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聖夜(クリスマスキャロル)についてのエピソード

2016-12-22 09:16:12 | 雑文
聖夜(クリスマスキャロル)についてのエピソード
この賛美歌が生まれたのは、今から200年ほど前の1818年のクリスマス・イヴを前にして、オーストリアのオーベルンドルフという村の教会で、オルガンのふいごが、ねずみにかじられて全く音が出なくなってしまいました。困った助祭ヨゼフ・モーア(Joseph Mohr)は、自ら書いた歌詞に教会のオルガニストのフランツ・グルーバー(Franz Gruber)に頼んで曲を作って貰い、それをギターで伴奏してイヴの礼拝がもたれたとのことです。このキャロルが最初、ギターで歌われたことを思うと感慨深い。
作詞者ヨゼフ・モーアは、その付近に駐屯していた一兵卒とお針子との間に生まれましたが、まもなく父親は所属部隊の移動により村から離れ、貧しい母子家庭で育てられました。彼は優秀な子でしたので、ある人の援助によりザルツブルクの神学校で学び、聖職者になったとのことです。まさか自分の歌が、世界中で歌われるようになるとは、思いもしなかったことでしょう。
ヨゼフがドイツ語で書いた最初の原詩は6番までありますが、日本語の歌では、その1,6,2番の順序でうたっています。
         
1 静けき夜 聖き夜
 全ては眠るなか
 ただ聖夫婦のみ覚醒めおり
 かわいい巻き毛の御子は
 天の平安のなかに眠る
2 静けき夜 聖き夜
 神の御子がほほ笑む
 神の口より告げられる愛は
 われらに救いの時をもたらす
 イエスは生まれたまえり
 
3 静けき夜 聖き夜
 天の輝く高みより
 世界への救いがもたらされた
 溢れるばかりの慈しみが明らかにされた
 イエスは人となりたもう
4 静けき夜 聖き夜
 今日 父なる神の御愛は
 力もてあらわれたまいき
 イエスは兄弟愛でいだきたもう
 世界のひとびとを
5 静けき夜 聖き夜
 古より定められてあり
 主が憎悪をとりさりたもうと
 そは世の創めより約束されてあり
 世界全体の御救いを
6 静けき夜 聖き夜
 まず羊飼いらに知らされた
 天使がうたうハレルヤが
 あちこちに響き渡る高らかに
 救い主イエスは ここにいます
 
その頃のヨーロッパは、カトリックとプロテスタントに分かれた宗教紛争によって、大きな犠牲をだしました。またナポレオン戦争のために、国と人々はすっかり疲弊していました。近くの都市ザルツブルクは、1808年以来、8年間、フランスと同盟関係のバイエルン軍の占領下にあって、彼の村も駐屯軍の暴虐と強奪にさらされていました。1816年4月に平和条約が調印され、駐屯軍は撤退していきました。
1818年、村人にも、ヨゼフの心にもやっと、何ものにもかえがたい「静かな夜」が帰って来ました。このキャロルはそのような状況の中で作られました。原題「Silent Nichit !, Holy Night !」のサイレント・ナイト「静かな夜」の意味がしみじみ感じられます。

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