大阪桐蔭:押しぎみに試合を進めながら1点に終わる。昨年からの経験値の高い強い選手を揃え上記のような展開ながら相手に怖さを与える場面が少なく見えたのは、次のプレーを意識したプレー、ゴールをイメージしたプレーが出来てなかったからに見えました。後、先制されるとどうしてもシュートへの決断力が鈍って見えました。苦しい展開だからこそ、そうした瞬時の決断力が求められるかと思われます。
大阪学芸:押されぎみながら2得点で相手を攻略。左サイドハーフ11、この小柄な選手のシュート力、ここぞを逃さぬ集中力、サイド、特に左サイドからのえぐりの鋭さが光って見えました。
✳️大阪桐蔭
✳️大阪学芸
大阪桐蔭:約1ヶ月前の仰星戦では巧さよりも強さ鋭さを前面に押し出し縦に速くゴールに向かってくる相手への対応に課題が残しましたが、この日はグランドをワイドにつかってくる相手の対応に課題が残って見えました。序盤に与えたPKでの先制点は、その前の相手のアーリークロスに同校のサイドの選手が対応しきれなかった事が発端となったもの。1失点に抑えたのですから良く守ったと言えますが、裏を狙いにくる相手の前線の選手に対する最終ラインのケアは必ずしも十分とは言えず、危なっかしく見えました。それまで右SBで使われることの多かった杉山選手と右CBで使われることの多かった永野選手のポジションを入れかえてましたが、これについては以前からそうした方が良いように、私的雑感ですが感じてました。杉山選手は2月のB戦ではCBで使われてましたし永野選手は昨年から今年の序盤にかけて右SBで使われてましたし、二人のプレースタイル観ていても、適性ポジションかと思われます。この日はまだ互いになじんでないように見えましたので、冬の選手権大阪大会までに間に合うかどうかかと思われます。
興国:無失点で抑えたので良く守ったと言えますが、相手への寄せが甘く見えたのは気になりました。人数揃っていても狭い場所をパスでつながれる場面が多かったのでそう感じました。 ただ、ゴール前には常に人数が揃ってましたので、プレスよりも戻りを早くしてブロックを作ることを優先していたのかも知れないなと思いながら観てました。
✳攻撃
大阪桐蔭:攻撃の形は素晴らしかったにも関わらず無得点に終わった要因は、予測が不足していたのと、先制されたからか当初からのプランだったのかはわかりませんが、最終ラインから前線への一本のパスで相手の最終ラインの裏を狙ってと、やや一発狙いの攻撃が多かった事が挙げられるかと思われます。前線の選手がせっかくプレスをかけて相手のクリアコースを限定させても、二列目以降がそれを感じることが出来ておらずルーズボールを拾えないか拾えても体勢が悪く次にパスを受けた選手が苦しくなってしまい結局手詰まりが結構多かったように思います。一発狙いのパスは相手に読まれやすい上に精度の高さが求められますので、決めるのはなかなか難しい攻撃に見えました。そうしたパスを蹴り続けた最終ラインの選手も相手の背後を狙い走り続けた中島選手もよく頑張ってただけに、余計にそう感じました。
興国:今期も質の高いポゼッションサッカーは健在。大きなパスでグランドをワイドに使ったそれもここ数年同様いけるため、相手のプレスの網にかかりにくい。そうしたサッカーを展開しながら1点に終わった要因は、この日に関しては攻撃の手数そのものを少なくさせられてしまったからかと思われます。守備のところで触れた事ですが、ボールを捕りにいく姿勢がやや足らなかったことが、そういう展開になってしまった要因かもしれません。
✳大阪桐蔭
来期プリンスリーグ残留という点では手痛い敗戦になってみえましたが、冬の選手権大阪大会に向けては、課題と収穫が見つかった実りある敗戦だったように感じました。課題はリードされた展開でのゲームメイク。リードされたからといって一発狙いに走らない。リードされたときこそいかに普段通りにやるか、チームとして平常心でやれるか等、選手権予選でもこの日の試合のような展開は考えられるかと思われるため、本番前の?良いシミュレーションになったようにも見えました。収穫はFW下野選手と2年生ボランチ山上選手18。下野選手は昨年からちょくちょく起用されてる選手ですが、これまでは至って凡庸な印象だったのが、この日は非常に強さと速さを感じさせるプレーを随所に見せ、そのなかでしっかりボールコントロールにキックもできており、メンバーの一員ではなく核になる選手に成長した姿を見せていたと思います。山上選手は華奢ですがショルダーチャージをとられるのではないかと思うくらい強くあたって自分より太くでかい相手を吹っ飛ばしてましたし、トップスピードの中でも強くボールを捌く事が出来ており、そうした中でもボランチとしてしっかりとゲームコントロールが出来ていたように見えました。インターハイ予選の頃より、というより一月前よりチーム力の分厚さが増して見えた姿に、インターハイ予選の時のように主力が1人怪我で抜けただけでチーム力が落ちて見えたようなことは、選手権予選ではもうないであろうと感じ、2年ぶりの冬の全国出場へ向け、期待がもてるこの日の内容だったように感じました。直前になってメンバー、ポジションを微妙に且つ大きくいらって見えましたが、それらをなじませることが、本番?までに間に合うかどうかが、鍵となってくるのかも知れないなと思いながら観てました。
✳興国
今期も浪速のバルセロナは健在。キーパーからのつなぎに徹底的にこだわるスタイル。フィジカルもしっかりしてそうな選手が多い。悲願の冬の全国選手権出場に向けては、いかにボールを奪いにいく力を身につけ、攻撃の手数を増やしていくかかと、この日観る限りでは感じました。
✳本命:阪南大学高校
✳対抗:東海大仰星
✳ダークホース:大阪桐蔭 履正社
✳その他有力校:興国 金光大阪 大阪産業大学付属 関大一
ざっくりと言えば上記のような感じかと、あくまで私的雑感として思います。では、ゾーン毎に見ていきたいと思います。
✳阪南大学高校に挑む履正社
現在プリンスリーグ関西で首位を独走する阪南大学高校、インターハイ予選の頃は惜しくも対抗といったところかと思われたが、その後のプリンスリーグでの安定した戦績を見ると、結果がどうなるかは誰にも分からぬことだが、予想としては単独本命として然るべきかと思われ、全国制覇の期待も出来る強さかと思われます。相手に寄せられるなど難しい体勢からでも精度の高いシュートが打てるなど、それに対する意識の高さは特筆もの。攻撃力の高さを感じるチームだが、サッカーという点が入りにくいスポーツにおいてトーナメントを勝ち抜くに必要不可欠なのはディフェンスの安定。得点力の高さが武器の同校だが、インターハイに続き冬の全国選手権にも順当に駒を進めるか否かは、インターハイ予選の頃に感じたカウンターへの対応の不安が解消されているかどうかかと思われます。その阪南大学高校と、勝ち進めば準々決勝で当たるのが履正社、インターハイ予選は退場者が出たこともありトーナメントで姿を消したが強さは感じた。大阪一部リーグで首位。勝ち点は同率だが得失点差では他を圧倒。本命を奈落の底に叩き落とし、一気に全国へと駆け上がるポテンシャルはあるかと思われます。この両校の対戦が実現すれば、その結果は、大会全体の行方に大きな影響を及ぼしそうに思います。他、関大北陽が古豪復活なるかにも注目かと思われます。
✳大阪桐蔭 金光大阪に大阪学院、桃山学院がどう絡む
プリンスリーグ前半は苦しい戦いを強いられた大阪桐蔭、だがインターハイ予選最終順位決定リーグで阪南大学高校に完勝、東海大仰星には逆転負けもその頃からチームが上昇気流に、プリンスリーグ後半では全国クラスのチームにも食らいつけるようになり、インターハイ予選の頃より選手層も分厚くなって見える。2年ぶりの冬の全国選手権出場が狙えるところまで迫ってきているかと思われる。勝ち進めばその大阪桐蔭と準々決勝で当たるのが金光大阪。直近のプリンスリーグ関西での試合で東海大仰星に3ー0で勝利。これが本物なら、同校もまた、狙えるとこまで迫っていることが推察され、大阪桐蔭との試合は激しい攻防が予想される。他昨年代表大阪学院はトップクラスのチーム相手に流れのなかでボールを奪えるようになっているか、桃山学院は守備で厳しさ、攻めてつなぎの面が向上していれば、争いに絡んでくるかと思われます。
✳ディフェンスの安定が光る東海大仰星の現在の調子は果たして
阪南大学高校と共に力は全国クラスかと思われる東海大仰星。ゴール前など何度ボール奪われてもしつこく相手にまとわりつき、最後まで懸命に走り抜く、やや不恰好ではあるが不恰好であるがゆえに余計に強さを引き立たせるサッカーは健在。加えてインターハイ予選の頃よりゲームメイクの巧さが増して見える。インターハイ予選の頃は同校が本命かと思われたが、後半のプリンスリーグでの戦いが前半ほど安定してないのは気がかりであり、それが対抗評価になった要因。現在のチーム状態が気になるところである。勝ち進めば準々決勝で仰星と当たる近大付属は、夏までより体がどれだけビルトアップされているかが鍵かと思われます。
✳興国 大阪産業大学付属 インターハイ出場の関大一と混戦
今期初めてプリンスリーグ関西で戦う興国は例年通り浪速のバルセロナは健在。キーパーからのつなぎに徹底的にこだわるスタイル。フィジカルもしっかりしてそうな選手が多い。悲願の冬の全国選手権出場に向けては、いかにボールを奪いにいく力を身につけ、攻撃の手数を増やしていくかかと思われる。勝ち進めばその興国とベスト16で当たるのが大阪産業大学付属。大阪一部リーグで2位も1位の履正社と勝ち点では並んでのもの。捨て置けぬ一校かと思われる。勝ち進めばこの両校の勝者と準々決勝で当たるのが関大一。インターハイ予選では弱者の戦いに徹しきって全国切符ゲット。前線の強さが印象的でした。他、清明学院がこれら3校にどう絡むかも注目かも知れません。
上記に挙げた学校のほとんどが数日後に初戦を迎える。まずはここできっちりとスコアメイク出来るかで、各校の現在のチーム状態が計れるかと思われます。そして、サッカーという運動量が激しく、得点が入りにくいスポーツでトーナメントを勝ち抜くには運も必要。高校野球だと激戦ブロックに入った学校が、そこを勝ち抜いた勢いで一気に優勝というパターンはよくありますが、サッカーではそれは少ないかと思われ、有力校の中でどこが昨年の大阪学院、一昨年の大阪桐蔭のように迎え撃つ側にまわる巡り合わせに出会えるかも、トーナメントを勝ち抜く上で大事な要素かと思われます。