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ハロウィーンと宗教改革

2017-10-30 20:04:57 | 雑文
ハロウィーンと宗教改革
なぜハロウィーンと宗教改革記念日とが同じ日なのか。
これには11月1日が、教会暦においては「諸聖徒日 (All Saints Day) 」であることと深く関係しています。諸聖徒日とは伝統的な教会においては7つの主要祝斎日の一つで、有名無名の全ての聖徒(聖人)たちを祝う日とされています。もともとは5月13日に守られていましたが、11月1日にグレゴリウス3世教皇(731-741)が聖ペトロの礼拝堂に全聖徒のためのチャペルを奉献したことを記念して変更されました。東方教会では聖霊降臨後第1主日を諸聖徒日として守もっています。
新約聖書では「聖なる人」とはイエス・キリストを信じるすべての人を示していますので、諸聖徒日とは全ての信仰者のための人されています。
ややこしいのは11月2日の小祝日の諸魂日(All Souls' Day)との関係で、こちらの方は「全て信仰を持って世を去った人々の記念日)である。その意味では諸聖徒日は逝去者記念礼拝には相応しくないが、日本の多くの教会ではこの日に全ての逝去者を記念する日とされています。
ついでに諸聖徒日の前日10月31日はハロウィーン(Halloween)は、もともと西ヨーロッパの異教の収穫祭でありましたが、翌日の諸聖徒日のための悪魔払いの日として定着したものです。
1517年の諸聖徒日に当時の教会が聖ペトロ大聖堂建築資金集めのために免罪符を売り出そうと企画していました。それで、その前日、免罪符に疑義を持つ修道士マルチン・ルターが免罪符の無効性を訴える95箇条の訴状をヴィッテンベルグ教会の門扉に張り出したとされています。ただし、徳善義和先生の『マルティン・ルター』(岩波新書)によると、その根拠はないとされています。それよりも重要なことは、11月1日には1年に1度にヴィッテンベルグの町において聖遺物のご開帳がなされ、霊験あらたかな聖遺物を拝見すると、煉獄の炎の苦しみは2万年帳消しになるといわれていた、と言われていました。
ということで、もし10月31のハロウィーンとルターによる宗教改革とに、何らかの意義づけをするとしたら、死と死後の世界に関するすべての迷信を打破したことにあると思います。

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