女子が死力の限りを尽くして負けたのに対して男子は、もちろん男子も死力を尽くしたことには変わりないと思いますが、女子と違い実力的にも試合展開的にも勝てた試合を落として見えました。第1Q序盤、コートをワイドに使ったパスワークで相手を翻弄し大量リードを奪いましたがそれを防ぐべくパスの出所を抑えにかかった相手を前に雑にも見えてしまう強引なパスが目立ち始め得点ペースがガクンと落ちる。守備ではいきなり大量リードを喫した相手が一気に点差を詰めるべく3点シュートを多投するためのパスワークに翻弄され続けて見えました。ゴール前にえぐりこんだ相手に対しまともにゴール前に人数を割いてしまったことでスリーポイントゾーンにいる相手選手をフリーにしてしまい次から次へと3点シュートを決められるという光景が逆転されるまでひたすら続いて見えました。幸先よく大量リードを奪えたわけですから2点取られ2点取り返す。で良かったかと思われ、ゴール前少々薄くなるのはやむなしで相手のスリーを封じにかかる。攻めてもコートを広く使ったパスワークを相手が封じにかかってるのですから、それなら切り替えてドリブルやショートで切れ込んでいけば良かったのではないかと、見てる限りでは思いました。逆転した相手が以降着実に2点を取りに来たのとは対照的で、個々のみならずゲーム前の戦術でも勝りながら、ゲームの中でのゲームメイクと相手を感じ取る力で後塵を拝し、初戦敗退につながったと思います。やや残念な負け方にはなってしまいましたがこれも経験、次につながるウインターカップにはなったと思います。ガードのサーノンターハ選手のトリッキーなリズムは十分相手を翻弄できますからスタミナと体の強さが増せばもっと全国的な選手になると思いますし秋田選手のプレーにも光るものがありました。尾形選手や岩波選手などの強い3年生の穴を埋めることが出来れば、来期も十分期待できるかと思われます。
初戦敗退になってしまいましたが薫英や岐阜女子相当の実力校相手に大善戦だったと思います。スターターの5人の出場頻度がもう少し上がっていれば結果も違ったかもしれません。第1Qでは全体的にサイズのある相手に大阪桐蔭もサイズで負けない選手を5人揃え 強さ五分、スピード鋭さで勝るの図式が出来上がり加えてシュートの精度でも勝って大量リードを奪いましたが、第2Q以降相手もより強くチャージをかけてくるようになり大阪桐蔭のメンバー交代もありスピード鋭さ、うまさでは勝るが強さで劣るの図式になってしまい、その図式がスタミナを奪いシュートなどひとつひとつのプレーの精度を奪うことにつながり、以降終始詰められる展開になり最終Qでついに逆転されて見えました。ただこの時間帯になると相手も下級生主体だからかフリースローの精度などに疲労が見え逆転のチャンスもあったのですが残念ながら再逆転とはなりませんでした。とはいえ北之坊選手の出ずっぱりの姿を久々に見れて存分に強さを発揮し、加えてそれまであまり見られなかったボール回し等の上手さも披露、2年生の山本選手の相手に詰められた中での難しい体勢からでもゴール前にえぐりこんでシュートを決める体の強さとしなやかさと技術力の高さ、1年生の片山選手の強さ、府大会の頃はスターターの一員としてのプレーが精一杯に見えた2年生の阿部選手のプレーにも光るものがあったことなど個々は存分に働き、何より府大会の頃より選手層が格段に厚くなったと思います。第2Q以降でのメンバー交代でサイズで劣ってしまったことがそのまま強さで劣ることになってしまって見えましたが、試合全体の事を考えれば、必要な選手起用だったと思います。来期は強い下級生が数多く残りますので、必ずや大輪の花を咲かせてくれるものと思いますし、この試合での3年生の奮戦にも見るべきものがあったと感じました。
※本命
桜花学園(愛知)京都精華女子(京都)
※対抗
札幌山の手(北海道)湯沢翔北(秋田)郡山商業(福島)聖和学園(宮城)白鴎大足利(栃木)昭和学院(千葉)明星学園(東京)八雲学園(東京)開志国際(新潟)新潟中央(新潟)鵬学園(石川)岐阜女子(岐阜)大阪薫英女学院(大阪)大阪桐蔭(大阪)倉敷翠松(岡山)徳山商工(山口)高知中央(高知)聖カタリナ(愛媛)小林(宮崎)
バスケットは総合力プラス核になる大型選手を擁するチームが優位かと思われ、そういう意味では、野球に似た側面があるように思われる。
では、ゾーン毎に見ていきたいと思います。
※岐阜女子~開志国際のゾーン
毎年のように優勝候補の筆頭格に挙げられ今季の東海大会も制した岐阜女子が中心のゾーンかと思われるが初戦の相手となりそうな白鴎大足利など息の抜けない戦いが続きそうだ。湯沢翔北ー八雲学園は好ゲームになりそうな予感。東北大会が開かれていないため同地区の学校の実力は未知数だが2年前の湯沢翔北の印象は強く残っている。開志国際も地区大会の戦績見る限り力はありそうだ。九州勢では小林に期待したい。
※徳山商工~高知中央のゾーン
高知中央の初戦の相手となりそうな大阪薫英女学院、その先に待ち構える昭和学院の勝者を徳山商工が迎え撃つ図式かと、各地区の戦績見る限りでは推察される。昨年度のウィンターカップではくじ運に泣いた感もあった薫英だが、今大会も楽なクジではないとはいえ、決勝進出のチャンスはあるかと思われる。
※札幌山の手~福岡大学付属大濠(福岡)のゾーン
札幌山の手の初戦の相手は大阪桐蔭になりそうだ。対戦が実現すれば大阪桐蔭が昨年のウィンターカップ準々決勝のリベンジなるかに注目が集まる。2017年はウィンターカップ優勝、2年後の同大会では悲劇的な逆転負け、そして昨年はその相手に見事リベンジと全国で感動的な戦いが続いてるだけに、今大会も注目が集まる。聖カタリナ学園も面白い存在だがこのゾーンの本命はなんと言っても桜花学園かと思われる。留学生の破壊力もさることながら日本人にもそれに匹敵する選手がおり、東海大会こそ優勝を逃したが、その力たるや間違いなく優勝候補本命かと思われる。郡山商業-新潟中央の勝者や倉敷翠松あたりがいかに立ち向かうかにも注目したい。
※京都精華女子~明星学園
近畿大会を57年ぶりに制した京都精華女子は言わば今大会の西の本命かと思われる。近畿を制したのが57年ぶりというのが意外なくらい元々力のある学校だが加えて今年は2人の留学生が強力。高校女子バスケといえば桜花と岐阜女子、という定番とも言える下馬評を覆す力があるかと思われる。共に順当に勝ち進めば準決勝で桜花と潰しあいというのはもったいない限りである。このゾーンの対抗馬は明星学園か。他、鵬学園、聖和学園あたりにも注目したい。