ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

11月11日って変な日

2009-11-12 18:09:54 | ときのまにまに
昨日は11月11日で数字を並べると「1111」となるのでいろいろな「記念日」になっていたらしい。面白い記念日を拾い出すと、まず筆頭にあげるべきものは「介護の日」である。厚生省が昨年制定したらしい。「いい日いい日」の語呂合わせから。
次が今問題の箱物建設の日、正式には「公共建築の日」と呼ばれ2003年から実施されている。主旨は「国民生活に一層密着した、より良い公共建築を目指すため」とされる。この日が選ばれたのは「1111」という数字の配列が、建築の基本的構造を象徴する4本の柱のイメージにふさわしいことと、歴史的には「国会議事堂の完成年月である昭和11年11月に因む」とされる。何か裏がありそうな「取って付けたような」記念日である。
建築に関連する記念日としては、日本配線器具工業会が1999(平成11)年11月11日に制定したとされる「配線器具の日」というのがある。これも「コンセントの差込口の形状が「1111」に見えるという。いかにも「こじつけ」くさい。
電気関係に関連したついでに、日本乾電池工業会(現在の電池工業会)が1987(昭和62)年に制定した「電池の日」がある。乾電池のプラス(+)とマイナス(-)を組み合わせたら「十一」になった。アッと驚く美事な根拠。これと関連して、「電池月間」が 11月11日から12月12日までというのもある。よく数字を見ると「11と11」、「12と12」。確かにバッテリーに見えてくるから不思議。
形が似ているという点からいうと、非常に微笑ましいのが「麺の日」。これはわたしの趣味でもあるが、「1111」が麺の細長いイメージにつながることから、全国製麺協同組合連合会が1999年(平成11)に制定とのこと。これはいい。
面白いと言えば、「ピーナッツの日」というのもある。ちょうどこの季節、新豆を使った落花生が市場に出始める。それを記念して、「ピーナッツは1つの殻に2粒の豆が同居する双子であることから、11のぞろ目の日を記念日にしたと全国落花生協会は説明する。いわば仲間内の励まし合い。「さぁ、頑張って売ろうぜ」(1985年に制定)。ピーナッツといえば、1976年アメリカの航空機製造会社ロッキード社の大規模汚職事件ではピーナッツ一粒が100万円で、日本では総理の犯罪として世間を騒がせたことを思い出す。その思い出を払拭する意味もあったのかも知れない。
この日が「サッカーの日」だということを誰が知っているのだろう。サッカーが11人対11人で行うスポーツであることから、スポーツ用品メーカー・ミズノの直営店・エスポートミズノが「勝手に」制定したという。
それなら、もう少しマシなのが日本靴下協会が1993年に制定した「靴下の日」である。容易に想像できるように「ペアー」であることがキイワード。従って「ペアーズデイ」とか「恋人たちの日」ともいわれる。靴下を2足並べた時の形が11 11に見えることから、2足まとめて売ろうとする商魂。「1年で1度同じ数字のペアが重なる日であることから、恋人同士で靴下を贈り合おうと呼びかけている」。果たして「バレンタイン」やサンタクロースの「靴下」のようにグローバルスタンダードになれるか。靴下業界の腕の見せ所。
靴下が出てきたついでというと悪いが日本文化にちなむ「下駄の日」だって負けてはいない。下駄の足跡が「11 11」に見えることから、伊豆長岡観光協会(現 伊豆の国市観光協会)が思いついた。伊豆長岡温泉に「カランコロン」と心地良い音を奏でる下駄に1年の感謝の気持ちを込めて、下駄供養祭が行われるという。先日下駄屋を除いたら、最近の下駄は前歯が靴のように平らになっており、板製の「ぞうり」という感じ。しかも、歯にはゴムが貼られ「カランコロン」という音はしないのが流行だとか。残念。あの音がよかったのに。
全日本鏡連合会も「11 11」や「十一 十一」が左右対称であることから、「鏡の日」を2006年に制定している。
ちょっと異色なのが「折り紙の日」(日本折紙協会が制定)。協会の説明によると「1を4つ組み合わせると折紙の形・正方形になることから」。ちょっと苦しい説明であるが、ここまで来ると何でもありである。
昨日、テレビを見ていて思わず笑ってしまったのが「鮭の日」。根拠が面白い。鮭という字をよくよく見ると、傍らの「圭」が「十一十一」に見えてくる。これは各地でそれぞれ独立で制定されている。新潟県村上市が1987(昭和62)年に、大阪市中央卸売市場「鮭の日委員会」が1992(平成4)年に制定。これらとは別に築地市場「北洋物産会」も制定しいているとのこと。スーパーあたりではこの日は鮭の大売り出しとか。
「1111」ばかりが出しゃばりすぎてはいけない。もう少し歴史の勉強でもしなさいというのが、京都府の西陣織工業組合等西陣織関係の13団体で、これらが共同で「西陣の日」事業協議会を構成し、1969年に「西陣の日」を制定した。その因縁は、1477(文明9)年、京都が戦場となった応仁の乱の時、京都の織り手たちは戦火を逃れて全国各地に散らばっていった。やがて戦争も終わり京都が平静さを取り戻したとき、織り手たちは京都に戻り、西軍の本陣のあった辺りに住みつき、機を織り始めた。それが11月11日であったされる。これが西陣織の始まり。なかなか学識がある。
その他、江崎グリコの「ポッキーとプリッツの日」とか、「もやしの日」、「煙突の日」、「箸の日」、「きりたんぽの日」、「長野県きのこの日」、「コピーライターの日」などなど、棒を縦に並べれば何でも「記念日」になる。

最後に世界的に見て最も大切な「世界平和記念日」を忘れてはならない。、ドイツとアメリカが1918年11月11日午前11時に停戦協定に調印し、4年あまり続いた第1次世界大戦が終結した。主戦場となったヨーロッパの各国では、この日を祝日としている。これに対してヨーロッパから少し距離のあるアメリカでは、ちょっと目先を変えて「退役軍人記念日(Veteran's Day)」としてお祝いをする。1938年に全米の法定休日のなった。「ベテラン」という単語が英語では「退役軍人」を意味するとは気がつかなかった。定めし「定年の日」も英語でいうと「ベテランの日」になるのか。

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