今週、せつ子さんに伺ったお話。
せつ子さんのご主人は、脳梗塞で倒れ、しばらく闘病生活をおくられたようだ。言葉が何もわからなくなり、お嬢さんの名前もわからなくなったらしい。懸命のリハビリも甲斐なく・・・。
ところが偶然、急患で中国人がその病院に入院してきた。隣のベッドの中国人と、一人の中国人医師が話していたら、なんと中国語を思い出した(ご主人は満州生まれだった)。
次に思い出したのがドイツ語だった(ご主人はドイツ語で日記を書く方だった)。
その次は英語(お仕事の公用語は英語だ)。
最後が日本語・・・。
そして、本当に思い出しにくかったのは漢字だったそうだ。
せつ子さんの話では、欧米人で3、4カ国語を話す方が脳梗塞になったような場合、1ヶ国語ぐらいは残るケースがあるそうなのだ。本当か?
ただ、中国語、ドイツ語、英語は文法が同じだよね。日本語だけが文法が違う(韓国語と同じ)。だから日本語が、一番後だったのかなぁ。今は、医師だって公用語は英語なのだし、ドイツ語が出てきても、なんにもならず、大変だったらしい。
せつ子さんは、ご主人が日本語を思い出すまで、毎日片道2時間の道のりを、病院まで通った。
絵も上手だったご主人は、絵を描く。そこには、ドイツ語や英語が・・・。
せつ子さんも片言の英語と(せつ子さんは半世紀前、日○岩井の英文タイピストだった)日本語で、ご主人に話しかけ、励まし続けた。
約3ヶ月で、ご主人は言葉を取り戻す。医師からは、ほとんど奇跡と言われたそうだ。
せつ子さん:「だからねっ、あきらめちゃいけないと思うんです。私も、この年になって、新しいお勉強ですけれど、教えて下さるというセンセがいらっしゃるので、頑張りたいと思っております。よろしくお願い致します。
」
:「・・・(そこに来るか!)」