必ずしも幸福といえたかどうか、Mさんに言わせると疑問だというのだった。
お一人暮らし。
入退院を繰り返し、最後はホームへ。
お見舞いに訪れる人も(ご家族を含め)、極々少なかったという。
ご本人は、本当に穏やかで、もの静か。口数の少ない、しかし大きな方だったという。
Mさんはお仕事の関係で故人と知り合い、その後、お仕事を離れてからもプライベートでお付き合いがあったという。グループで何度か国内・国外を旅したこともあったそうだ。沖縄を訪れたことも数回あり、故人はたいそう気に入っていたそうだ。
社葬会場では、故人の偉業をたたえるビデオがエンドレスで放映され、「涙そうそう」や「花」などが流されていたという。

Mさんは、その葬儀の豪華さ、参列者の多さを眺めながら、故人の晩年を想う時、何とも言いようの無い、切ない気持ちになったという。

:「みんなで、会長の好きだった歌、歌って、私たちでお別れ会しようよー

故人に恩ある3人は、それから上野へ繰り出し、カラオケボックスで歌いまくったというのだった。
「涙そうそう」「花」「アメイジング・グレイス」「テネシーワルツ」・・・・etc.

:「センセ、お陰さまで、上手に歌えたの・・・。会長も喜んでると思うの・・・」

そう私に話すMさんは、今にも泣き出しそうで、故人への想いは相当なもののようだった。

いいお歳の男女が3人、場末のカラオケボックスで、涙ぐみながら故人を想い、歌い狂っている・・・。
そうしなければ、収まりが付かなかったのだと思う。

こんな話を聞けるのも、指導者の醍醐味
シアワセな事だと思う。
歌って一体・・・