じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

四條畷1-0関西創価

2018-07-13 20:03:05 | 高校野球

✳投手

四條畷:しびれる完封劇を演じた2年生エース右腕坂井君、終盤やや足の踏ん張りが効かなくなって見えたものの、最後までオーバーハンドからのストレートの威力が衰えることはありませんでした。小柄なだけにまさに、小さな大投手、といったところです。秋の市岡戦で完投した時や春にリリーフしたときに観たのと同じ投手ということなら、秋は球筋そのものには特別なものは感じませんでしたし、春は今日のような力のあるストレート投げてたとはいえ短いイニングでのことですから、季節が移り行くたびに進化を遂げてるということになるかと思われます。遠くへもっていく力がより強い強豪私学が相手なだけにコースを過剰なまでに丁寧につかざるをえず、それが四球の多さにつながってしまいましたが、それに加えて味方がなかなかチャンスをものにしてくれない、守備が乱れる時もあったなか、最後まで集中力と丁寧さを失わず抑え続けた姿は秋の市岡戦の姿そのものであり、そのときよりもさらに強くなったメンタルをこの日披露、その姿はまさに、下級生ながらエースそのものの姿であったと思います。そうした投球を続けられたことが、強い打球で遠くへぶっ飛ばされたら試合も一気にぶっ飛ばされそうな危うい展開のなか、最後までそうした打球を打たせず、時に強豪私学を差し込ますことができた要因かとも思われます。9回表に先制点をもらったあとの守りで先頭がエラーで出塁、バントで得点圏に進められてからも、最後よく踏ん張りました。

関西創価:先発のサイド右腕エース浪越君スライダーストレートともよく切れており、それがボールに見える球もストライクもらう要因になったかと思われます。特に外の制球が良かったです。7回からリリーフした背番号11の2年生右腕尼田君は力のある球投げてましたがあまりにも荒れすぎててこの日は使えませんでした。仕掛けないと点がとれそうにない相手打線にとってはこれたけ球が荒れてると動きづらかったと思いますが、荒れてると味方も使いづらく、満塁での降板はやむなしと思います。まだもう一年ありますので、秋より威力が増して見えたストレートをより活かすべく、コントロールに磨きをかけてほしいと思います。そのためには、キャッチボールから相手の胸元に常に遠投でもできるようになること、打者だけでなく味方の捕手など、いかに相手のことを考えて投げるかかと思われます。7回途中から登板した背番号10のオーバーハンド右腕安野君はストレートに力もありスライダーも切れており制球もまずまず良かったと思います。9回に手痛い先制点を献上してしまいましたが、7回一死満塁で登板した場面ではよく抑えたと思います。

 

✳打力

四條畷:強豪私学の威力ある球を前にすると、秋や春にはそこまで感じなかった非力さが如実に感じられたのは、諸々限られた環境で日々の練習に励んでいることを考えると、やむ無しかと思われます。ただ、投手交代時やイニング間の相手の投球練習を打者がまったくと言っていいほど見ておらず、ひたすら素振りしていた場面が目立ったのは気になりました。相手をみてれば狙い球などもちょっと絞ったバッティングができたかなと思います。どの打者ものべつまくなしにあれもこれも振って、もしくは振らされて見えましたので余計にそう感じました。もう少し相手を見る必要はあるかと思います。それだけでも非力さを補い得点力を少しでも上げる要因になるかもしれません。

関西創価:パワーでは明らかに相手に勝っていながら、相手エースの力投の前に、その力を出しきれなかったように見えました。

 

✳四條畷

秋、春同様、鍛えられた守備は細かいミスはあったものの、強豪私学相手でも最後まで乱れることはありませんでした。強豪私学相手に見事勝利の要因はそれプラスそれまでは感じなかった個の力、そう、坂井君の投球にあったことは言うまでもないかと思われます。ただ、春までにみられた走塁やバントなどで思いきった仕掛けがみられなかったことが、強豪私学相手でもがっぷり四つにやれるとの私的予想通りにはいかず、強豪私学の圧力に終始さらされて見えた展開になってしまった要因かも知れません。相手の守備をみるかきりでは、もっと思いきった仕掛けが出来たように思います。そうすれば、投手にもちょっと楽させてあげることができたかもですね🎵次の相手は大阪桐蔭、正直厳しい相手ですが、坂井君がこの日のような進化した姿を見せることが出来れば、ひょっとしたらひょっとするかもという期待くらいはしてよいかも知れません。守備は鍛えられてるとはいえ、強豪私学特有の強い打球についていけず前で止めることができなかった場面が何度かありましたし、フライで打ち取ったとしても、これまで経験したことのないようなたか~くあがるそれに対応できるかという疑問符も残りますので、三振の山を築くことが唯一のジャイアントキリングの条件という見方もできるかもしれません。いずれにしても、この日のように、いかに強い打球を打たさないかということになってくるかとは思います。まずは9回までやること、昨夏の渋谷が大阪桐蔭相手にみせたように終盤までなんとか勝敗が分からないスコアで踏ん張る、といったことが、当面の目標になってくるというのが、現実的な見方かもしれません。

 

✳関西創価

敗因は打てなかったことですが、これについては相手投手を褒めるべきかもしれません。守備走塁、特に守備において相手が勝っていたように感じました。ただ、もっと敗因を掘り下げて探すと、相手をしっかりみることが出来ていなかったのでは?相手に比べて反応の速さで遅れをとったのでは?ということが挙げられるかも知れません。試合後半一死一塁でライト前コースヒットの場面、打球が詰まっていただけに一気に三塁までという一塁ランナーの気持ちはわかりますが、四條畷の守備を考えるとタイミング的に難しかったことは、試合前のノックをみてれば分かったことと思います。初回一死二塁でショートゴロでセカンドランナー帰れずの場面は明らかに相手の方が反応で勝ってました。集中力の差で負けたのかも知れません。最終回一死二塁で右中間深くへのフライでタッチアップの体勢をとっておらず三塁へ進めなかったことも、相手を助けてしまったかも知れません。相手は捕球イメージができており、深くまで飛んでいった打球ですが、破るようなそれには見えませんでした。いずれも一死一二塁が二死一塁に、一死二塁が二死一塁に、二死三塁が二死二塁に化けてしまっただけに、痛いプレーだったかも知れません。最後のは三塁いってればワイルドピッチもあったかも知れませんし、相手バッテリーはそれがために配球が狭まり、狙い球が絞りやすくなったかも知れません。相手のことを常に考えて日々取り組むことと、集中力を高めることが、新チームの飛躍の鍵なのかも知れません。センバツへの道として、まずは攻守に動きの鋭さを身に付けること、が当面の課題となるようにも感じました。



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