古都探索日記

奈良や京都の散策日記

トーク・コンサート

2013-03-19 10:02:33 | 音楽
 画像はコンサートのプログラム。NYフィルとの共演を終えてニューヨークから帰国したばかりの鈴木雅明氏はNYでの体験談から始める。尊大であるという噂に反してフレンドリーな態度と卓越した技への感動、バッハ作品を大編成のモダン楽器で演奏する困難さ、NYの街の面白さなど。次に今回の演奏曲目の選定について語られた。

 BWV853 平均律クラヴィア曲集第一巻の第8番 嬰ニ短調 ♯を5ヶ持つこの調性は平均律では♭を5ヶもつ変ホ短調と同じ調性であり♯族から♭族に変わる節目の曲。

 BWV830 パルティータ第6番 ホ短調 1731年にクラヴィア曲集第一巻として出版されその後に続くゴールドベルグ変奏曲、平均律第二巻、フーガの技法の一連の作品の出発点である。バッハはこれらの作品によってただ聴く目的だけではなくこの宇宙の普遍性を音楽によって解き明かそうとしたのではないか。

 BWV211 コーヒー・カンタータからソプラノ・アリア バッハはこのような楽しい曲も作曲。フラウト・トラヴェルソのオブリガートをチェンバロの右手が担う。ソプラノ独唱は澤江衣里さん。

 BWV147 コラール「主よ人の望みの喜びよ」で有名なこの曲からはソロ・ヴァイオリンのオブリガートをもつソプラノアリア。
ヴァイオリンを同じくチェンバロの右手、通奏低音を左手が担う。

 BWV199 ソプラノ独唱のこの曲のアリアをチェンバロだけの伴奏で演じるのは困難なことが練習中に解り急遽変更。「主よ人の望みの喜びよ」の器楽をチェンバロ、合唱をソプラノソロに代えて演奏。

 ここでBWV147のソプラノ・アリアを紹介。左をクリックしてください。

チェンバロだけの伴奏のアリア2曲はやはり少し物足りなかったがそれなりに楽しむことができた。観客50名ほどで満員になるこのスタジオにてコンサートは距離感の近さが何よりの魅力である。バッハの時代のツィマーマンのコーヒーハウスでの規模と推測される。
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